2日も掛けて辿り着いた世界遺産『レンゴン渓谷の考古遺産』の衝撃的な結末
レンゴン渓谷の考古遺産は2012年に登録されたばかりの新しい世界遺産で、”マレーシア政府観光局公式サイト“で行き方を調べてもイポーから車で約2時間とかそんな適当な説明しか無い超マニアックな世界遺産だ。
おい、おい、”マレーシア政府観光局公式サイト“よりも俺の”世界遺産ハンター.com“の方がよっぽど詳しいんじゃないのか?
そんな訳で、マラッカから2日も掛けて、この謎の世界遺産『レンゴン渓谷の考古遺産』を目指す事にした。
6月15日
俺たちはまず、マラッカからマレーシア北部の都市イポーへと向かった。長距離バスで料金はひとり32リンギ、所要時間は約5時間。ただし、イポーのバスターミナルは郊外に位置し、バスターミナルからイポー市内まではローカルバスで行く必要がある。(約8キロで1.8リンギ)
思ったよりも長旅だった為に、この日は疲れ果ててホテルから出なかった。
レンゴン渓谷の考古遺産への行きかた
6月16日
『レンゴン渓谷の考古遺産』へのアクセスはかなり不明な点が多かったが、ローカルバスを使用して、クアラカンサー(Kuala Kangsar)経由で目的地であるレンゴンミュージアムの近くまで行けそうだった。
クアラカンサー行きのバスの時刻表
イポー駅近くの『Medan Kidd Bus Station』から35番のバスでクアラカンサーまで約1時間半。料金はひとり6.2リンギット。
レンゴン行きのバスの時刻表
クアラカンサーからレンゴン行きの99番のバスで約1時間。料金はひとり4.5リンギット。
(大体、一時間に一本間隔で運行)
ようやく辿り着いたバス停から徒歩で何も無い道を約20分。(1.5〜2kmくらい)
詳しくは世界遺産ハンター冒険マップを見てもらうとわかりやすい。
このローカルバスを使った方法で行くと料金はかなり安いが時間はかなり掛かる。バスだけで乗り換え時間なども含めると3時間位かかる。俺たちが朝、宿を出たのが8:30でレンゴンミュージアムに到着したのが12:30だったのでトータルで片道4時間もかかった計算になる。
レンゴン渓谷の考古遺産
Archaeological Heritage of the Lenggong Valley
2012年、世界文化遺産に登録
レンゴン渓谷の考古遺産とは、人類の始まり、初期人類の遺跡群で200万年にわたる初期人類の生活を伝える人骨や石器などの遺跡群が発見されている。しかも、その期間は世界最長でアフリカを除いた最古の遺跡のひとつとされているのだぁ!
イポーから片道4時間!遠路はるばるマラッカから丸2日も掛けて、ようやく辿り着いた世界遺産、レンゴンミュージアムは
何と!改装中で入れなかった
マジか!?
そんな事、マレーシア政府観光局公式サイトにも一切書いていなかった。頭の中で富岡製糸場の悲劇がフラッシュバックする。
これ、いつまで改装工事しているのですか?
来年の6月までだね
一年も改装しているのかよ・・・
超マイナー世界遺産レンゴンミュージアムに行かれる奇特な方は、2017年の6月まで改装中だから気をつけて!
あまりのショックに落胆する俺たちに係の人は何処から来たの?と聞いてきたのでJAPANと答えると、オー!ソーリー・・・と悲しげな顔をした。
このまま帰るのはあまりにも忍びないので外観だけでも撮影したいとお願いして入れるところだけ入れてもらった。
この骨が有名なPERAK MANなんだよね!
東南アジアで最古の完全な人骨(ペラ・マン/約100万年前)
レンゴンミュージアムの外観などをむなしく撮影する。
外観だけでもしっかりと堪能しておく。
きっともう来る事は無いだろう・・・
長い事、旅をしていればそう言う事もあるさ
辛いのは、何の収穫もないまま、ここから更に4時間以上も掛けてホテルまで帰らなければならないと言う現実。そんな事を言ってもしかたが無いのでトボトボと歩いてバス停に向かっているとレンゴンミュージアムから出てきたフォードのカッコいい4WDの車がやってきて
君たち、バス停に行くのかい?
乗りなよ
と、超ありがたい事を言ってくれた。俺たちを拾ってくれたのはヤッサンと言う中華系マレー人で、レンゴンミュージアムで働いているそうだ。しかも、超ラッキーな事に彼はイポーに住んでおり、俺たちがイポーに泊まっていると言うとイポーまで送ってくれる事になった。
超ラッキー
ヤッサンの車にはドローンがつんであり、仕事で使うそうだ。ドローンに興味のある俺は操作は簡単か?とかマレーシアでは幾らくらいするのかなど色々と教えてもらった。
また、趣味はロードバイクで、250kmも走ったりする大会に出た事があると言っていた。ジャイアントのロードバイクに乗っているそうで、そこでもまた、話がもりあがる。
せっかくなので食事でもどうだと言う事になり、途中のクアラカンサーでヤッサンの行きつけの中華料理屋に連れて行ってもらった。
場所はハンター冒険マップに記しておいた。
お店の感じからしてローカルフードなので値段は高くないと思うのだけれども流石チャイニーズが行くチャイニーズレストランだけあって凄く美味しかったのでクアラカンサーに行く方には是非おすすめしたい。
ヤッサン、本当にごちそうさまです!
食事をした後、レンゴンミュージアムの悲劇で落胆していた俺たちの為に、せっかくだからと行ってクアラカンサーの見所である『Galeri Sultan Azlan Shah』に連れて行ってくれた。
ここは、ムスリム系の王族の家だか博物館で、色々な物が展示されていた。内容はまぁどうでもよかったけれどもヤッサンの優しさが身にしみた。
これはマレーシアでもっとも美しいと言われているウブディアモスク(Masjid Ubudiah)。ここまで行った訳ではないがGaleri Sultan Azlan Shahから見えた。
この後、イポーまで送ってもらったのだがイポーは見学したかい?と聞かれ、レンゴンミュージアムしか行っていないと言うと『極楽洞(Kek Lok Tong)』と言う洞窟寺院に連れて行ってくれた。
洞窟にあるお寺と言えば平泉にある『達谷窟毘沙門堂』を思い出したが、イポーの極楽洞(Kek Lok Tong)は洞窟のスケールが全然大きくて、平泉の比じゃなかった。
ミニチュアの飾りがいい感じ。
洞窟、デカっ!
ヤッサンに出会わなければ見逃していたと思うけど、スケールの大きなお寺だ。
災い転じて福となすってこの事かな。『レンゴン渓谷の考古遺産』は残念だったけれどもそのおかげでヤッサンと出会えたり、俺たちだけでは来なかったようなところに連れて行ってもらえたり。
ヤッサン、本当にありがとうございます!
その夜も、せっかくなのでヤッサンとお友達のチョムさんとお食事をする事に。
チョムさんいわく、イポーで一番の中華のお店、老黄。
相変わらずチャイニーズが選ぶチャイニーズレストランはうまい!
マレーシアは飯がうまい方だけれども、俺たちが適当に食う屋台とかお店はどうもイマイチ。でも地元の人はちゃんと安くて美味しいお店を知っているんだよな。
もちろん、ここの場所も地図に記しておいたからイポーに行く方には是非おすすめしたい。
結局、二人にはなにから何までお世話になってしまった。
本当にありがとうございました!
イポーで泊まった安宿
Hotel Shangg
一泊60リンギット(約1600円)でWi-Fi付き。安宿の値段だが完全にホテルのクオリティで、フロントの人もとてもフレンドリーだった。難点は部屋に何処からか蚊が侵入する事。コストパフォーマンスはかなり高かく快適だった。
あと、Hotel Shanggから駅、バスステーションまでがちょっと遠い。歩ける距離だが荷物をしょって歩くのはキツい。
最終日は、長距離バスのバスターミナルまでフロントで呼んでもらったタクシーで行ったが25リンギットととても良心的な値段だった。
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