タオ島 | Young Age Vol.12
写真は2016年パンガン島にて
2001年7月1日
いよいよ七月に入った。
けだるい感じで朝起きて、ボケーっとしてから少し遅い朝食を取る。
バンガローのレストランで飯を食いながら「今日、タオ島へ行くよ」と伝えると宿の女の子が今日はもう間に合わないと言う。
フェリーの時間は10:30、11:30、12:30で今の時間はすでに12時。
なんてこった!
もう間に合わない。
仕方がないのでもう一泊する事にしたが相変わらずやることがない。
全然きれいじゃない海を眺めてぼーっとして過ごした。
あまりにも暇で俺はこのままではダメになってしまう、こんな時、ひとり旅はマジで辛い。
ダラダラするのは嫌いじゃないが退屈は死ぬほど嫌いだった。
そして、ここでの日々はとても退屈だった。
旅は最高だけど、楽しいだけじゃないと言うことが少しづつわかってきた。
タオ島 | Young Age Vol.12
2001年7月2日
朝、早くからバンガローをチェックアウトしてトンサラの港へ向かった。
トンサラはやたらと人が多かった。
よく考えてみると俺が泊まっていたclub landの辺りに人がいないだけでトンサラまで遊びに来れば面白かったかもしれない。
だが、パンガンはどうせ帰りにもう一度戻ってくる。
今はとにかく先に進みたかった。
タオ島までは、ちょっといいフェリーで250バーツ。
フェリーの時間まで久しぶりにインターネットカフェでメールチェック。
フェイスブックもない、mixiすらまだない時代。
日本と俺を繋ぐライフラインはメールだけだった。
それでもエアメールの時代に育った俺としては、なんて便利な時代になったのだろうかと感動していた。
タオ島までの所要時間は約、1時間半。
フェリーで日本人の女性と出会ったがあまり面白そうな女性ではなかったのでタオ島に上陸してすぐ別れた。
タオ島の事は何も知らなかったので、フェリー乗り場にわらわらと寄ってくる客引きに捕まって宿まで連れて行ってもらった。
俺の泊まった宿は300バーツ。(約千円)
ちょっと高いなと思ったけれどもとてもキレイでエアコンまで付いていた。
最近では、暇すぎたのでマンゴージュースとかジェイクに挑戦していた。
昔、先輩が旅をしていた時にシェイクで腹を壊したと聞いていた。
多分、氷がダメだったのだと。
俺のおじさんはインドに旅行に行った際にサラダを食べて腹を壊したそうだ。
おそらく、サラダを洗った水がやばかったのだと。
今みたいにインターネットでなんでも情報が手に入る時代ではない。
身近にいた先輩たちの話が、もっとも信頼できる情報だった時代。
ビビらない訳にはいかない。
だが、南の島で飲むシェイクは最高に美味しかった。
一度飲んだらやめられない。
それ以来、俺は毎日のようにシェイクを飲み続けたが腹を壊す事はなかった。
こうして俺はちょっとづつ、ちょっとづつ、旅に適応していったんだ。
あとがき
旅をしているとクレイジーなやつとか怖いもの知らずの奴がいっぱいいる。
旅に出ていきなり見たこともない屋台のものを片っ端から喰い歩く奴、何も恐れず、ガンガン飲み食いしまくり。
俺は慎重派だった。
初めてタイについた日にはピザハットとマックばっかり食っていたし、屋台飯も一番安全そうなフライドライスばかり食べていた。
俺の友達は、タイから帰国後、食中毒か何かでそのまま隔離病棟にまで入れられてしまったのだからビビらないわけにはいかない。
当時、旅行代理店で働いていたその友達に航空券を手配してもらったのだけれども、屋台飯とか絶対食べちゃダメだと強く言われていた。
でも、旅に出て屋台飯を食わないなんて無理な話だ。
当時の俺は、アジアの飯はバイキンだらけで汚いから危ないと信じていた。
間違っちゃいない。
衛生管理責任者の資格を持つ俺に言わせりゃ、アジアの屋台飯なんて全部アウトだ。
でも、かと言って食えないわけじゃない。
ちょっとづつだけど色々なものに挑戦して行くうちに俺はある事に気がついた。
俺の胃腸は結構タフだと言う事。
そこらへんで売っている何を食べても腹を壊す事はなかった。
ある一定の期間がすぎた後、俺は、無敵モードに入った。
この辺の飯に俺がやられる事はない。
そう、大抵、何食べても大丈夫なのだ。
一番大切なのは心の持ちようで、やばいと思っているとやられるのだ。
大丈夫だと思っていれば大抵は大丈夫なのだ。
ただし、例外もある。
大抵の物は食べても平気だと調子に乗って、あの悪名高いインドでも躊躇しなかった結果がこれだ。
過去、俺の人生を振り返っても、もっとも酷い食中毒だった。
あまりのも壮絶な食中毒で、たったの一週間で5、6キロは痩せてしまった。
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