旅の友達とタイムカプセルの丘 | Young Age Vol.19
2001年7月17日
朝、マーシーと最後の朝食を食べた後、固い握手をして別れた。
もう少し、マーシーと旅を続けても良かったのだが7月30日に日本の友人スィゲがバリ島に来ると言う事になったので、それまでにはバリ島に辿り着かねばならなかった。
スィゲはバイタリティー溢れる男で、俺が旅行中、楽しくて楽しくて仕方がないとメールで言っていたら、いいなぁ、いいなぁと余りにも言うので、じゃ、スィゲも来ればいいじゃんと冗談半分で言ったら
よっしゃー!
俺も行くぜぇ
と、本気にして急遽7月30日に俺の最終目的地であるバリ島まで来る事になったのだ。
旅をしているといいなぁとか俺も行きたいな〜って言う奴は沢山いるけれども
じゃ、来ればいいじゃん
と言われて本気にする奴はかなり珍しい。
このスィゲと言う男は友達の友達で、ま、いわゆるうっすい繋がりの男だったのだが、どう言う訳だか、やたらと気の合う友達で3回目くらいに合う頃には友達を介さずに二人で遊ぶ仲になっていた。
とは言え、彼と会ったのは合計でたったの数回だけで、10回にも満たない。
スィゲのやつ、マジで来ることになちゃったけれども大丈夫かな?
まぁでも俺は思い切りのいい奴は好きだ。
なんとかなるっしょ!
そう言うわけでゆっくりしている時間がなくなった。
よっしゃ!
そうと決まれば急がねばならない。
ほんの軽い気持ちだったが俺が来れば?とか言ってしまったのだ。
これで俺が辿り着けないなどと言うことになってしまっては申し訳がたたない。
俺はそう思い、シンガポールへと向かって旅立った。
海賊版のCDに思いを馳せる
クアラルンプールからシンガポールまではバスで7時間。
相変わらずバス旅はダルい。
出発して間もなくバスの中で『ハムナプトラ2』が上映されたが音が聞き取りづらい上に英語なのでさっぱり意味がわからず寝てしまった。
目を覚ますと高速のパーキングエリアだった。
お昼休憩だ。
適当なぶっかけ飯を食い、時間つぶしにお土産物屋さんを物色していると『TOKYO NOW 2』とか言う流行りのJ-POPを勝手にオムニバスにしちゃったような海賊版のCDが売っており、なんと、その表紙に俺の高校の同級生が写っているではないか!
彼女の名は矢野真紀
昔からカラオケがうまくて、よくドリカムの歌を歌っていた。
マキは、高校を卒業するときに私は歌手になると言っていた。
その後、本当に歌手デビューを果たしちゃったのでコイツ、マジですげーなと思っていた。
もちろん、彼女のCDも持っている。
だが、しかし!
こんなところで矢野まきのCDを見かけるとは思わなかった。
これは買うしかない。
おっちゃん、これいくら?
15リンギット
高い!
クアラルンプールのチャイナタウンの相場は7Rmから8Rm程度なので倍くらいする。
なめんなよおっさん!相場はわかってるんだぜ
7リンギットで買おう
しかし、いくら言っても値下げしてもらえず結局13リンギットで購入。
不本意だったがどうしても欲しかったので仕方がない。
日本円にすれば150円程度の差額なのだが旅行中は、なめられたくねーぜみたいな気持ちが強く、交渉に負けた気がした。
しかし、バスが出発するまでにどうしても購入しなければならなかったので足元を見られても仕方がない。
マキは高校を卒業する時に歌手になると宣言をした。
俺は、高校を卒業する時に何もやりたい事がなくて、色々考えた挙句に世界中を旅してまわると決めた。
それから7年もの年月が経ち、俺は忘れかけていた旅をようやく始め、遠い異国の地でマキのCDにめぐり逢った。
運命めいたものを感じる。
この『TOKYO NOW 2』というパチモンのCDに入っていた矢野真紀の曲、タイムカプセルの丘
名曲だぜ!
この思い出の曲を聞くと当時の事を思い出す。
まさにタイムカプセルだぜ!
あとがき
スィゲみたいに来ればと言ったら来てしまうようなフットワークの軽いやつは珍しい。しかし、数年後、俺がタイ、カンボジア、ベトナム、ラオスと東南アジアを巡る旅に再出発した際に、別の友達マキノに来れば?って軽い気持ちで言ったら本当に来てしまった。
でも、そう言うことも2回目だ。
もはや驚かない。
この頃にはもしかして、みんな誘ったら気軽に来るんじゃねーの?
とか思い始めてきた。
旅先で出会った奴ならその位の軽いフットワークで異国で待ち合わせたりもする。
実際に旅先で出会った奴と海外で待ち合わせて一緒に遊んだりした事は何度もある。
でも、スィゲもマキノも旅人って言うわけでもなく、特に海外慣れしていた訳でもない。
特にこのマキノと言う男は英語もロクに喋れないのにバンコクに着いて早々にたった一人でトゥクトゥク乗り回してバンコク市内をぐるっとまわって観光しちゃうような豪傑だ。なんでそんな事できるの?
指さし会話帳、一つで旅って出来るもんなんだね。
スィゲもマキノもなんでみんなそんなに強いの?
俺なんて2回もアメリカに短期留学して、そのほかにも香港に個人旅行で行ったりしている経験があると言うのに初めての旅はドキドキだった。
ちなみのこのマキノは高校の同級生で矢野真紀と俺と同じクラスだった。
そんな彼は今、ハーレーを乗り回しながら世田谷でライダーハウスをやっている。
東京、世田谷にあるガレージ付きのライダーハウス貴庵
バイクで東京に来る方はぜひ!
そして俺も2016年7月
フィリピンの学校で友達になったカトウさんにニュージーランドを車でラウンドするんですけど来ないですか?
なんてお誘いを受けた時には、行く行く〜なんて言って一緒にキャンプしてまわる事になる。
ニュージーランドの旅は最高に楽しかった。
もし、人生を楽しみたいのであればフットワークの軽さは大事だぜ!
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Comment
いやいや
トラベラーズチェックは利用したし
パスポートやカードは肌身にポーチ装着させてたし
俺は多分ビビってたよ(^^;;
ムエタイ体験で現地のクソガキにボロ負けしたことや
トゥクトゥク乗り回してたら観光よりも 俺もトゥクトゥク運転してみたいは!と1000バーツでレンタル交渉してみたり
俺も英会話はサッパリだったが
当時のタイ人も とくに大人はサッパリだったろ^^
そうだね〜
君の誘いを受けなければ タイには行かず
日本の一般ピーポと同じで
ハワイとか行っちゃってたんだろうね。
タイでひと月いろいろあったし(^^;;
良い経験ができたよ笑
1000バーツでトゥクトゥク運転させてくれとかマジでウケる!
そんな奴なかなかいないわw
俺も運転してみたいけど。