トレッキングと言う甘美な言葉に誘われてうっかり4000m級の山々を縦走するハメになってしまったシミエン国立公園3日目

トレッキングと言う甘美な言葉に誘われてうっかり4000m級の山々を縦走するハメになってしまったシミエン国立公園3日目

シミエン国立公園 3日目

2月12日

朝起きるとマリちゃんが猫と遊んでいた。

シミエン国立公園の猫

昨夜、あんなに具合悪そうにしていた高山病はすっかり良くなったみたいでケロッとしている。俺はすっかり下山モードに入っていたのに、マリちゃんはこのままトレッキングを続けると言いだした。

いや、まぁ、いいっちゃいいんだけれども本当に大丈夫???

下山する気、満々ですっかり気の抜けていた俺は残りの2日間、気合いを入れ直してトレッキングをしなければならなくなってしまった。

どうやら長い一日が始まりそうだ。

シミエン国立公園

8:20 キャンプサイトを出発

ここから先は富士山以上の標高だ。
急な登りと言う訳ではないが一歩、一歩がやけに重たい。

シミエン国立公園

クリーム色の高原をゆったりと登りながら標高3926mあるイミット・ゴーゴーを目指す。この山は微妙に4000mに達しないが景色はこの辺りで一番良いそうだ。

イミット・ゴーゴーの山頂

10:20 登りはじめてから約2時間でイミット・ゴーゴーに登頂。
キャンプサイトの時点で3600m以上あったので大した高低差は無いが富士山以上の山だ。高尾山ハイカーの俺には結構な達成感がある。

イミット・ゴーゴーの山頂

いや〜絶景、絶景!
飛行機の窓から見下ろしていた風景が目の前に広がっている。

イミット・ゴーゴーの山頂

この山を最後に二泊三日のアイルランド人夫妻とはお別れになる。結論から言うと二泊三日のツアーだと2日目だけちょっと大変だけれども素人でも登れて、適度に冒険感が味わえる素敵なトレッキングツアーだと言える。

で、三泊四日の俺たちはこれからどこに行くの?とガイドに聞いたところ遠くの山を指差してあそこに行くとか言っている。

うーーん、俺、英語よくわからないわ・・・
あんなところまで歩いて行ける訳ないじゃん

何かの間違いだと思っていたけれどもどうやら本気らしい。

シミエン国立公園

途中までみんなで下山してこの場所で三日間一緒だったアイルランド人夫妻とお別れだ。名残惜しいけれどもEメールアドレスなどを交換して、銃を持ったスカウトの人と一緒にアイルランド人夫妻は別のルートで下山していった。

シミエン国立公園

山を下り、谷を越え、また山を登っていく。
下る分にはだんだんと体が楽になっていくのだけれども登る時はマジでキツい。

標高3000m以上の場所で山を登ったり下ったり、これはもしかして登山家達が言う『縦走』って言う高度な登山なのではないか???

トレッキングってこんなにキツいんだっけ?

大した登りではないのだけれども標高の高さが激しく体力を奪う。一歩、一歩の足取りが重たくて心が折れそうになる。

正直、キツい

俺がずっと考えていたのは四日目、4400mもある山に本当に登れるのか?と言う事。この日は気合いで登りきるとして、毎日へろへろになって標高の高い山小屋で休んで大して体力も回復せず、日々疲弊していく。

本当に俺は4400mの山まで辿り着けるのか?
自信が無い・・・

7人で出発したパーティのうちアイルランド人夫妻は先ほど別れたので残り5人。台湾人夫妻の旦那さんは昨日、足がつってかなりの苦戦を強いられていた、今日は奥さんの瓜さんが膝を痛めミュールに乗っている。マリちゃんは昨日、高山病でにやられていた、そして俺は今、かつてないほどにバテている。

もはや終日通して元気なのは屈強な体つきをした台湾人のイーファンのみだった。

シミエン国立公園

煩悩の果てに

はぁ、はぁと言う自分の吐息しか聞こえない。
一歩、一歩の歩幅を最小限にとどめゆっくりと登る。

既にみんなのペースについていく事は出来なくなっていた。
美しい風景もうんざりだ、どうでもいい。

すこし、休みたい。
すこし、座りたい。

今にもぶっ倒れそうだった。でも、俺は倒れないと知っていたし、歩けると知っていた。

このツアーの参加費はひとり240ドル、二人で480ドル、日本円にして6万円近い金額だ。俺は6万円も払って一体何をしているのだろうか?

この苦行をする為に6万も払っているのか?
いや、違う。世界遺産をハントする為だ!

あ、でも、もうどうでもいいや。
もうハント(写真撮った)したし十分だ。

頭の中を色々な思考がグルグルとまわっている。
自分が何かに試されている気がした。

自分が何者なのか?
自分は一体何をしているのか?
俺の人生はこれでいいのか?

トレッキングつらい・・・

ダメだそうじゃない!俺は一体何がしたいんだ?

俺はタイに行きたい。
そうだ!
タイランドに行ってプール付きのホテルに泊まってプールサイドでゴロゴロしながらタイ飯食ってタイマッサージだ。

そうだ
俺に必要なのはタイだ!

タイに行こう

もう三日間は風呂には入っていない。
バスタブ付きの風呂に入りたい。
タイのホテルにはバスタブがついている。

もう二ヶ月以上もアフリカの飯を食っている。
エチオピアの飯は高いわりに美味しく無い。
タイ飯は安くてうまいな、大戸屋もココイチも吉牛だってある。

そうだ、タイに行こう!

6万円あればタイでけっこうな贅沢が出来るな。

俺はタイに向かって歩き出した。

シミエン国立公園

標高4000mの世界

13:30

ようやく辿り着いた場所はバンコクではなく標高4070mの山頂だった。
感動は無い、先ほど3926mもあるイミット・ゴーゴーに登ったばかりだ。それよりも100mちょっと高い山に登ったからって何だって言うんだ。どうせ明日、4400mの山を目指す。

てか4000m級の山々に連続して登るなんて聞いてないよ!

シミエン国立公園

トレッキングと言う甘美な言葉に誘われてうっかり4000m級の山々を縦走するハメになってしまった。

本当にキツかった。

その日の体調などによるのかもしれないが4000mの世界では一歩、一歩の登りが本当に重かった。

正直なめていた。

俺は8000m級の高所登山をする登山家の本などが好きで何冊か読んだ事がある。それは想像を絶する世界で、空気が1/3になるデスゾーンを酸素ボンベも持たずに登ると言うのもだった。

そんな登山家達が高度順応したりするエベレストのベースキャンプは標高5000mを越えている。つまり4000mくらいじゃ大した事無いんじゃないかと思っていた。

でも俺は登山家じゃない、ただの高尾山ハイカーだった。

山岳部に住む子供達

山岳部に住む子供達は4000mとか全然関係なくて普通に走り回っている。文字通り鍛え方が違うってやつだ。彼らは登山客に色々なお土産を売っていて、せっかくだから何か買ってあげたいのだけれども欲しいものが殆どない。

そんな中、これならお土産で友達にあげられるかな?と思うようなポーチがあったので30ブル(160円くらい)で購入。

シミエン国立公園

そして次のキャンプサイトまで歩いて帰る。
限界まで体力を消費していた俺は下りもしんどいなと思ったのだが思いのほか下りは楽で標高が下がるにつれて身体が楽になっていく。

シミエン国立公園

あれだけキツかったのに山頂で休んだせいか、標高が下がったおかげか帰り道は余裕すらあった。三日目の山場を越えたのでこのツアーの終わりが見えだした。

あれだけ不安だった四日目も今やなんの不安も無い。
驚くほど自信に満ちている。

もしかしたらさっきまで、軽い高山病にかかっていたのかもしれない。

16:20 キャンプサイトに到着

8時間のトレッキングを終え、ようやく長い一日が終わった。
この日はこれまでの旅の中で体力的に一番キツい日となった。

キャンプサイトにいたゲラヒヒの群れ

シミエン国立公園の記事

絶景!エチオピアの天井と言われる世界遺産『シミエン国立公園』

高山病で下山? | シミエン国立公園、2日目

トレッキングと言う甘美な言葉に誘われてうっかり4000m級の山々を縦走するハメになってしまったシミエン国立公園3日目

標高4444m!エチオピアで二番目に高い山 | シミエン国立公園4日目

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公開日: : 最終更新日:2016/08/13 エチオピア 世界遺産

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