世界最大のレリーフとも言われる『アルジュナの苦行』

マハーバリプラムの世界遺産、アルジュナの苦行
この巨大な岩壁彫刻は7世紀に作られ、1300年以上の時がたち、やがて主題が忘れ去られ、今ではインド最大の叙事詩『マハーバーラタ』のなかの「アルジュナの苦行」、または「ガンガーの降下」の場面を描いたと言われている。
「アルジュナの苦行」はパーンドゥ家の王子アルジュナはシヴァ神の加護を得るべく、構図の中央で神話上の神々や動物たちに取り巻かれながら、一本足で立ちつづける苦行をしているというもの。

ガンガーの降下
別名、ガンガーの降下とも呼ばれガンガーがこの世に降りてきた物語を幅29m、高さ13mの大岩に彫ってレリーフにしたと言われている。
ヒンドゥ神話で中央の亀裂が天界から地上に落下するガンガー(ガンジス河)に見立てられ、シヴァ神の心を動かして河水を落下させた苦行者バギーラタを描いているというもの。

このゾウのレリーフは実物のゾウと同じサイズで彫られている。これらの彫刻はとにかくでかくて迫力があるので見応え十分な世界遺産だった。

アルジュナの苦行はとにかく大きい岩でパンチャパーンダパ・マンダパ窟と繋がっており石造寺院の先にレリーフが描かれている。
当時のインド人はスケールが大きくの岩を掘って寺院を作りその先には巨大なレリーフと言う巨大な建造物を一つの岩を削りながら作り上げていた。

石窟を中心とする古代から石造を主とする中世への建築史上の転換
マハーバリプラムは6世紀以降、パッラヴァ朝における東西貿易の一大拠点として栄え、町には数多くのヒンドゥー教寺院が建立された。
7世紀から8世紀にかけてマハーバリプラムの建造物群は、石窟を中心とする古代の建築から石造を中心とする中世の建築へと転換した事により、沢山の石窟寺院やレリーフが未完成のままに残されていると考えられている。この建造物群は、石窟寺院、石彫寺院、石造寺院へと時代と共に建築技術が転換して行った事を示し、マハーバリプラムが南インドのヒンドゥー建築を主導していたと示す重要な資料となっている。

アルジュナの苦行はクリシュナのバターボールがある公園内にあり、遺跡周辺にいるインド人達もくつろいでいて雰囲気がとても良く観光しやすい場所になっている。
世界遺産の町、マハーバリプラムは見所満載で物価も安く過ごしやすい町なのでバックパッカーにも人気のある、超おすすめスポット。
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