ギリシャの世界遺産、一覧 全17カ所のリスト

公開日: ギリシャ 世界遺産

ギリシャの世界遺産一覧

地中海文明のルーツの一つであるギリシャはヨーロッパ、アフリカ、アジアの文明の接点に位置し、それらの歴史に大きな影響を与えた歴史のある国。ゼウスやサタンなどで有名なギリシャ神話のルーツでもあり、ギリシャに行く前にはギリシャ神話を軽く勉強してから行きたいと思う。4000年〜5000年もの歴史のある国なので当然、世界遺産もすばらしいものが沢山ある。世界遺産ハンターとしてヨーロッパの中でも外せない国の一つ。しかし、意外な事に世界遺産の数では日本の方が多い。日本の世界遺産はなにげに凄い。

ヒストリエ

ギリシャに行く前に読む漫画としては、紀元前4世紀のギリシアやマケドニア王国・アケメネス朝ペルシアを舞台にした歴史漫画『ヒストリエ』がおすすめ。作者はなんと『寄生獣』の作者:岩明均氏。漫画自体が相当面白い上に歴史の勉強にもなる。





世界文化遺産

バッサイのアポロ・エピクリオス神殿

後世に楽園として伝承され、理想郷の代名詞となったアルカディア地方
1986年、世界文化遺産に登録 / (i)(ii)(iii)
ギリシア南部ペロポネソス半島のバッサイ山にあるアポロ・エピクリオス神殿は紀元前420年頃にアポロ神に捧げるために建設されたと言われている。また古代にはこの地域をアルカディア地方と呼んでいた。アルカディアとは後世に楽園として伝承され、理想郷の代名詞となった。

俺に取ってアルカディアと言えば真っ先に松本零士の漫画、キャプテンハーロックの海賊船アルカディア号を思い出す。俺が幼少の頃、もっとも憧れた海賊船で今でも『アルカディア』とgoogleで画像検索すれば沢山のアルカディア号の写真が検索される。

宇宙海賊戦艦アルカディア号

デルフィの古代遺跡

古代ギリシャの聖地デルポイ
1987年、世界文化遺産に登録 / (i)(ii)(iii)(iv)(vi)

中央ギリシャ地方にあるデルフィは古代ギリシャの聖地デルポイの現代名で紀元前8~前6世紀頃に予言の神アポロンを祀る神殿が建設された。古代遺跡はアテナ・プロナイアの聖地とアポロンの聖地に分かれている。もっとも有名な遺跡はギリシャ最古のアポロン神殿で「汝自身を知れ」、「過ぎたるは及ばざるがごとし」などの格言が刻まれた壁がある。

アテネのアクロポリス

あの有名なパルテノン神殿がある場所
1987年、世界文化遺産に登録 / (i)(ii)(iii)(iv)(vi)

ギリシャには数多くのアクロポリスがあるが一般的にアクロポリスと言えばアテネのアクロポリスの事を指し、あの有名なパルテノン神殿があるのもここ。初期の神殿は紀元前6世紀中期に建てられたと考えられている。2007年には正式にヨーロッパの文化遺産リストに卓越した遺産として発表された。紀元前からこんな壮大な建物が残っていると考えるとロマンを感じずにはいられない、ギリシャで最も行きたい場所の一つ。

テッサロニーキの初期キリスト教とビザンチン様式の建造物群

初期キリスト教とビザンツ様式の教会の一群
1988年、世界文化遺産に登録 / (i)(ii)(iv)
ローマ帝国、東ローマ帝国の時代の建築物やモザイクなどの美術を対象として世界遺産に登録された、古代都市の香りが残る現代都市。主な建造物は『ロトンダ』、『アヒロピイトス(アケイロポイエートス)聖堂』、『アギオス・ディミトリオス聖堂』、『アギア・ソフィア聖堂』、『オシオス・ダヴィット聖堂』、『パナギア・ハルケオン聖堂』、『アギイ・アポストリ聖堂』、『アギオス・ステファノス・オルファノス聖堂』など。

アスクレピオスの聖地エピダウロス

ペロポネソス半島東部に位置する古代ギリシアの港湾都市
1988年、世界文化遺産に登録 / (i)(ii)(iii)(iv)(vi)

アスクレピオスの聖地エピダウロス

エピダウロスはペロポネソス半島東部に位置する古代ギリシアの港湾都市でギリシア神話の名医アスクレピオス生誕地とされている。最も有名な建造物は古代劇場で1万5000人もの観客を収容する事が出来た。上の写真は古代劇場。紀元前4世紀頃の最盛期には浴場、闘技場、アスクレピオス神殿、アルテミス神殿などの建物が建設された。

ロードス島の中世都市

中世の町並みが残る島
1988年、世界文化遺産に登録 / (ii)(iv)(v)

エーゲ海に浮かぶロードス島はトルコ国境からわずか18kmにあり地中海クルーズの観光船などで行く事が出来る。島北東部にあるロードス市の中世の町並みが世界遺産として登録された。ロードス島には古代ギリシア時代からの歴史的遺産が沢山残っている。

ロードス島と言えば、俺の世代だと真っ先に思い出すのが小説『ロードス島戦記』だが、このファンタジー小説の島は架空の島で現実のロードス島とは関係が無い。ちなみに小説はかなり面白かった(中学生の時だけど)また読んでみたい。

ミストラ遺跡

ラコニア県にある中世城塞都市遺跡
1989年、世界文化遺産に登録 / (ii)(iii)(iv)

ミストラ遺跡はペロポニソス半島南東部のラコニア県にある中世城塞都市遺跡で主な見所は『アギオス・ディミトリオス聖堂』、『オディギトリア聖堂』、『パンダナサ修道院聖堂』、『アギア・ソフィア聖堂』、『ペリヴレプトス修道院聖堂』、『アギイ・セオドリ聖堂』、『専制公宮殿』、『ヴィルアルドゥアン要塞』など。

オリンピアの古代遺跡

古代オリンピックが行われた場所
1989年、世界文化遺産に登録 / (i)(ii)(iii)(iv)(vi)
ペロポネソス半島西部にある古代ギリシアの都市で、古代オリンピックが行われた場所。現在も沢山の遺跡が残っている。古代オリンピックは紀元前8世紀からローマ帝国皇帝テオドシウス1世の異教神殿破壊令により廃止された394年まで、約1000年以上も行われた。このオリンピックの原点ともなる場所にはぜひ行ってみたい。


2014年ソチ冬季五輪の聖火採火式は古代オリンピア(Ancient Olympia)の遺跡で行われた。

デロス島

太陽神アポロンの島
1990年、世界文化遺産に登録 / (ii)(iii)(iv)(vi)

エーゲ海・キクラデス諸島に浮かぶデロス島は、古代ギリシャで聖地とされていた。主な遺跡は『コンピターレスのアゴラ』、『アポローン神殿』、『アルテミス神殿』、『ライオンの回廊』、『デロスの神殿』、『聖なる湖(現在は草原になっている)』など。
行き方はミコノス島より船で約30分。

ダフニ修道院群、オシオス・ルカス修道院群及びヒオス島のネア・モニ修道院群

東ローマ帝国の時代のギリシャ正教
1990年、世界文化遺産に登録 / (i)(iv)
東ローマ帝国の時代のギリシャ正教(正教会)、3つの修道院から構成される世界遺産で登録対象は『ダフニ修道院』はアテネ近郊のダフニにある、『オシオス・ルカス修道院』は中央ギリシャ地方・ヘリコン山の麓にある、『ネア・モニ修道院』は東エーゲ海のヒオス島にある。写真はダフニ修道院のモザイク。

サモス島のピュタゴリオンとヘラ神殿

紀元前6世紀に栄えた強大な海洋都市国家
1992年、世界文化遺産に登録 / (ii)(iii)

ギリシャ神話で全能の神ゼウスの妻ヘラの生誕地とされるサモス島は紀元前6世紀に栄えた強大な海洋都市国家でヘラを奉る神殿が建造されたが現在は巨大な1本の円柱といくつかの遺構があるのみとなっている。また、港町ティガニは数学者ピタゴラスの生誕地である事からピタゴリオンと改名された。
ピタゴラスと言えばNHKの放映していた『ピタゴラスイッチ』がかなり好きだった。あの有名な数学者が生まれた街と言う事で話のネタにもなるし是非行ってみたい世界遺産だ。

エゲの古代遺跡(現在名ヴェルギナ)

古代マケドニアの首都
1996年、世界文化遺産に登録 / (i)(iii)
中央マケドニア地方、ヴェルギナ近郊は紀元前5世紀頃、古代マケドニアの首都アイガイだった場所で、宮殿跡らしき遺跡や紀元前11世紀以降の300を超す古墳群が発見されている。

ミケーネとティリンスの古代遺跡群

伝説と言われていたミケーネ文明の遺跡
1999年、世界文化遺産に登録 / (i)(ii)(iii)(iv)(vi)

動画はミケーネ博物館

ミケーネは、ペロポネソス半島北東部にある都市で紀元前16~前12世紀頃に栄えたミケーネ文明の遺跡が発見された。見所は『獅子門』、『円形墳墓A』、『アトレウスの墳墓』、『王室』などの遺跡が有名。

パトモス島の“神学者”聖ヨハネ修道院と黙示録の洞窟の歴史地区(コーラ)

聖ヨハネが福音書や黙示録を執筆したことにまつわると伝えられる場所
1999年、世界文化遺産に登録 / (iii)(iv)(vi)

パトモス島の中心市街ホーラ(コーラ)は、神学者聖ヨハネ修道院を外敵から守る為に要塞化した町で正教会の重要な巡礼地で聖ヨハネが福音書や黙示録を執筆したことにまつわると伝えられる場所が残っている事から世界遺産に登録された。『神学者聖ヨハネ修道院』や聖ヨハネが啓示を受けたとされる洞窟『黙示録の洞窟』などが見所となっている。

コルフ旧市街

迷宮のような城塞都市
2007年、世界文化遺産に登録 / (iv)

ギリシャ北西部のイオニア諸島・ケルキラ島(コルフ島)はイタリア語、英語名称で「コルフ」と呼ばれている。この都市は「カストロポリス(城塞都市)」としても有名で旧市街がユネスコの世界遺産として登録されている。主な見所は『聖スピリドン大聖堂』、『シタデル』、『アンチヴォウニオティッサ教会』、『考古学博物館』など。

複合遺産

アトス山

聖山の修道院による自治国家
1988年、複合遺産に登録 / (i)(ii)(iv)(v)(vi)(vii)
アトス山はアトス半島の先端にそびえる標高2033mの山で、周辺は正教会の聖地となっている事から「聖山」とも呼ばれている。ここはギリシャ領ではあるが「聖山の修道院による自治国家」として自治が認められている「宗教共和国」となっているので入国許可証が必要となる。アクセスはウラノポリから船、又は徒歩によってのみ「入国」が可能となっており、ギリシア国籍以外の者は1日8名が上限となっている。テッサロニキにある事務所で入国手続きを行う事が出来る。また、女人禁制で18歳以上の男性正教徒のみが入国出来る。一般人が観光するにはちょっと敷居が高い。正教徒に入信すれば行く事が出来そうだが一般には行けそうも無いので難易度Sの世界遺産としておこう。

メテオラ

奇岩群とその上に建設された修道院郡
1988年、複合遺産に登録 / (i)(ii)(iv)(v)(vii)

メテオラはギリシア北西部、セサリア(テッサリア)地方の奇岩群とその上に建設された修道院共同体で、地形及びギリシア正教の修道院文化が評価されユネスコの複合遺産に登録された。現在活動中の6つの修道院『大メテオロン修道院』、『ヴァルラアム修道院』、『ルサヌ修道院』、『聖ニコラオス・アナパフサス修道院』、『聖ステファノス修道院』、『アギア・トリアダ修道院』。

まるで「紅の豚」の隠れ家ザキントス島にあるナヴァイオビーチ

ザキントス島にあるナヴァイオビーチ
世界遺産ではないけれどもギリシャに行くからにどうしても行ってみたいビーチがある。まるでジブリ映画「紅の豚」に出てくる隠れ家、ザキントス島にある絶景絶崖の「ナヴァイオビーチ」に行ってみたい。海の青さと奇麗さも半端じゃない。こんな素敵な場所、楽園ハンターとして是非とも行ってみたいものだ。

公開日: : 最終更新日:2018/06/22 ギリシャ 世界遺産

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