初インド、チェンナイで受けたインドの洗礼 | インド旅行記01

公開日: インド

チェンナイの町

インドと言えば俺が若い頃に読んで、強烈に影響を受けた、沢木耕太郎氏の首都デリーからロンドンまですべて陸路で、乗合バスのみで横断する『深夜特急』言う小説の出発の地だ。
この小説で沢木耕太郎氏は、出発地のインドに行かずに何を思ったか香港、マカオに寄り道をして、タイに向かい、マレーシアまで鉄道の旅をしてから出発の地、インドへと向かう。

当然、俺もそれに習い、香港に行った事がある俺は、生まれて初めての一人旅の出発地をタイに選び、マレー鉄道に乗り、シンガポールを抜けて飛行機を使わず、陸路と航路だけでインドネシアのバリ島までの旅をした。

あれから十数年も掛かってしまったが、東南アジア周辺を10カ国以上まわり、ようやく俺は、約束の地、インドを目指す事にした。

インド、チェンナイへの入国

インドへの入国はマレーシアの首都、クアラルンプールから南インドの大都市、チェンナイへ入国した。
AirAsiaを使えば片道1万円前後で行ける。昔は出発の地はバンコクがもっともメジャーだったが最近ではLCCのAirAsiaが安過ぎてクアラルンプールを出発の地に選ぶ方が安い。
東京、クアラルンプール間は安い時期なら片道、わずか1万円で行けてしまう。

航空券だけ買って、インドについて、何も調べていない俺は、AirAsiaの航空機の中で『地球の歩き方』熟読。インド、最初の目的地、チェンナイもマレーシアから一番近いからと言うだけの理由で決めてしまった。今後の予定は未定、最終目的地は、ガンジス川での沐浴が有名な聖地バラナシ(ベナレス)で、もし、時間に余裕があればネパールまで足を伸ばしたいと思っていた。

飛行機の中で、何とかチェンナイにある安宿だけ調べて、後は空港からタクシーで行く事にした。
宿はブロードランズと言う外国人専用の一泊400Rs位の安宿を選んだ。理由はその隣にパラダイス・ゲストハウスと言う安宿があったので、万が一、満室だった場合にすぐに隣に行けば良いと思ったからだ。
(今だと400Rsで700円しない位)

空港からチェンナイの安宿まで先払いで500Rs。初めてのインドで訳もわからずインド人ともめるのは面倒だなと思い、多少、高いかもしれないが空港で手配しているタクシーに乗った。

チェンナイの町

チェンナイの車はサイドミラーの無い確率が異常に高い!

インドでまずビビったのは、3車線位の道路に平気で5車線位の車が隙間無しに我先にと走っている事で、よくよく見るとサイドミラーの無い車の多いい事、多いい事。理由は知らないが、こんな状態で走っていたらサイドミラーなんてすぐに無くなるだろうと容易に想像出来る。

まさにカオス。

カオスと言えば町並みも相当なカオスで、タクシーから外を眺めると、排気ガスとクラクションの鳴り響く道に掘建て小屋みたいな雑貨屋やら、何を売っているのかさっぱりわからないお店、野良牛が徘徊していて、裸足の浮浪者がその辺で寝ている、何が起こっているのかさっぱりわからなかった。
正直、タクシーに乗って正解だったと思う、いきなりこんな町に放り出されたら途方に暮れてしまう。

チェンナイの牛

タクシーの運転手に絡まれる

タクシーの運ちゃんが迷いに迷って何とか目的の安宿、ブロードランズに到着すると、遠かったので追加料金が120Rsだと言う。
『俺は空港で金払ったよ』と言うのだが遠かっただの、なんだかんだと言ってくる。
迷ったりしたのって俺、関係なく無い?俺は『it’s not my business』と言ってタクシーを降りようとするとタクシーの運転手は携帯でどこかに電話を掛けて、俺に電話を渡してきた。英語だからあまり良くわからなかったけれども電話越しの相手が料金の正当性を俺に言ってくる。

流石、インド!色々と噂には聞いていたけれども早速、インドの洗礼を受ける俺。

取りあえず、何言ってるか良くわから無いけれども『OK!OK! ノープロブレム!サンクス!バイ!』と言って電話を切り、タクシードライバーに電話を返す。タクシードライバーも満足そうな顔だったのでそのままタクシーを降りると、待て!待て!と慌ててタクシードライバーも降りて来て金を払えと言う。

また振り出しだよ・・・

『電話で話したよ、OKだって。ノープロブレムよ』と言うが一向に引き下がらない。ごちゃごちゃうるさいな、と思いながらも無視して、そのまま安宿にチェックイン。タクシードライバーはゲストハウスまで付いてきて宿屋のおやじやらその他の宿泊客にまで『この男が金を払わないんだ!』とわめき散らす。

インド人は基本的に喧嘩の際、この様にして周囲にわめき散らして、こいつが悪いだろ?と言うスタンスをとるらしい。実際、一ヶ月ちょっと滞在したインドで沢山の喧嘩を見たが手を出している所は一度も見た事が無い。面倒くさい人は多いいが暴力的な人は少ない無い平和的な国の印象を受けた。

安宿のブロードランド

チェンナイの安宿

ちなみに泊まった安宿、ブロードランズは悪くは無いが正直、このクオリティではちょっと高い印象。
また、地球の歩き方に載っているので日本人が来る確率が高く、宿泊中、3人の日本人に出会ったのでインドについて色々と教えてもらう事が出来てラッキーだった。

ブロードランズの住所は
18 Vallabha Agraharam St., Triplicane, Opp. Star Cinema
電話番号は 28545573、28548131
料金は200Rs〜1000Rs位

チェンナイの町並み

初めてのチャイ

インドに着いたら取りあえずはチャイだ。何が起きているのか良くわからない混沌とした町に出て早速、チャイ屋を探す。その辺で売っているチャイは大体、5Rs〜10Rs位(日本円にして大体10円〜20円位)で小さな紙コップ一杯のチャイが買える。
衛生面とか相当、心配だけれども加熱しているし、大丈夫だろうと信じて買うしか無い。俺は人の良さそうなおばちゃんに7Rs払って初チャイにチャレンジ。

結構うまい。俺はこの日以降、朝起きたらチャイを飲む事を日課にする事にした。

インドに来たらチャイだ!と心に決めて、もう一杯とおかわりを頼む。2杯のチャイを飲んで満足したので2杯目の7Rsを払って帰ろうとしたら、お店の店主らしき男に14Rsだと言われる。

『え!?さっきそこのおばちゃんに払ったよ』と言うとおばちゃんは、しれっと知らないよ、みたいな事を言い出した。

これが噂のインドスタイルか!?もはや苦笑いするしか無い。
言い合っても面倒くさいだけなので7Rsだけ払って、そのまま無視をして帰るが特に何も言ってこない。やはり確信犯なのか?言うだけ言ってみる的な文化なのかもしれない。

マリーナ・ビーチ

インドでは素手でカリーを食べるのが当たり前

インド人は手でご飯を食べるってみんな知っていると思うけれどもインドの主食はカレーで

『カレーを手でぐちょぐちょとコネながら食べるんだぜ』

もちろん、俺もそんな事は知っている。インドに来たら素手でカレーを食べる覚悟くらいは持ってる。でもね、やっぱり実際にやってみると、なんと言うか、あんまり馴染めるものでは無かった。慣れかもしれないけれども。だってカレーだよ、ベッチョベチョしながら米をポロポロこぼしながら素手で食べるんだぜ?
ナンなら良いよ、勿論、素手で余裕で食べるよ。
でも、それがインドスタイルだし、「郷に入れば郷に従え」と言う事だね。
あと、そこのカリーは、あまり美味しくは無かった・・・

マリーナ・ビーチ

上の写真はチェンナイ市民の憩いの場、マリーナ・ビーチ。
俺が泊まっていたゲストハウスから歩いても行ける距離にあった。
波はそこそこ荒くて海水浴には向いていないが数名のインド人が波に飲まれてゴロゴロ転げながら遊んでいた。

やっぱりインドは期待通りの、びっくり大国だった

東南アジア一帯を10カ国以上まわった感じからすると、それぞれの国によって良い所も悪い所もあるけれども、大きな意味での常識は、ある程度は共通していた気がするし、文化や風習もある程度は共通していた。
でも、インドまで来ると何これ?意味わからない、と言う事が多くなって来るのでとても面白い。

なお、沢木耕太郎氏の『深夜特急』は会社を辞めてしまうだけの破壊力を持つ本なので、読む方は十分に気をつけて欲しい。

つづく

チェンナイからマハーバリプラムへの行き方、ジョジョの奇妙な冒険から学ぶ旅行術 | インド旅行記02

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公開日: : 最終更新日:2014/06/17 インド

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