犬食べる?フィリピン人の生活と家畜とペットと常識
公開日:
フィリピン

アイビー12歳。
彼女は学校から帰ってきたらペットの山羊『ミー』の世話をするのが日課だった。ある日、アイビーが学校から帰ると父親の友人や近所の人たちが集まって大宴会をおこなっていた。
父親は上機嫌でテーブルには豪勢な肉料理や鍋があり、まるでお祭りのようだった。何のお祝いなのか彼女はわからなかった。
アイビーは荷物を置いていつものようにペットのミーの世話をしに行くとミーの姿が見当たらない。台所にいる母親にミーはどこに行ったのか尋ねに行くと台所には新鮮なお肉が沢山あった。
不安にかられたアイビーが母親にミーの事を尋ねると母親はモゴモゴと何か言っていたがよくわからない。
その時、裏口から父親の友達が父親にたくさんのお礼を言いながら出てきた。なんとミーの頭部を持って。
『いや〜本当にこれ貰っていいの?ありがとう、ありがとう』
アイビーはその日以来、数ヶ月、一切、父親と口を聞く事は無かった。そしてそれ以来、山羊の肉を食べたことはない。
MJ27歳。
彼女は三匹の山羊を飼っていた。とても可愛がっていたが彼氏のトラックの荷台におしっこをするわ、臭いわ、世話が大変で手放す事にした。
三匹のうちの一匹はペットとして買い取ってもらえ、とても可愛がられているそうだ。だが残りの二匹は恐らく食べられてしまっただろうと彼女は言う。そして彼女は俺に聞いてきた。
『山羊の肉を食べた事はあるか?』
彼女は山羊を食べるなんて残酷でかわいそうな事は出来ないと思っていた。しかし、ある時に彼女は山羊の肉を食べた。そしたらどうだ?なんて美味しい肉なのだろう、それ以来、彼女は山羊の肉が大好物になった。そして彼女は俺にこう言った。
『まだ食べていないのなら試した方が良いよ、あれは美味しい肉だから』

キャシィー20歳。
彼女は犬を飼っていた。その犬は大きくてとても賢く、昔、弟が川で溺れた時に泳いで助けたほどの名犬だった。
フィリピンでは犬を食べる習慣があり、よく近所の人がその犬を売ってくれと頼みにくるくらい美味しそうな犬だった。
キャシィーにとってその犬は家族同然で、売ってしまうなんてとんでもない事だった。あまりにも色んな人が売ってくれと言いにくるものだから『この犬は売り物ではありません!』と張り紙を作ったほどだった。
ある日、俺はキャシィーに実家の犬はどうだい?と尋ねたらキャシィーは浮かない顔をして最近、父がその犬の話を濁すようになったと言い出した。
俺はジョークのつもりでお父さんに売られちゃったんじゃないの?と言ったらキャシィーは悲しい顔をして恐らく父に食べられてしまったと思うと言い出した。彼女の父は良い格好したい人で、飲み仲間と飲んでいる時に良い格好をする為にみんなに振る舞ってしまったのだ言う。
俺はそれ以上、何も聞けなかった。
アイビー20歳。
彼女は犬を飼っていた。大きな犬でとても可愛いがっていた。近所の男が何度も1000ペソ(約2800円)で売ってくれと言ってきたが当然のごとく追い払った。
この犬は売り物なんかじゃない!
その男は何度か彼女の父親にも売ってくれと言ってきたそうだが断固として売るつもりは無かった。
ある日、アイビーが帰宅するとその犬は大きな木下に横たわっていた。近づくと血を吐いて死んでいた。毒殺されたのだ。
アイビーは悲しみに暮れながら愛犬を埋葬した。
その日、近所の男はしきりに犬はどうしたんだと聞いてきた。アイビーが埋葬したと答えたら何で埋葬なんてしたんだと驚いていた。アイビーは愛犬が死んでしまったのだから埋葬するのは同然だと答えた。
次の日、犬を売ってくれと言ってきた男が犬の水に何かを入れるのを見たと近所に住む男の子がアイビーにそっと教えてくれた。
どうやら近所の男は犬の死体を食べたかったようだ。アイビーは落ちていたバッテーリーから液体を取り出して近所の男が飼っている自慢の鶏の水にその液体を入れた。
次の日、朝から近所の男が騒いでいる。俺のロースター(雄の鶏)がぁぁーーーー!!!!
彼の自慢のロースターは2500ペソ(約7000円)もする、この金額は月給の半分かそれ以上に値する。フィリピン人の男は軍鶏で賭け事をするのが好きで、けっこうなお金をつぎ込む事が良くあるそうだ。
騒ぎを聞いてアイビーの母親がアイビーにあんた一体、何をしたのだ?と問いつめる。アイビーは澄まし顔で知らないとだけ答えた。
アイビーは絶対に許さない。これでおあいこだと彼女は言っていた。
俺たち日本人の感覚でフィリピン人の善悪などを計ってはいけないと思う。フィリピン人にはフィリピン人の常識があり、良識がある。動物やペットに対する考え方は理解に苦しむが、それがきっとフィリピン人の常識であり、俺らにはわからない事なのだろうと思った。
最後に俺の拙い英語で聞いた話なので多少間違っている箇所もあるかもしれないが、彼女らが本当の事を話していたとすれば、この話は全て実話である。また、写真はプエルトガレラで撮影した適当な山羊や犬で、このストーリーとは何の関係もない。
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