インドの巡礼者たちが目指す聖地、リシュケシュの美しい風景 | インド旅行記09

デリーで食中毒にあっていらい、体重は毎日減っていき食事もほとんど取る事は出来ずにほぼ断食状態。ほんの少し食べる食事も聖地なのでベジタリアンフードのみ。日に日に衰弱していく俺はなかりナーバスになっていた。
天国に一番近い場所
体は痩せこけ体力は落ち、歩くのもフラフラだった。体から余計なものは全部無くなって体に溜まっていた毒素なども全部、一緒に抜け落ちた気がする。かわりに精神が研ぎすまされ生きている事のありがたみを感じ、自然の美しさがやけにはっきりと感じられる様な気がした。

そんな状態だったからかもしれないが、リシュケシュの風景はやけに神々しかった。もっとも美しいと感じた時間は朝と夕方のガンジス川。朝焼けと夕焼けにガンジス川の河原の砂が反射して神々しく輝いている。輝く砂は風に吹かれてサラサラと川の様に流れ、まるで天然の庭園を作っているようだった。あまりにも聖地の雰囲気が漂うその光景が好きで毎日のように朝、夕とガンジス川の河原を散歩した。

ガンジス川の砂はおそらく砂金だかなんかしらの鉱物が混じっていてキラキラと輝いている。この砂に朝日や夕日が反射して神々しく輝く。

ガンジス川は穏やかに流れていて水は驚くほど奇麗。手ですくって飲めそうだったけれどもそれはやめておいた。あまりにも水が奇麗だったので俺も沐浴をしてみたかったけれども水はかなり冷い。体調不良でガリガリに痩せて衰弱していた俺は、足だけ水に浸けて満足する事にした。

本気で死ぬとは思わなかったけれども、あまりにも神々しい雰囲気に飲み込まれて、もしかしたら俺、そろそろ死んじゃうのかな?死期が近いのかも?とちょっぴり思った。わりと平和に生きている俺にとって天国を一番近くに感じた時だったかもしれない。

ガンジス川の河原ではみんな思い思いの時を楽しいんでいる。河原が砂浜なのでビーチみたいだった。

リシュケシュの山
宮崎駿の映画に出てきそうなバア様やその後ろの神聖そうな木を抜けるとトトロに出てきそうな森がある。

森ではインドの修行僧サドゥーがキャンプと言うか野宿と言うか飯盒で飯を炊きながら普通に生活していたりする。余談だが最近、NHKの龍馬伝を見ていて思ったのだが150年位前の日本の風景とか生活に近い生活をインドの修行僧サドゥーはしていたりする。

リシュケシュは山岳部なので山の風景も美しい。

山岳部にある家も何とも言え無い、いい雰囲気。体調のせいかもしれないが全てが特別に感じられた。

山には普通に猿がいて人間と共存している。インド人は動物にとても寛容だと思う。日本だったら下手をしたら人間に駆除されてしまいそうだ。

町には野菜や果物が売っているのだけれどもインド人のセンスはなかなかやってくれる。グッとくるデザインだった。
リシュケシュの風景は神々しく聖地として申し分の無い場所だったのだけれども山岳部なのでとにかく寒い。夜は安宿のベッドで震え体調は日増しに悪くなるばかりだった。ヨガの修行も二日しかしなかった為、暇だったので毎日散歩しながら哲学的な気分に浸っていた。インドの修行僧のように俺も何か神聖なものを感じるところはかなりあったが、このままでは本当に他界してしまいかねないと思いこの天界に近いリシュケシュより下界に帰る事にした。
もしかしたらリシュケシュは聖地と呼ばれる場所だけあって本当に天界に近い場所だったのでは?とこのブログを書いている今でも本気で考えてしまう。体の弱っていた俺はあのままあそこに居たら本当に天界に行ってしまったかもしれないと思えるほど俺には特別な場所だった。次にインドに行く時にもリシュケシュにはまた行きたいと思う。
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