死のドライブ in ハバナ | キューバ最終日

飯マズだったり、移動費などが高かったキューバだけれども、長い事、鎖国みたいな事やっていた島国だけあって、今まで行った国とは明らかに違う独特の雰囲気が面白かった。特にバックトゥウザフゥーチャーの過去に出てきそうなクラシックカーが普通に走っている光景はマジでテンションが上がる。でも、古い車だらけだから排気ガスはマジで酷いね。本当に酷い。

キューバ最終日、死のドライブ

1月18日

俺の名前はジャックバウアー世界遺産ハンター
今日も長い一日になりそうだぜ

キューバ最終日はハバナにある日本人御用達の安宿『しおまら』に泊まっていた。マリちゃんが体調を崩していた事もあって、空港まではタクシーで行くことにした。料金は20CUC（US20ドル）とかなり高いが宿から空港までダイレクトなのでめっちゃ楽だ。

時間通りに来てくれたタクシーは、真っ赤なワーゲンのビートル。メキシコで散々見ているから珍しくは無いが実際に乗るのは初めてだ。外装も内装も廃車にしか見えないがキューバの車は基本的に廃車なみにボロいので気にしなかった。

グッバイキューバなんて少し感傷に浸りながらハバナの街並を見納めていたら赤いビートルは急にハリウッド映画ばりに車線変更をしながら歩行者をすれすれで避け、目の前の車に追突する寸前で止まった。

ど、どうしたんだ！？

ブ、ブレーキがいっちまった

俺は耳を疑った？
ブレーキがいっちまっただと？

ハリウッド映画ばりのカースタントをこなしたジジイは、久々にテンションが上がっちまったらしく『大丈夫だ！俺にはサイドブレーキがある。』とか訳わからん事をと言ってにやりと笑う。

おいおいおい・・・
ふざけんなよ

全然大丈夫じゃねーよ！
危ないからダメだ

大丈夫だ！俺を信じろ！
空港まで無事に送り届けてやる！

ふざけんなこの糞ジジイ！老い先短いてめーと一緒にすんなボケ！
こちとらまだまだ人生を謳歌したいんだよ！

いいから止めろ！
ストップだ！ストップ！
アイ　セイド　ストップ！

大丈夫だ！大丈夫！

大丈夫じゃねー！
金払わんからな！

今すぐ止めろ！

強引にいえば引くと思ってなめやがって・・・
金の問題だったらそこまで強く怒鳴る事はないけれどもブレーキが効かない車で空港に行くほどバカじゃない。このジジイを殴り倒してでも車を止めるしかないと腹を括って怒鳴り散らしたらようやく車を止めた。

ブレーキの効かない車なんて乗れたもんじゃない。たとえ時速30kmだとしてもノーブレーキで前に車に突っ込んだらタダじゃすまないだろう、仮に前の車をよけて交差点に突っ込んでも悲惨な事になる。

ジジイ1人で死ねよボケが！

車を路肩に止めたジジイは走っている別の車を止めて、俺たちを空港まで送ってくれと交渉してくれている。何だよ、ちょっとは良いとこあるじゃんと思って見ていたら、新しいドライバーに5CUCだけ渡して20CUCを受け取っていた。

このジジイ、15CUCも抜いて新しいドライバーに俺たちを託しやがった。ちょっとムカついたけれどもそこは俺たちには関係ないところなので目をつむる事にした。

俺たちは、一応、ジジイにマジで気をつけろよと言って、新しい車に乗込んだ。もう、ぶっちゃけあのジジイがどうなろうと知ったこっちゃ無いけれども、関係ない人が巻き込まれない事を祈った。死ぬなら一人で電柱にでも突っ込んで勝手に死んでくれ。

こうして俺たちは無事に空港まで辿り着く事が出来たんだ。
まさか、キューバの最終日に、こんなに危ない目に会うとは思わなかったぜ。

空港職員にこちらに来て下さいと言われ、連れて行かれる

ちょっとしたトラブルはあったものの、時間に余裕をもって空港へ向かっていたので出国手続きも余裕サクサクだった。国際線に乗る時は3時間以上前に空港に着くようにしておくのはマジで鉄板だ。俺たちは今までに何度も早めに空港にきていて良かったと思った事がある。

色々、大変だったけれどもこれでキューバとお別れだなと思い、出国のイミグレーションを抜けた時、空港職員が俺の名前を呼び、日本語で『ちょっとこちらに来て下さい』と言う。

何だ？何だ？
俺は何も思い当たる節はないぞ？

イミグレを抜けたマリちゃんと俺は、出国の荷物検査の為に長蛇の列を作っている人たちの横を空港職員につれられて別室送りに！？

これがあの噂の別室送りか？麻薬とか持っていないぜ？？

俺たちは空港職員と一緒に、出国の荷物検査をサラッとして出発ロビーに連れて行かれた。空港職員は『心配しないで下さい』と言うが俺たちはとても心配だ。その職員は、荷物検査をスルーした俺たちにパスポートを返してくれ

『パスポートに私のメールアドレスを挟んでおきました』
『私は秋葉原が大好きです。安室奈美恵と西野かなと宇多田ヒカルが好きです。そして井上真央ちゃんLOVEです』
『荷物チェック並ぶの大変です。私とくればすぐです。』

こうして俺たちは別室おくりになる事はなかった。

おいおい、タダの日本好きかよ・・・
職権乱用も良いとこだ

マジでビビらせやがって・・・

でも、まぁいい奴そうだったし、そこまでしてでも日本人と友達になりたかったんだなと言うのが伝わってきたので後で、メールでも返す事にしようと思った。

キューバは、最後の最後までウケる国だったぜ！