マレーシアの首都クアラルンプールへ | Young Age Vol.16

ペナン島での日々
2001年7月11日
マレーシアに入国したはいいが、特に興味の惹かれるものは何もなかった。
俺は何かを求めて、ペナン島を物色する。
ペナン島のデパート。
クーラーが効いていて快適だ。
たまに流れてくるJ-POPが胸に染みる。
ペナン島を歩きながら1997年にイギリスから返還される時に行った香港を思い出した。
マレーシアは中華系の移民が多く、何処と無く香港の雰囲気が漂っているような気がした。
友達もできた。
マーシーと言う好青年で、とても感じのいい奴だった。
ルートも俺と同じでタイから南下して、このままクアラルンプールを目指すという事だったのでペナン島での宿もシェアしてクアラルンプールまで一緒に旅をする事にした。
はじめてのルームシェア
ドラクエで仲間が増えた時の様な感じがして楽しかった。
2001年7月12日
友達ができると旅は急に楽しくなる。
何にも興味の湧かなかったペナン島だったがマーシーとデパートのゲーセンに行ってバーチャファイターとか鉄拳とか懐かしのゲームを楽しんだ。
何年も前の旧式のゲームがお役目を終えて、日本よりこの町に辿り着いたわけだが、この何年も前と言うのがちょうど俺が若い頃にゲーセンで遊んでいたゲームそのものだったのでめちゃくちゃ楽しかった。
しかも、ゲームの料金はたったの数十円だ。
慣れればこの町も悪くはない。
そもそも、俺がこの街に寄ろうと思った理由は『深夜特急』で沢木耕太郎氏が寄った街だったからと言うだけの理由だった。
特に見たいものも、やりたいことも初めから無かった。
最初は興味の持てなかったこの街だが、クアラルンプール行きのチケットをとる頃には少し名残惜しくなっていた。
クアラルンプールへ
2001年7月13日
俺たちは更なる何かを求め、マレーシアの首都クアラルンプールへと向かった。
バスから眺める風景がとても美しかった。
山の中を高速道路が通っていた。
だが、いくら風景が美しくとも7時間以上も走っているとマジで飽きてくる。
特にクアラルンプールに入ってからの渋滞が酷かった。
やっぱり俺はバスが嫌いだ。
バスの中からクアラルンプールの街並みを眺めて正直、びびった。
まさか、これほどまでの大都市だとは思ってもいなかったからだ。
情けない事に何も知らずにこの街までやってきた。
この街は、香港やシンガポールに匹敵するほどの大都市だったのだ。
(今思うとそこまででは無いかな)
俺は一発でこの街が好きになった。
あとがき
このマーシーって奴がすげー奴で
旅は何処から始めたのって聞いたら北海道からヒッチハイクで東京まで行ってそこから韓国に渡り、中国とかラオス、カンボジアあたりを抜けてタイ経由でマレーシアに来たらしい。
おいおい
マジかよこいつ!
俺は一発でこのマーシーが大好きになってしまった。
どうせヤラセのクソ番組、猿岩石なんて目じゃねーぜ!
マーシーは大金使って沢山のクルーに守られながら辛いフリしてるなんちゃってのクソ野郎どもらとは違う。
当時はそう思った。
まぁ、今考えればそういう番組はフィクションとして楽しめばいい訳で、ヤラセや演出もエンターテイメントなのだけれども当時の俺は若かったからそう言うこともわからずに、大変なフリをして見えないところでズルしまくってる猿岩石をディスりまくっていた。
今だったら単純に楽しそうで、しかも、お金まで貰えて羨ましいと素直に思える自分がいる。
当時、何も持っていない若者だった俺たちは、そう言ったものに中指を立てて、体一つで旅をしている俺たちの方がすげーなんて恥ずかしいことを本気で思っていた。
でも、違う。
俺たちは潤沢なジャパンマネーにしっかりと守られ、貴族階級のどこにでもいける日本のパスポートを持ち、適当にバイトでもすれば好きな国に旅行に行けるという特権階級にいた。
この旅を終える頃には俺たち日本人がどれだけ恵まれた環境にいるのかと言う事を嫌という程思い知らされることになる。
それにしてもマーシーは、ヒッチハイクで北海道から出発と言うのは、すごいメンタリティだなと思った。
旅には色々なスタイルがある。
あんまり人付き合いの好きでない俺はヒッチハイクで何時間も知らない人と会話し続けるのが不安でしかない。
もし、会話が弾まなくて気まずかったら超辛いし、つまんねー奴の話を聞き続けるのも苦痛でしかない。
とにかく人に気を使うのも、人に気を使われるのも好きではない俺は一人旅が性に合ってる。
だから俺はヒッチハイクとかした事ないのだけれども、そうやって一期一会を楽しめる人を羨ましく思ったりもする。
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