ラスタ発祥の地でレゲエの聖地、シャシャマネにあるジャマイカンビレッジ

公開日: エチオピア

ラスタ発祥の地でレゲエの聖地、シャシャマネにあるジャマイカンビレッジ

2月21日

えっ!?ラスタ発祥の地ってエチオピアにあるの?

きっかけは、エジプトの安宿で、クレイジーヒッチハイカーのミキさんと話している時だった。レゲエと言えばジャマイカで、まさかアフリカにラスタ発祥の地があるなんて思ってもみなかった。

でも、よく考えれてみれば、もともとジャマイカンが住んでいたのはアフリカで、奴隷や戦争の兵隊として、アメリカや中米に連れてこられた。そのルーツがエチオピアだったとしても不思議じゃない。

ラスタマンの言うザイオンとは、エチオピアの事だったのか。
レゲエ好きのマリちゃんは、興味津々だった。

ちなみにミキさんは、アフリカ大陸をヒッチハイクで縦断すると言っているクレイジーな女性だ。俺たちが最後に会ったのはゴンダールだった、今頃はきっとケニアの辺りでヒッチハイクでもしているんじゃないかな。

ラスタ発祥の地でレゲエの聖地、シャシャマネにあるジャマイカンビレッジ

ジャマイカンビレッジはシャシャマネからトゥクトゥクで5分か10分くらい行った場所にあり、噂通り、タカリの巣窟だった。治安も悪そうだ。

トゥクトゥクを降りた瞬間からワラワラと寄ってくるタカリマンたちをかわしながらラスタの教会を探す。しかし、すぐにわかるだろうと思っていた教会が、何処にあるのか全くわからない。

しばらく探して、こりゃダメだと思い、寄ってきた自称ガイドを雇う事にした。料金は50ブル。

You know?(わかるだろう?)が口癖のガイドは、しきりに俺たちはピースメーカーだとかラスタは争いを好まないなどと調子のいい事を言っていたが、喋り方がアメリカの不良黒人みたいで全然、信用出来ない。

しかし、俺たち二人で歩いていると絶え間なく色々な奴が寄ってきて、ガイドしてやるとか何だとしつこく付きまとわれる。シャシャマネに来たら誰かガイドを付けた方がイライラしなくてすむ。

人を色眼鏡で見てはいけないとわかっているけれども俺は見た目、10割で人を判断している。ちょっとでもダメだと思ったら関わらない。

前回の日記と言ってる事が違うじゃねーか!と言われそうだけれども、基本的に俺は、海外で誰も信じていない。

ジャマイカンビレッジの教会

ガイドのおかげでようやく教会にたどり着いた。

入り口でゴロツキ2人組が入場料としてひとり50ブル必要だと言ってきたが『は?エントランスフリーでしょ』と言ってそのまま入場した。

ジャマイカンビレッジの教会

右に写っているラスタマンにラスタの歴史を教えてもらったのだけれども英語だったので半分くらいしか理解出来なかった。なんか教会って言うより小さな博物館的な感じだった。
(この教会は見学するのに若干の寄付が必要)

ラスタ村

この場所で集会(レゲエパーティ)が行われたりするそうだ。先ほどの人とは違う若い男が自然な流れで、勝手に案内しだして、ほんの数分、ちょろちょろって喋ってドネイション(寄付)が必要だと言い出した。よく見たらさっき入り口で入場料をタカってきた男だった。

ああ、あいつか・・・
仕方が無いので30ブル渡すと、そんなんじゃ全然足りない!ひとり最低でも50ブルは必要だ!

え?これドネイションでしょ?

と聞くと、そうだと言う。それがドネイションだよと言って、そのまま教会を出ると背後から罵声を浴びせられた。何を言っているのかわからないが、それが悪口だと言う事だけは、はっきりと理解出来る。

ガイドが『どう?良かった?』
と聞いてきたが『お、おう・・・』みたいな、言葉にならない言葉しか出なかった。

いや、マジでどう考えても最悪の気分だよ
30ブル寄付して罵られたんだから・・・
あのやり取りを間近で見ていて、良い訳ないでしょ・・・

本当は、もう少しゆっくりと写真を撮りたかったのだけれども、ウザ過ぎてすぐに出てくる事になってしまった。

ジャマイカンビレッジのボルトハウス

次に行ったのはジャマイカンフードが食べられると言うお店『ボルトハウス』。ボルトはもちろんジャマイカの英雄、ウサイン・ボルトからきている。

ママイヤさん情報で、ジャマイカンフードが食べられると聞いていたので、マリちゃんと楽しみにしていたのだ。本当はジャークチキンが食べたかったのだけれども無いと言われたので、ガイドのオススメの牛のしっぽ煮込みを頼んだ。

ラスタ村で食べるジャマイカンフード

なぜか分からないけれども俺の注文ともマリちゃんの注文とも全然違う物が出てきた。俺たちのガイドが『おい!全然ちがうじゃねーか』と言って、取り替えさせてくれようとしたのだが、超腹ペコだった俺たちは、それでいいよと言って出てきた物を食べる事にした。

うまい!普段、エチオピアのあまり美味しく無い食事をしているので特に美味しく感じた。
料金はガイドのドリンクと俺たちの食事、ドリンクなど全部あわせて135ブル。

すごく良かったので、シャシャマネに行くならオススメのレストラン。教会でのやり取りで、凹んでいた気分も、お腹いっぱいになり、気持ちも持ち直した。

ラスタ村のバナナアーティスト

次に向かったのはバナナアーティストのギャラリー。前にネットで調べた時は、しょぼくてつまらない、みたいな評判だったけれども実際に行ってみたらすごく良かった。

ラスタ村のバナナアーティスト

バナナの葉っぱなどを使って切り絵みにしていて、とってもオシャレ。このキリンなんかは、わりとマジで欲しかった。お値段は2000ブル(1万円ちょっと)

ラスタ村のバナナアーティスト

キリンはちょっと買えないので、ポストカードだけお土産に買う事にした。超おしゃれ!
バナナアーティストはとてもフレンドリーで、ウェルカムな感じだったので、少し荒んでいた心が和やかになってきた。

シャシャマネ

次に向かったのはガイドの弟と言う人物の家。せっかくシャシャマネまで来たのだから本場シャシャマネのレゲエCDを買って帰りたい。適当にコピーしてマジックでタイトルが書かれたようなCDから良く出来たコピー品、合わせて4枚で450ブル(約2400円)。

かなりボラれてるけど他にCDを売ってるところが分からないのでしょうがない。

この頃には俺も大分、機嫌が良くなってきていた。

シャシャマネ

俺たちのガイドはしきりにラスタはピースなんだ、お金の事とか俺は一切言わないだろ?You know?みたいな事を言っていた。

アメリカの不良黒人の真似したような喋り方して、ピースだなんだ胡散臭い事ばかり言っているからあまり信じてなかったけれども、こいつ、わりといい奴じゃん。

俺はもしかしてまた色眼鏡かけてたのかもな、と反省しながらも上機嫌だった。

最初はタカリマン達に囲まれてキツかったけど終わりよければすべて良し。

最後にトゥクトゥクを捕まえて帰る時、ガイドが『その前にお金をもらいたい』と言ってきた。俺はもちろんだよブラザーと言って約束の倍の額(100ブル)を手渡すと、急に血走った目で

『それじゃ全然足りない!200ブル必要だ!』

と言ってきた。
文字通り豹変ってやつだ。

これには俺も流石にショックを受けた。ちょっと前まであんなに仲良くしていたじゃん・・・

俺は約束の額の倍額を渡している、かりにもっと欲しいなら『ありがとう、でも時間が掛かったからもう少し欲しいんだ』みたいなやり方で言ってくれればいいのに、急に人が変わったように金の事ばかり言い出した。

ちなみに100ブル(約550円)はエチオピア人の日給以上だったりもする。

もう本当に、ちょっとでも話すのが嫌になって、ポケットに入っていたくしゃくしゃの50ブルを無言で渡し、そのままトゥクトゥクに乗り込んだ。

その時の俺の顔は、相当ひきつっていたと思う。

帰り道、前日まで一緒だったボロ車のドライバー、kidusの事を思い出していた。彼は色々と作戦を練って金を取ろうとはしていたが、俺たちに対する態度は一貫していい奴だった。

だから仲良くなれた。

早くもkidusを思うと懐かしい気持ちになった。

公開日: : エチオピア

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