バリ島「ウブド」| Young Age Vol.37

2001年8月
毎日、毎日、絡まれるクタに嫌気がさした。
俺たちは癒しの楽園と言われる山のリゾート「ウブド」を目指す事にした。
早速、クタからのバスを探していると例によってどこ行くんだとその辺の男が声を掛けてきた。
ウブドに行きたいんだと言うと俺に任せろと言う、値段を聞いてみると地球の歩き方に載っていた値段とほぼ同じだったのでその男に任せる事にした。
しかし、いざ金を払う段階になってふと気がつくとその値段はなんと通常価格の10倍の値段だった。
オーファック!
クソ高いじゃねーか!
やめだ!やめだ!
ヘイ!ミスター!
少しなら値下げするよ
幾らだったらいいんだ?
てめーは信用ならん
インドネシアは通貨の単位が多いのでうっかり値段の桁を間違えやすい。
クタで寄ってくる男はこんな奴ばっかりだった。
バリ島「ウブド」| Young Age Vol.37
クタからウブドまでは約40km
バスとかで大体1.5〜2時間くらい
料金は全く覚えていないけれども最初にぼったくろうとしてきた男の1/10、つまり地球の歩き方に載っていた値段だった。
標高600mにあるウブドは年間気温が28°Cでクタと比べるととても過ごしやすい。
人々はクタと比べるとめちゃくちゃ温厚で、変に絡んでくる奴はほぼいなかった。
田園風景と渓谷美が美しい田舎町でのんびりとした空気が流れている。
これだよ
これ!
俺はこう言う場所が好きなんだ。
もしかしたら南の島だと意気込んできたスィゲには少し物足りなかったかもしれないが俺はウブドの癒しの雰囲気が一発で好きになった。
やっぱり旅の最終目的地はこう言う雰囲気がいい。
ウブドの見所の一つにモンキーフォレストって言うのがあって、小さな猿と戯れる事ができる場所がある。
これがまためちゃくちゃ可愛い猿でめっちゃ楽しかった。
座っていると3、4匹の猿が俺の周りをうろちょろしながら肩に乗ったり頭に乗ってきたりしてとても人懐っこい。こりゃ最高だな!なんて思っていると何を思ったかその内の一匹が俺の背中をガブリと噛みつきやがった!
オーファック!
このクソざるがァ!
マジで噛みつきやがったせいで俺の背中にはくっきりと、まるで吸血鬼にでも噛み付かれたような二本の歯型が付いていた。
クソ猿の犬歯がしっかりと背中に食い込んでいたんだ。
痛いっちゃ痛いんだがそんな事よりも俺は狂犬病が怖かった。
もしも万が一、このクソざるが狂犬病だったらどうしよう?
もし、狂犬病が発症したら致死率は100%だ。
マジで怖い。
狂犬病の怖いところはほぼ大丈夫なんだけれども万が一、発症したら100%死んでしまうと言う事だ。
気が付いた時にはもう遅い。
しかし、犬とか猫、猿などに噛まれたくらいでいちいち病院なんてかったるくて行きたいくない。
何回も注射したりめんどくさい事この上ない。
そんな訳で、ま、大丈夫っしょとか思って結局、そのままにしてしまったのだけれどもそれから数週間、大丈夫だよな?みたいな不安に悩まされる事になった。
つい最近のニュースだけれどもモロッコでイギリス人の方が猫に噛まれたせいで狂犬病になって亡くなってしまったと言うニュースを見た。俺も運が悪かったらそうなっていたのかと思うと今更ながらにちょいとビビるぜ。
モンキーフォレストに行く人は猿に噛まれないようにマジで気をつけて!
あとがき
長かった初めてのひとり旅もこのウブドで最後となった。
この後、俺はスィゲを日本に送り帰してバンコクに戻る。
一ヶ月半くらい掛けて旅した道のりも飛行機だとわずか数時間、本当にあっけないものだった。
バンコクでまたしばらくダラダラ過ごして最後は飛行機で日本までひとっ飛び。
飛行機っていうのは便利だけれども味気ない。
Googleでバンコクからバリまでの距離を検索すると車で約4200kmと出る。
所要時間106時間
嘘つけ!
いくらぶっとうしで走っても106時間で着くとはとても思えない。
大体、海を渡るだけで相当な時間が掛かるはず。
4200kmの旅か
今思い出してもあの旅は最高の旅だったな
(途中でサムイ島やパンガン島、タオ島などに寄ったりしているので本当は5000km以上だと思う)
思い出補正があるとしても今までで一番の大冒険だった。
やっぱり何事も初体験っていうのは大きい。
因みにオーストラリアをレンタカーで旅した時、ケアンズからメルボルンまでの22日間の総走行距離は4839kmだった。
オーストラリアってマジでデカイな。
ヤングエイジ編は長々と書いちゃったけれども後2回で終わります。
全部読んでくれた人、本当にありがとう!
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