人生初の国境ごえ | Young Age Vol.15
写真は2016年6月にペナン島のジョージタウンで撮影したストリートアート
世界遺産ハンター Young Age
マレーシア編スタート
旅の醍醐味の一つは、国から国へと国境を超える事だ。
陸路での国境越え
それは、旅人にとっての憧れの瞬間でもあった。
今となっちゃ、イミグレーションでの長蛇の列、クソ面倒くさい上にもしかしたらトラブって国境を越えられないかもしれないと言うスリルも付いてくる。
出来れば避けたいイベントだ。
でも、当時の俺にはワクワクのドキドキで、これが旅人だって言うような期待に溢れたイベントだったんだ。
タイ最南端にある国境の街ハジャイ
2001年7月7日
パンガンからマレーシアを目指してハジャイまでやってきた。
特に何がある街でも無いのだが、たまたま泊まった安宿でアキラさんと言う面白い人に出会った。
彼は特にする事もなく20日以上もハジャイに沈没している強者で、ビザランついでに長居してしまったらしい。※ビザランとは、一度、国境を超えて再入国してビザを延長する行為
俺がこの街でやる事と言えば、タイバーツをマレーシアリンギットに両替する事とマレーシアまでのチケットを買うこだけだった。しかし、物価が安くて居心地の良い宿でアキラさんに捕まってしまい、久しぶりの日本語に溺れ、ダラダラと日々を過ごした。
結局、一日の滞在の予定が三泊になった。
国境を超えてマレーシアへ入国
2001年7月10日
今日からいよいよマレーシアだ。
何があるのか知らんがとにかく楽しみと不安でいっぱいだ。
ハジャイから俺が目指したのはマレーシアのペナン島。
ミニバスで4時間くらい。
料金は230バーツ。
本当は列車で行きたかったのだが東南アジアはとにかくバスのチケットを購入する方が楽。
旅行代理店に行って行きたい場所を言えばめちゃくちゃ簡単に手配してもらえる。
ワクワクドキドキの国境越えは思ったよりも楽勝でイミグレーションもほぼノーチェック。
結構、あっけなく俺はペナン島に到着した。
ペナン島は、世界遺産にも登録されているアートの街なのだが当時の俺は全くもって予備知識などはなく、なんとなく島だから海が綺麗なんじゃないかなくらいの気持ちでここまでやってきたのだが、到着して少し怯んだ。
ここはタイではなく、マレーシア。
タイならなんとかなるがマレーシアは勝手が違う。
通貨も違うし、言葉も違う。
しかし、やる事は一緒だ。
まずは安宿探し。
安宿は簡単に見つかった。
寝床が確保できたら街をブラつく。
国は変わったが旅の要領は全く一緒だった。
ペナン島は思ったよりも都会で、ビーチなど期待できるような街ではなかった。
だが、それでいい。
俺は散々、タイの南の島でバカンスを楽しんできたのだから。
しかし、困ったことにペナン島には俺の期待を刺激するものが何もなかった。
今まで、数カ国に行ったことがあるがここまで刺激がない国は初めてだった。
さて、どうしよう?
あとがき
ハジャイではアキラさんに捕まってだらだらと4日くらい過ごしてしまった。
この後もアキラさんとはメールでのやり取りを1年くらい続けていたのだけれども俺の帰国後もアキラさんはハジャイに滞在し続けて挙げ句の果てにニューハーフの彼女(?)まで作って楽しんでいた。
俺に綺麗な顔をした胸までは女だが、まだ、下の方は付いていると言うニューハーフの写真を送ってきて、ハジャイにおいでよ、この子を紹介するよ
と、なかなかハードルの高いお誘いまで頂いた。
アキラさんは何処までも欲望に忠実で、俺はそこまで踏み込めなかったけれどもアキラさんから聞く、ニューハーフの話は面白かった。
アキラさん曰く
普段は女の癖に喧嘩の時だけ急に男になりやがる
若い頃、ボクシングで鍛えた俺だが殴られると男のパンチなのでマジで痛い
あまりにも酷い時は殴り返すんだけど急に女になって泣きわめく
あいつら都合のいいようにスイッチするんだよね
こんな感じでかなり長い間、ニューハーフの家に転がり込んでダラダラと過ごしていたらしい。
旅をしていると日本じゃなかなか出会えないような人がいっぱい居るから面白い。
2016年6月
俺はシンガポールから北上し、マレーシアのペナン島を抜けてハジャイ経由でプーケットを目指した。
結局、プーケットには行かず、クラビに行っちゃったんだけれどもレオナルド・ディカプリオ主演の映画『ザ・ビーチ』のロケ地となったピーピー島には行った。
ちなみに当時のハジャイの記憶は全くなくて、数日滞在していたはずなのに覚えている場所は一箇所もなかった。
レオナルド・ディカプリオ主演の映画『ザ・ビーチ』のロケ地となったピーピー島を目指して
2016年6月
2001年当時は見向きもしなかったけれども実はペナン島のジョージタウンは世界遺産に登録されている街で、ストリートアートが楽しめる街だった。
人間って本当に興味のあるものしか見ないんだね
同じ街なのに2001年当時のペナン島の印象と2016年に行った時の印象がまるで違う。
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