バルセロナで起きたテロ事件で思う事

2017年8月17日の17時(日本時間18日の0時ごろ)
スペイン・バルセロナ中心部、ランブラス通りを歩く群衆に白いワゴン車が突っ込んで100人以上もの死傷者が出たそうだ。
このニュースを知った時、俺はあ、知っている場所だとは思ったが遠い国の出来事として感じただけだった。旅に出る一年以上も前の2014年からヨーロッパやスペインを旅していた2015年後半、そして、アフリカを旅していた2016年の前半は常に国際情勢を気にしていた。一つテロが起きるたびにその国には行けるのか?行くのを辞めるべきか、常に選択を迫られていた。
帰国してたったの数ヶ月で、こんなにもテロのニュースが他人事になってしまうのかと自分で自分に驚いた。
日本にいたら遠い国の出来事で終わってしまうような事が当時は当事者としてリアルに感じられていた。もちろん、テロ脅威なんかリアルに感じたくないし、平和に過ごせることはありがたいのだけれどもこんなにも他人事になってしまうのかと驚いた。
今で言えば遠い国のテロ事件よりも北朝鮮とアメリカのチキンレース問題の方がよっぽど深刻に感じられるし、怖い。
バルセロナのテロ事件
今回、テロが起きたのはバルセロナ中心部、ランブラス通り。この場所はバルセロナの空港からバスで市街地行くと大体の人は行くんじゃないかと思われるカタルーニャ広場からガウディのグエル邸へ行く道で、俺たちももろにこの通りを歩いた。途中には大きなメルカード(市場)があり、1ユーロや2ユーロで生ハムスティックを買って、フルーツジュースを飲みながら闊歩した。
通りには沢山のパフォーマーがいて、沢山の観光客で賑わっていた。夜でも治安はとても良くて普通に出歩けるような場所だった。人通りの多いこんな場所に車が突っ込んできたらと思うと恐ろしい。でも自分の知っている場所で、リアルに想像できる場所で起きたテロ事件なのに2015年11月13日に起きた行ったこともないパリの同時多発テロ事件の方が俺たちにはよっぽど恐ろしく感じた。
2015年11月13日当時、俺たちはチェコにいた。これからドイツを通過してパリを目指そうかと考えていた所でパリの事件が起きた。ポーランドやチェコの世界遺産が多くてかなり時間がかかっていたおかげでパリにはいなかった。だけれども細かいルートを全く決めていない俺たちが通るルートによってはパリにいたかもしれない。
その後、フランスは行かないでイタリア、スペインへと俺たちはルートをとった。イタリアのフィレンツェでは物々しい装備の警察や軍隊がマシンガンを装備してドォーモ周辺を警備していた。
アフリカ大陸ではチェニジアに行きたいと思っていたが当時何度かテロが起きているチェニジアは行くのをやめた。
モロッコからトルコへ飛ぼうと思っていたが冬だったためにトルコは辞めて、情勢が少し不安定だけれども今行かないともう行けなくなってしまうかもしれないエジプトへ行く事にした。するとエジプトの安宿で知り合ったサイトーさんにトルコのイスタンブールでテロが起きたと聞かされた。それも世界遺産にも登録されているブルーモスク周辺で。
日程的に俺たちがエジプトではなくトルコを選んでいたとしたら世界遺産ハンターとしてブルーモスクは確実に目指していたと思う。ふと何かに守られている気がした。そして、人間、運が悪いとあっさりと死んでしまう可能性があるんだなと再確認した。
テロだけじゃない。
確率から言ったら事故で死ぬ可能性の方が高い。直接の知り合いでバスが横転した話なんて何人も聞いているし、飛行機が炎上したなんて人までいる。強盗にあった人も何人もいる。もちろん、これらの話は生還者から聞いた話で事故や強盗にあっても生き延びている。でも、実際に同じ宿に泊まった人で、のちに強盗にあって殺されてしまった事をニュースで知った事もある。
世界はきっと日本にいる俺たちが考えているほど危険ではないけれども、旅人たちが思っている以上には危険なんだなと改めて思った。
そして俺たちは運がよく無事に帰ってこれた強運に感謝すべきだと思った。
関連記事
-
-
アントニ・ガウディの代表作のひとつ『グエル公園』
Park Guell 12月17日 バルセロナの気候は最高で、スカッと晴れた青空
-
-
あなたは、物乞いにお金をあげますか?
アイット-ベン-ハドゥに行った後、俺たちはワルザザードに戻り、次なる世界遺産マラケシュを目指
-
-
幸せのハードルは低い方が良い
幸せのハードルは低い方が良い いつも水シャワーの安宿に泊まっており、たまにお湯のシャワ
-
-
日本にいると価値観が洗脳されていく
これは、長旅から帰国した直後に感じた事なんだけど、 「日本にいると、自分の価値観がおかしく
-
-
自由の町、サンクリストバルにて移住と言う選択肢を考える
俺は、サンクリストバル・デ・ラスカサスと言う町が好きだ。 自由な空気が流れ、オシャレな
-
-
アントニ・ガウディの作品群 | スペインの世界遺産
漫画『ギャラリーフェイク』にアントニ・ガウディ(1852年 – 1926年)の話があって、バ
-
-
偶然の一致に導かれて | 聖なる予言の旅
2017年1月23日 南米、ペルーにある聖なる谷ピサックにて 日本で精神世界だの
-
-
その常識、本当に必要ですか? | 日本の生活が息苦しい訳
その常識、本当に必要ですか? 最近、大阪メトロの運転士がヒゲを生やすために裁判をしたら
-
-
旅すると人生変わる? | Young Age 最終回
今まで世界遺産ハンター Young Age 全37回を読んでくれて本当にありがとう! 今回
-
-
帰国、ロサンゼルスでフラッシュバックした俺の20年
2017年2月28日〜3月2日 28日の早朝、事前に頼んでおいたタクシーがお宿桜子まで
トラックバック用URL