ポーランドの世界遺産、一覧 全14カ所のリスト
ポーランド共和国はドイツとウクライナの間にある国で、世界遺産の数は14件と多い。中でもアウシュヴィッツ・ビルケナウ ナチスドイツの強制絶滅収容所など、歴史的に超が付くほど有名な世界遺産を有する。
2015年の10月にロシアからポーランドを抜けてチェコ、ドイツへと向かった。今回の旅の中でもかなりじっくりと世界遺産をハント出来た国のうちのひとつとなった。
クラクフ歴史地区
「ポーランドの京都」と呼ばれるポーランドの古都
英名:Historic Centre of Kraków
1978年、世界文化遺産に登録 / (iv)
ポーランド南部、マウォポルスカ県にある都市で、17世紀初頭までポーランド王国の首都だった最も歴史ある都市の一つ。旧市街は中世の頃の街並がそのまま残っていてヨーロッパで最も美しい都市のひとつも言われている。見所は『ヴァヴェル城』、『聖マリア教会』、『織物会館』、『国立美術館』、『チャルトリスキ美術館(レオナルド・ダ・ヴィンチの「白テンを抱く貴婦人」がある)』、『日本美術・技術センター“マンガ”館』など。
もっとも主要なアクセスは鉄道で、クラクフ中央駅があり、各種長距離バスなども行き来している。
ヴィエリチカ・ボフニア王立岩塩坑
現在も採掘が行われている中では世界最古の岩塩坑
英名:Wieliczka Salt Mine
1978、2013年、世界文化遺産に登録 / (iv)
ヴィエリチカ・ボフニア王立岩塩坑はクラクフ首都圏内の都市ヴィエリチカにある1044年の創業した岩塩坑で、歴史上や神話上の様々なモチーフを象った彫像が並ぶ 3.5 km の坑道が見所となっている。中でも最大の見所はすべてが塩で作られている『聖キンガ礼拝堂』。
1978年に初めてユネスコの世界遺産に登録された12件のうちのひとつなのでかなり期待出来る世界遺産。『クラクフ歴史地区』と合わせてまわりたい。
アウシュヴィッツ・ビルケナウ ナチスドイツの強制絶滅収容所(1940-1945)
ホロコーストの象徴と言われる「アウシュヴィッツ強制収容所」
英名:Auschwitz Birkenau
German Nazi Concentration and Extermination Camp (1940-1945)
1979年、世界文化遺産に登録 / (vi)
アウシュヴィッツ・ビルケナウ ナチスドイツの強制絶滅収容所(1940-1945) | ポーランドの世界遺産
1940~1945年にかけてドイツ占領地のポーランド南部オシフィエンチム市(第一)、ブジェジンカ村(第二)に作られたホロコーストの象徴と言われる「アウシュヴィッツ強制収容所」。日本の世界遺産『原爆ドーム(広島平和記念碑)』などとともに負の世界遺産として有名。有名どころの映画としては実話を元にしたと言われる『シンドラーのリスト』や映画にもなった小説『ソフィーの選択』。シンドラーのリストは見たがソフィーの選択はあまりにも読むのが辛そうだったので読んでいない。行って楽しい所では無いだろうが世界遺産ハンターとしてはポーランドに行った際には必ず寄ろうと思っている。
ワルシャワ歴史地区
中世から近代までの歴史的な建物が並ぶ美しい都
英名:Historic Centre of Warsaw
1980年、世界文化遺産に登録 / (ii)(vi)
ワルシャワ市の最も古い地区で優れた中世の建造物(ワルシャワの旧市街は13世紀に建設された)があり、旅行者向け観光地として有名。しかし、これらは第二次大戦でナチスによって破壊されたものを復元したもので、「破壊からの復元および維持への人々の営み」が評価されユネスコの世界遺産に登録された。
ザモシチ旧市街
イタリア・ルネサンス様式で造られた要塞都市
1992年、世界文化遺産に登録 / (iv)
英名:Old City of Zamość
ルブリン県にあるザモシチは、16世紀の大貴族ザモイスキによってイタリア・ルネサンス様式で造られた都市で美しい町並みが残っている。
世界遺産として登録された『ザモシチ旧市街』には『ザモイスキ宮殿』、『中央広場』、『ビザンチン様式のレデエメル修道院』、『要塞跡』、『オルデナツカ礼拝堂』、『聖トマス大聖堂』などが見所となっている。
アクセスはワルシャワからバスで約4時間半
ワルシャワからバスでザモシチまで
中世都市トルニ(トルン)
中世の姿をそのまま残す町
英名:Medieval Town of Torun
1997年、世界文化遺産に登録 / (ii)(iv)
クヤヴィ=ポモージェ県にある工業都市で旧市街が『中世都市トルニ』として世界遺産に登録されている。この街は14世紀から貿易の重要な中継地として栄えた。旧市街にはゴシック様式の旧市庁舎、聖母マリア教会、聖ヨハネ聖堂、邸宅などが当時の姿で残っている。また、地動説を説いた天文学者コペルニクスが生まれた町でもある。
アクセスはワルシャワから電車で約2時間45分、またはバスで3時間〜4時間。
マルボルクのドイツ騎士団の城
中世ヨーロッパで最大級の城郭
英名:Castle of the Teutonic Order in Malbork
1997年、世界文化遺産に登録 / (ii)(iii)(iv)
1274年にバルト海沿岸地方征服の拠点としてドイツ騎士団が建設した城で、ヨーロッパ最大の煉瓦造りの城。場所はグダニスク南東、ノガト川下流のほとりにある。第二次世界大戦時にドイツ軍の爆撃で破壊されたが、現在は再建されて博物館として公開されている。
アクセスはワルシャワから電車で約3時間。
カルヴァリア・ゼブジトフスカ:マニエリスム様式の建築と公園の景観複合体と巡礼公園
キリスト教徒の巡礼の聖地の一つ
英名:Kalwaria Zebrzydowska: the Mannerist Architectural and Park Landscape Complex and Pilgrimage Park
1999年、世界文化遺産に登録 / (ii)(iv)
カルヴァリア・ゼブジトフスカ:マニエリスム様式の建築と公園の景観複合体と巡礼公園 | ポーランドの世界遺産
1600年にゼブジトフスカが礼拝堂を造り、シトー会修道士のすすめでポーランドにおけるキリスト教徒の巡礼の聖地となった。マニエリスム建築と自然の景観が融合した文化的景観として、ユネスコの世界遺産に登録された。見所は『大修道院』、『聖人たちの像』、『カルヴァリアの小径』、『礼拝堂』など。
アクセスはクラクフよりバスまたは列車で約45分。
ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群
ヨーロッパ最大の木造宗教建築物
英名:Churches of Peace in Jawor and Swidnica
2001年、世界文化遺産に登録 / (iii)(iv)(vi)
ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群 | ポーランドの世界遺産
ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群はドルヌィ・シロンスク県にあるヨーロッパ最大の木造宗教建築物で17世紀半ばに建てられた。カトリックとプロテスタントによる宗教戦争(三十年戦争)が終結して結ばれたウェストファリア条約(Peace of Westphalia)に込められた宗教和議の思想から「平和教会」と呼ばれるようになった。
マーウォポルスカ南部の木造教会群
中世後期に建てられたゴシック様式の木造聖堂
2003年、世界文化遺産に登録 / (iii)(iv)
マウォポルスカ南部の木造聖堂群はマウォポルスカ地方南部にある『ビナロヴァ(大天使ミカエル聖堂 Church of the Archangel Michael)』、『ブリズネ(諸聖人聖堂 Church of All Saints)』、『デンブノ(大天使ミカエル聖堂 Church of the Archangel Michael)』、『ハチュフ(聖母被昇天と大天使ミカエルの聖堂)』、『リプニツァ・ムロヴァナ(聖レオナルド聖堂 Church of St Leonard)』、『センコヴァ(使徒聖ピリポと聖ヤコブの聖堂)』、『Lachowice(聖ペテロと聖パウロの聖堂)』、『Orawka(洗礼者聖ヨハネ聖堂)』、『Szalowa(大天使ミカエル聖堂)』などの村に残っている木造聖堂が世界遺産として登録されている。
ムスカウアー公園/ムジャコフスキ公園
ドイツとポーランドの和解の象徴
2004年、世界文化遺産に登録 / (i)(iv)
ドイツとポーランドの間を流れるナイセ川にまたがるイギリス式庭園で、19世紀初めにトップレベルのランドスケープデザイナーだったピュックラー=ムスカウ侯ヘルマンが創り出した、世界屈指のランドスケープ&造園芸術作品。中央ヨーロッパ最大のイギリス風景式庭園でドイツとポーランドの和解の象徴にもなっている。
ヴロツワフの百周年記念ホール
ドイツ国家建設を提唱した百周年を記念して建てられたホール
英名:Centennial Hall in Wrocław(wroclaw)
2006年、世界文化遺産に登録 / (i)(ii)(iv)
ヴロツワフの百周年記念ホールは、20世紀初頭にライプツィヒの戦い(諸国民戦争)の百周年を記念する展示会の為、マックス・ベルクの計画に従って建てられた。
画像はwikipediaに載っていた古いドイツの絵葉書に描かれた百周年記念ホール。
ポーランド、ウクライナのカルパチア地方の木造教会
ポーランドとウクライナに点在する16の木造教会群
2013年、世界文化遺産に登録 / (iii)(iv)
ポーランドのマウォポルスカ県・ポトカルパチェ県とウクライナのリヴィウ州・イヴァーノ=フランキーウシク州・ザカルパッチャ州に点在する木造の木造教会16棟が対象となっている世界遺産。
ポーランド側は『Brunary Wyżneの天使首聖ミハイル聖堂』、『Chotyniecの生神女誕生聖堂』、『Kwiatoń の聖パラスケヴァ聖堂』、『Owczaryの生神女庇護聖堂』、『Powroźnikの使徒小イアコフ聖堂』、『Radrużの聖パラスケヴァ聖堂』、『Smolnikの天使首聖ミハイル聖堂』、『Turzańskの天使首聖ミハイル聖堂』の8件。
ウクライナ側は『ドロホブィチの聖ゲオルギオス聖堂』、『Matkivの生神女会衆聖堂』、『Nyzhniy Verbizhの生神女誕生聖堂』、『Potelychの聖神降臨聖堂』、『Rohatynの聖神降臨聖堂』、『Uzhokの天使首ミハイル会衆聖堂』、『Yasyniaの主の昇天聖堂』、『Zhovkvaの至聖三者聖堂』の8件。
ベラヴェシュスカヤ・プーシャ/ビャウォヴィエジャの森
ポーランドとべラルーシの国境にまたがる原生林
1979、1992年、世界自然遺産に登録 / (vii)
ビャウォヴィエジャの森 | ポーランドとべラルーシの国境にまたがる世界遺産
『ベラヴェシュスカヤ・プーシャ/ビャウォヴィエジャの森』はポーランド東部とべラルーシ西部の国境にまたがる、ヨーロッパ最大の森林地帯でヨーロッパ最後の原生林と言われている。また、ヨーロッパバイソンの棲息地としても知られている。
ヨーロッパで最も人の手が及んでいない原始林で、絶滅が危惧される動植物の個体群を保護する為、世界遺産として登録された。
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