自分のやりたい事 | 旅立ち編

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自分のやりたい事 | 旅立ち編

自分がやりたい事なんて特になかった。
成りたいものなんてよくわからなかった。

18歳の頃、自分の夢はビックになるとか、金持ちになるとか、社長になるなんて言う漠然としたものだけだった。

高校生活の3年間はとても楽しくてあっという間に終わりを迎えようとしていた。卒業間近、自分の学力じゃとてもじゃないが三流大学にすら行けそうにない、俺は将来について生まれて初めて真剣に考え始めていた。

やりたい仕事?そもそも俺、働きたくねーし。
強いて言えば雲、雲のジュウザのように生きたい。

散々考えたけれども結局よくわからなくて世界中を旅して考えようかと思った。だから卒業間近に俺は『世界中を旅して回りたい』って言う目標を持つ事にした。

高校を卒業して世界を旅するには、まずは英語だろうと思いカリフォルニアに短期留学をする事にした。英語は驚くほど喋れなかったけれどもこれが最高に楽しくて一気にのめり込んでいった。

帰国後、自分のあまりの語学力の無さに嘆いて英語の勉強を始めた。中学、高校と全く勉強をしなかった英語を自主的に。

カリフォルニアから帰って来た翌年に留学先で友達になった中国人(香港)を訊ねて日本の友達と二人で香港へ行った。今思えばこれが初めての個人旅行だった。

この頃には片言の英語を喋れるようになっていてなんとかギリギリ英語で会話が出来た。カリフォルニアの頃と比べて凄まじい進歩だったので嬉しくて嬉しくてどんどんのめり込んでいった。

この頃にはすでに俺のやりたい事は世界を旅して回る事になっていた。
そして英語でハリウッド映画くらいは見れるくらいの語学力をつけることが目標になっていた。

その次の年にはアリゾナへ4ヶ月位の留学をする事になった。インターネットも普及していなかった当時はエージェントを通して留学したのだけれどもたった四ヶ月で渡航費、学費、生活費を合わせて200万円以上掛かった。

その前に行ったカリフォルニアの短期留学でも100万円以上掛かった。ひたすらバイトをして金を貯めて足りない分は親に借りて行くという生活を数年間続けていた。しかし、二十歳そこそこの若造が時給1000円で働いて300万円という金額は気が遠くなるような作業だった。

実家暮らしだったので家賃は掛からなかったが、それでも俺にとって300万円は大金だった。アメリカで一年暮らすのに一体いくら必要なんだろう?その為に俺は一体どれだけの時間、働かなくてはいけないのだろうか?

同年代の友達はみんな車に夢中だった。俺も車が欲しかった、でも車に使うお金は無かった。親に借りたお金を返して新たに留学資金を貯める。一体俺はどれだけ働けばいいんだ?気が狂いそうだった。

心が折れそうだった。

そんな時に出会った先輩がバックパッカーだった。30万円位もって二ヶ月くらい東南アジアをまわって来たと言う話を聞いてすぐに夢中になった。俺も沢木耕太郎の深夜特急を読んで早速、バンコクのカオサンロードへ向かう事にした。

金ばかりかかる語学留学なんて言う目標はそっちのけで旅に出る事にした。

30万円を握りしめ二ヶ月くらいかけてバンコクからバリ島まで陸路と航路で旅をした。この旅はもちろん最高で俺、生きてるんだな〜って言う達成感に包まれた。日本であれだけ金が無い、金が無いと思っていた俺がアジアでは小金持ちだった。

それからは東南アジアに夢中になって仕事を辞める度に旅に出た。

でも結局、英語は片言しか喋れないし、世界中を見て回りたかったはずなのに金のかかるヨーロッパには行った事もない。やりたい事は全部半端なまんま30歳になり就職をした。

この頃の俺は旅よりもまず一億円くらいの金を作ってアーリーリタイアする事が目標だった。当然、普通に働いていても稼げる額じゃないので株やFXにのめり込んで行った。最初は良かったのだけれどもサブプライムショック、リーマンショックと立て続けに食らって資金を作るどころか大量の借金をこしらえてしまった。

欲望にかられ、株はライブドアショックで数百万円、FXでも数百万円、きっと十分に世界一周出来たのであろうお金は全て溶けてしまった。ライブドアショックから約10年、一体俺は何をやっていたのだろう?

流石に大分凹んだけど俺は好きにやって失敗した事は良しとするようにしている。

世界を旅して回ろうと思ってから約20年、ずいぶんと遠回りしてきてしまったけれども借金を返済し、手堅く投資をして、今まで負けた額に比べれば微々たるものだが資金を着実に増やし、今、ようやくやりたい事をやろうと思う。

もはや自分が本当に世界を回りたいのかどうかも良くわからない。
でも、今やっておかないとこの先ずっと俺の人生にやり残した感がつきまとう。

そして、取りあえず世界中を旅して回れば今の時点での自分の人生に満足する事が出来る。
あの時にあれをやっておけば良かったな〜なんて思いながら過ごすのは絶対に嫌だ。

どうせいつ死ぬのかなんて誰にもわからないのだから、死んでしまう前に今を精一杯生きたい。

大分遠回りしてしまったけれども、遠回りが全部無駄だった訳ではない。きっと前向きに生きてさえいれば人生に無駄なんて無くて、重ねた失敗はこの先の人生に必ず役立つ素晴らしい経験だ。と、俺の尊敬するスティーブ・ジョブズ氏は言っていた。

俺は明日、旅に出る。
まずはやり残している英語の語学留学をしにフィリピンへ。

これから先、少なくとも一年以上はずっと俺のターンだぜ!

こんなブログ書いているけれども、まだ明日の準備が終わっていない。

やれやれ
こいつはちとハードな夜になりそうだぜ

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