微笑みの国へ | Young Age Vol.02

公開日: ヤングエイジ

バンコク・カオサンロード

2001年6月20日

デジタルがアナログを駆逐する少し前の時代。
人々は、フィルムカメラを愛用し、俺は写ルンですをバックパックに忍ばせた。

ろくな写真が取れなかった。
ほとんど、当時の写真はない。

この写真は2016年にバンコクに行った際に撮影したカオサンロード。
今じゃ少し古くなってしまったけれどもカメラはPENTAXのK5Ⅱ。

センスがないと思って諦めた写真の腕も、デジタル機器の発展により、もう一度、撮影する機会を得た。

現像は写真屋さんではなく、
今じゃAdobeのLightroom

プリントアウトはあまりしない。

この時、俺は電化製品を何一つ持っていかなかった。
今じゃ、iPhone、iPad、MacBook、にデジタル一眼レフ
最終的にはドローンまで装備して完全にデジタル武装。

もし、2001年に今の俺のデジタル装備を見たらミッションインポッシブル級のスパイ仕様のハイテク装備だ。便利にはなったが、当時のようにバックパック一つで身軽に旅をするには重すぎる。

微笑みの国へ | Young Age Vol.02

シトシトと雨が降っていた。
でかくて重たいバックパックを背負って家を出た。
しばらくここには帰ってこない。
何度か振り返り家を出た。

満員電車
いつもと違う。
俺は背広を着ていない。
本来ならば、旅立ちの気分に浸りながら成田に向かうところだ。

だが、明らかに俺は予約してある成田エクスプレスに間に合いそうもなかった。
クソ!いつもそうだ!!
俺は何度も成田エクスプレスを使った事があるのだが、いつも乗り遅れていた。
3000円以上もする特急料金を支払い、便所の前に座る。

納得のいく旅じゃない。

旅立ちを優雅に出発を飾る為に高い料金を払って成田エクスプレスに乗るのだ!
便所の前に座る為じゃない!!

便所の前、そこに座席はない。
座る場所がないから便所の前の荷物置き場に座る。
キレれそうだった。

高い金払ってこの仕打ち、許せない!
サービスがまったくなっていない!!

この時、俺は心に決めた。
もう成田エクスプレスには乗らん!!

そう、この日以来、俺は成田エクスプレスには一度も乗っていない。

飛行機の中
俺は期待と不安に満ちていた。

まず、言葉が心配だった。
英語は何年も使っていない。
もう忘れてしまったかもしれない。

宿探しが不安だった。
いきなり行ってホントに大丈夫か?

正直なところ若干ビビっていた。
でも、それよりも、これから始まるであろう楽しい冒険への期待でいっぱいだった。

バンコク、ドムアン空港
空港に着いたはいいが、さてどうしよう?
まずここからはじめなければならなかった。

初めての旅、右も左もわからぬバンコック
インフォメーションに行って聞いてみた。

エクスキューズ ミー アイ ウォント ゴー トゥウ カオサンロード

何も考えず、自然と口から出た言葉。
とても流暢とは言いがたいが、体で覚えた言葉。
海外という空気に触れ自然と出た言葉。

その時、俺は酔っていた。
誰も見ていない。
誰も気にしてない。

俺、ただ一人
自分で、自分の行動に酔っていた。
さすが俺だと。

そこから俺は、一気に調子に乗った。
不安など微塵もなかった。
旅慣れた旅人の程で、バスに乗ってカオサンロードへと向かった。

カオサンロード
そこは世界中の貧乏くさい旅行者の溜まり場。
胡散臭い外人と胡散臭い日本人。
沢山の安宿があり、沢山の旅行代理店がある。

ここにくれば旅が始まる。
ドラクエで例えるならルイーダの酒場、そんな場所だ。

バックパッカーの旅行初心者は、まずカオサンを目指す。
俺も例にならって取り合えずカオサンにやって来た。
多国籍空間、タイであってタイでない。
映画ブレードランナーの世界観に近いものがある。
ここでは毎日がお祭りだ。

ワクワクした!
興奮した!!

今すぐにでも探険したかった。
だが取り合えずこの重たい荷物を何とかしよう。
まず、宿を探す事にした。

初めての宿探し
さほど問題はなかった。
簡単に部屋は決まった。
ベッドがあるだけの部屋。
十分だった。

俺はすぐに町に飛び出した。

初めてのタイ
刺激的だった。
何もかも。

露天に売っている胡散臭いバッタ物を片っ端から見たり、恐る恐る屋台の物を食ってみたり。
子供の頃に行ったお祭りがそこにはあった。

子供の頃は、お祭りが楽しかった。
出店が楽しかった。
俺は子供に戻っていた。

これが噂に聞いた微笑みの国か
カオサンロードは、多分タイの中で一番タイらしくない場所だろう。
そんなことは後から知った。

その時はただ、ただ、楽しかった。

To Be Continued

あとがき

今思えば、本当にこの時以来、成田エクスプレスには一度も乗っていない。
完全に逆ギレなのだが俺のオススメは京成スカイライナーだ。
時間に余裕があればローカル電車でいく。

はっきり言って、成田エクスプレスの料金は高すぎる。
どのくらい高いかと言うと、バスならタイからカンボジアに行けちゃうくらいに高い。
特に夫婦二人分の料金ともなると日本での移動費はできるだけ節約したくなる。

旅行中、チマチマ節約するくらいなら日本での移動費をケチった方がよっぽど効率的だ。

この旅は俺にとって初めての旅で、初めてのタイだった。
だから世界中、色々な国を旅したけれども、やっぱり俺にとって一番思い出深いのはバンコクだ。

初めてバンコクに降り立った時、果物の腐ったようなすれた臭いがした。

この時はくせーって思ったけれども今じゃ、この匂いを嗅ぐとバンコクに帰ってきたんだなと嬉しくなる。
クソみたいな東京の生活から逃げ出して、冒険の地にやってきた若き日の俺。

灰色の人生がキラキラと輝き出す。
憧れ、求めていたものが目の前にある。

俺のだけの宝物を見つけた。
そんな気分だった。

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公開日: : 最終更新日:2017/11/05 ヤングエイジ

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