旅人なら最高にしびれる映画『180°SOUTH/ワンエイティ・サウス』
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読書&映画

自然を愛するスペシャリストたちの“人生の旅”を描くライフ・ドキュメンタリー映画
“知らないところへ行ってみたい”という強い気持ちが旅の本質ではないだろうか。目的よりも過程が重要で、困難に見舞われても多くの発見や感動をもたらしてくれる旅こそが真の冒険。
もうこのイントロダクションだけで俺の心はノックアウトです。
最近見た映画の中でもっとも旅人としての俺の心に響いた映画のひとつ。
40年以上も前、1968年に南を目指した2人の若いアメリカ人がいた。サーフ&マウンテンの楽園を探しに南米パタゴニアの地へ。彼らの人生を大きく変えた究極のロード・トリップは持参した16ミリのカメラが記録していた。
そして今、2人の残した映像に魅せられたアメリカ人青年が彼らの足跡をたどって追体験の旅を試みる。異国の地で自然とともに生きる人々と出逢い、歴史や生活を学びながら、パタゴニアの高峰コルコバト山を目指した。はたして彼は頂上に立つことができるのだろうか。そして旅の終わりに何をみたのか。
監督・脚本・編集:クリス・マロイ/プロデューサー:ティム・リンチ
音楽プロデューサー:エメット・マロイ/エグゼクティブ・プロデューサー:リック・リッジェウェイ
撮影:ダニー・モダー
出演:イヴォン・シュイナード、ダグ・トンプキンス、ジェフ・ジョンソン、キース・マロイ、マコヘ、ティミー・オニール など
協力:パタゴニア
ワンエイティ・サウス 180°SOUTH [DVD]アマゾンで中古で1650円〜売っている。新品は3118円。
180°SOUTHと世界遺産
この映画の中で、主人公のジェフ・ジョンソンはパタゴニアを目指すにあたって飛行機を使わずにメキシコからパタゴニア行きのヨットクルーとして乗り込むことにするが途中、アクシデントに遭い、近くのイースター島に寄って船を修理することになる。
ここで世界遺産ハンター憧れの地、チリの世界遺産であるイースター島の歴史等に触れる。どのようにして人が増え、自然が破壊され、争いが起き、文明が破壊されたかについて語られる。
登山とサーフィンの旅の映画
基本的にこの映画は登山とサーフィン、自然を愛する旅の映画でイースター島やパタゴニアでサーフィンをしてたりキャンプしたり登山をしたりで見ていると、今すぐ冒険の旅に出たくなる。(登山もサーフィンもやらない俺だけど)
基本的に自分はバックパッカーに近いスタイルで旅をする事が多いのだがこういう映画を見ていると一台、キャンピングカーか中古のバンでも買ってアメリカ大陸横断や南米をキャンプしながら旅をしてみたいと思う。バックパッカースタイルは身ひとつで身軽なのはいいが、やはり一台の車にキャンプ道具等を詰め込んで移動する生活スタイルはバスや電車の旅行と比べて格段に自由度が高そうなのでやってみたい。
環境問題
映画の終盤は環境問題に触れている。今、パタゴニアに電気を安定供給する為にダムを造ろうとしていてそのダムが出来ると奇麗な川が無くなってしまう。
パタゴニア社と言えば環境問題にかなり積極的に取り組んでいるイメージだが実は『ザ・ノースフェイス』創業者 ダグ・トンプキンスの方が環境問題にかなり熱心で私財を使って環境を守る為にパタゴニアの土地をかなり買っている。
『パタゴニア』の創始者イヴォン・シュイナードは、売上よりも自然への敬意を重視することを企業理念として売上高の1%以上を環境保護団体に寄付している。
この映画はおそらくパタゴニア社の環境問題をテーマにしたプロパガンダ的、映画でもあるがあまりそこに重点を置かず、自然の素晴らしさを語り、旅の素晴らしさを語る事に重点を置いているように思えた。映像も音楽もカッコいいので旅、登山、サーフィンのどれかに興味がある人にはかなりおすすめしたい映画。
最近、自分が見た映画の中で最も旅人としての魂を揺さぶられた映画。
また、映画とか見てすぐ影響されてしまう俺は微力ながら将来、環境問題についても自分に出来るささやかな範囲で何が出来るのか考えてみようと思った。
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