南の島に上陸 | Young Age Vol.06
2001年6月24日
電気屋さんでは
今はなきツーカーセルラーの歌姫、浜崎あゆみのMがエンドレスリピートし、
ドコモは宇多田ヒカルのtravelingで対抗した。(ちなみにJ-Phoneは藤原紀香だ)
家電コーナーからは2001年世界水泳選手権大会公式テーマソングであるB’zのultra soulが聞こえてくる。
そんな時代。
サムイ島では
Destiny’s Childの『Survivor』や
Janet Jacksonの『All For You』が爆音で流れている。
あの頃の旅でも、
今の旅でも、
どこの国でも、
変わらず流れている曲は、ボブ・マーリーだけだ。
あくまで俺の体感だが、
世界一愛されているミュージシャンはボブ・マーリーだと思う。
特に南の島で聞くボブは最高だ。
南の島に上陸 | Young Age Vol.06
コ・サムイ
船から下りるとそこは南の島だった。
当たり前のことだが個人旅行とは、すべての行動を自分で行わないといけない。
俺はラマイビーチ行きの車を探した。
すぐ見つかった。
トヨタ・サーフだ。
荷台に荷物と人を詰めるだけ詰め込んで走り出す。
たいした距離じゃない、そう思い俺は気軽に乗り込んだ。
乗り心地は決して良くはない。
しかし、風を切って走るトラックの荷台は、旅情緒あふれるものだった。
気分は上々。
と、思っていた矢先・・・
スコールだ!!
南の島のスコールは半端じゃない!!
シャワーの比じゃない。
ものの数十秒でビチョビチョだ。
俺はお気楽人間だった、ま、こんなこともあるさ
こういう時は開き直るしかない。
もう濡れちまえば同じだ!!
同乗していた白人達もそう思ったのだろう
ヤッホーィ!!
皆で騒いだ。
これも良い土産話だ。
楽しいハズだった・・・
10分後、誰一人喋っている者はいなかった。
完全になめていた。
自然は偉大だった。
風はゴウゴウ吹き荒れ、
雨粒はバシバシと皮膚を叩く。
車はビュンビュン飛ばし、
空から木の枝が降ってくる。
寒い
全身ずぶ濡れ、車は風を切って走る。
痛い
船の上で調子に乗って日焼けした肌に雨が突き刺さる。
早く降ろせ!!ちくちょう~!!
すぐ着くだろう。
そもそもその判断からして甘かった。
ゆうに30分以上は暴風雨にさらされた。
どの位たったのだろう?
やっと車が止まった。
しかし、まだラマイビーチの手前らしかった。
俺は、すでにラマイビーチなどはどうでもよくなっていた。
部屋はまだ空いているのか?
ありがたいことに部屋は空いていた。
俺はもう降りる!!
今日はここに泊まる。
そう言って車を降りた。
部屋に入り、シャワーを浴び、濡れていない服に着替えた。
シャワー
お湯など出るはずもなく当然、ただの水。
寒い
暖房などあるわけもない。
シーツに包まり、震えながら濡れている物を乾す。
しまった!!
手荷物を車に忘れた。
慌てて宿の人に次に車が来たら荷物のことを言ってくれと頼みに行った。
もう、出てこないだろうと思ったが一応やれることはやっておいた。
やはり、荷物は出てこなかった。
浮かれながら南の島にやって、
思わぬ大自然の洗礼を受け、
荷物を無くした。
荷物の中身は日本の免税で買ったタバコ6箱、Tシャツ、ガイドブック、ビーサン、など等。
大した物は無いがわざわざ日本から持ってきたタバコが痛い。
そしてガイドブック。
ネットよりも書籍の情報の方が頼りになる時代。
旅立ちからわずか一週間も経たないうちにガイドブックを失った。
手元に残った『旅の地図帳』という地図だけが旅の道しるべとなる。
To Be Continued
あとがき
バンコクから調子にのっていた俺は、ここで一旦気持ちを引き締め直す。
当時の日記によると
・何事にも動じず、心を平静に保つべし
・調子のいい時ほど気をつけろ
などと今でも役に立ちそうな教訓を残している。
また、手元に唯一のこった旅の道しるべ『旅の地図帳』と言う本はかなり役立つ本で、旅先で立ち寄りそうな町の簡単な地図と安宿の位置が記されている。結局、この本だけでバリ島まで行く事になったのだが想像以上に役に立つ本だった。
浜崎あゆみ M
当時、ヤマダ電機で携帯電話を販売していた頃の記憶がフラッシュバックされ、俺はブラウザをそっと閉じた。しかし、今思い出してみると携帯電話の販売と言う仕事は好きではなかったが一緒に働いていたメンツはいい奴ばかりでかなり楽しかった事を思い出す。
ディスティニーチャイルド サヴァイバー
カオサンロードの雑多な街並み、空気、匂い、耳にこびりつくほど流れていたディスティニーチャイルド。
町中の至る所でこの曲が爆音で流れ、TVにはトゥームレイダーが映し出されていた。
Spiller – Groovejet
PVが当時のバンコクの街並みで、この曲を聞くとあの頃の思い出がフラッシュバックする。
関連記事
-
旅すると人生変わる? | Young Age 最終回
今まで世界遺産ハンター Young Age 全37回を読んでくれて本当にありがとう! 今回
-
ジョグジャカルタからバリ島までバスで移動 | Young Age Vol.35
このヤングエイジ編は2001年にバンコクからバリ島まで旅した時の手日記を元に書いている。
-
長旅を楽しむコツ | Young Age Vol.10
2001年6月28日 旅は最高に楽しかった。 俺は絶好調だった。 ただ、最高の
-
『サメット島』バンコクから気軽に行けるおすすめのビーチ
2月23日〜3月1日 ドバイから始まってロシア、ヨーロッパ、アフリカとまわってきた俺た
-
タイの物価と治安 | 18泊19日の滞在費は約11万6千円、飛行機代が約6万円
2016年6月19日 〜 7月7日 1バーツ = 3.1円で計算 マレーシアを抜
-
システマチック | Young Age Vol.05
2001年6月24日 日本では 反町隆史と松嶋菜々子が結婚し 銀さんが108歳で亡
-
旅の写真、被写体はそこにある | Young Age Vol.25
マクドナルドの安心感 2001年7月19日 朝起きて体調を確かめる。 胃がまだ
-
旅人の街、ジャランジャクサ | Young Age Vol.30
1998年 日本の初出場となったフランスW杯 中田のプレーは海外のクラブに認められ、イタ
-
微笑みの国へ | Young Age Vol.02
2001年6月20日 デジタルがアナログを駆逐する少し前の時代。 人々は、フィルムカ
-
シャシャマネからわずか24時間でバンコクに辿り着く
シャシャマネからアディスアベバまでのミニバン 2月22日 早朝よりミニバンに乗っ
トラックバック用URL