ニュージーランドのキャンプ文化とワーホリ文化
ニュージーランドの文化
オーストラリアとかニュージーランドは最近、白人たちが乗り込んできて作り上げた国だからあまり文化とか無いと思っていた。もちろん先住民のマオリ文化とかはあるのだろうけれども、今のニュージーランドは欧米社会からの輸入文化だと思っていた。
街を見ても綺麗だが、基本的に欧米社会からの輸入品で、企業もほとんど欧米の企業のように思えた。でも、そんなはずは無い。
俺たちは短期旅行者だから見えていないだけで、やっぱりニュージーランド文化と言う物はしっかりとある。そんな中で少しだけ見えてきたニュージーランドの文化はワーホリ文化とキャンプ文化。
俺たちが泊まっていたこのヒッピー村のようなキャンプサイトには沢山の季節労働者が居た。夜はみんなで飯食ったり酒飲んだり。オーストラリア、ニュージーランドとワーホリを経験しているユリちゃんの話だとオーストラリアの農場で働きながら数ヶ月、モーターハウスで生活していたそうだ。
タフな女だぜ。
ほんとうに自由なその日暮らし。働いているからお金もそこそこあるし、毎日キャンプ生活なのでそこまでお金も掛からない。こう言う生活をしていれば物欲もほとんど刺激されないだろうからお金の事もあまり考えなくてすむ。
こう言う文化が根付いている国って素敵だな。
俺はもう、ワーホリとかそう言う年齢をとっくに越えてしまっているけれども初めて羨ましいと思った。30歳くらいまでの俺は、あまりオーストラリアとかニュージーランドに興味が無かっし、外国に行ってまで安い賃金で下働きなんかしたくねーよとか思っていた。
ただ、知らないだけだった。
カトーさんやユリちゃんの話を聞くと最高に面白そうだ。特に農場とかで働いてキャンプ場に住む、そんな生活を人生のうちで数ヶ月くらいしておいた方が良いでしょきっと。
そう言えばアフリカで出会ったナナちゃんは南米を旅行したあと、オーストラリアだかニュージーランドの農場でひたすら働いて400万位貯金して南米を2週目行って更にアフリカに渡ってそこで俺たちと出会ったみたいな事を言っていたな。もう何年もろくに日本に帰っていないそうだ。
はんぱじゃねー!
今となってはオーストラリアやニュージーランドは俺の憧れの国のひとつだ。ワーホリはもう無理だけれどもキャンプ生活をしにまた絶対に行こうと思っている。今まで旅をした国の中でも最高に面白かった国のひとつだ。
アフリカで出会ったシンゴウさんは、ワーホリでオーストラリアに行って7ヶ月も掛けてオーストラリアを車でキャンプしながら一周したそうだ。
え?それってほとんど働いてなくね???
まぁそれはともかく最高だよな。
俺は当時、あまりワーホリに興味が無かったので、英語が達者じゃないやつはどうせジャパレスとかで安い賃金でこき使われて国がオーストラリアやニュージーランドと言うだけで、ほぼ日本のストレスにさらされて生活するんだろ?みたいな感じで斜めに見ていた。
カトーさんの話によると実際にそう言う事は今でも往々にしてあるそうだ。
俺はみんなどうやって仕事を探すのかカトーさんに聞いてみたところ、お店に直接、行って仕事ありますか?と尋ね、あると言えばその場で試験採用みたいな感じになって、試しに仕事してみて出来そうだったら採用みたいな、超原始的なスタイルだそうだ。
カトーさんはバリスタな訳だからいきなりカフェに乗り込んでその場でコーヒー淹れて、実力が認められたら即採用。そうやって仕事を勝ち取ってきたそうだ。
全く知らない異国でそれをやるのか!
すげーな、若いうちにそう言う事をやっておいたらすごく鍛えられるなと俺は感心してしまった。
カトーさんいわく、日本みたいにバイトの志望動機とかそんなくっだらねー事は一切聞かれる事は無いそうだ。そりゃそうだよね、バイト募集とか書いてあってバイトの面接に言っているのに志望動機とか意味わからんよね、就職活動とかもはたから見ると笑っちゃうよね、なんだそりゃって感じだ。基本的にお金が必要だから働く人がほとんどでしょ?バイトとかそれ以外に何があるのって感じだよね。
俺は今年、39歳になったばかりなのだけれども日本にいる友達は『最近の若いやつは・・・』とか言い出しちゃったりするようにもなってきた。もちろん日本で仕事とかしていると言いたくなる気持ちもわからなくはないし、ついうっかり言っちゃう事もあるだろう。そう言うのを否定したい訳じゃない。
でも、俺はこの一年間、海外に出て出会った30歳前後の若い人たちを見て、本当にタフな奴らがいっぱいいるなと実感している。テレビやネットじゃゆとりとか言ってバカにしているけれども、海外に出ているゆとり世代を見てみなよ、そんな事言ってるお前らよりずっとタフだぞと。
いつの時代だって若い奴の方がアグレッシブでパワーがある。
ヒッピー村のようなキャンプ場でカトーさんと話していたらなんだか俺も負けてらんねーぞー!と言う気持ちになってきた。
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