人の悪いところばかりを見て、あら探しをしても何もいい事は無い

公開日: エチオピア 旅のコラム

ハマル族

ブルジャンプが終わり、ハマル族の村を後にしようとした時に、帰りの足が無い欧米人を乗せてくれないかと欧米人達のガイドに頼まれた。

彼らは大きなトラックで旅をしており、途中まではそのトラックで来たのだが、道が悪すぎる為に途中からバイクをチャーターしてきたそうだ。帰りの乗り物は無く、日も暮れかかっている、老人の足では少し距離があるとの事だった。

困ったときはお互い様なので、俺たちは快く引き受けた。

欧米人たちのガイドは、ほんの5kmくらいと言っていたが、車で30分以上もかかった。この距離を歩くとしたら相当大変だろう。オーストラリア人の初老の方が、俺にとても丁寧にお礼を言ってくれた時に、ふと気になった事を聞いてみた。

『もしかしてお金払いました?』
『ええ、ひとり100ブル払いました』
『なんてこった!俺たちはお金なんかいらないのに・・・』

俺たちは今まで旅をしてきた中で、沢山の人たちに何度も何度も無償で助けてもらっている。だから俺たちも無償で助けたかった。

このボロ車は俺たち専用にチャーターしている車だ。料金は俺たちが支払っているのでこの人たちからお金を請求するのは二重請求だ。

この野郎、マジで許せねー!

6人も乗せていたから俺たちのドライバーは、しれっと600ブルも取った計算になる。車に戻った俺はマリちゃんにだけわかるように日本語で、あのドライバーがおばあちゃん達から金取りやがったと伝えた。

すると勘のいいドライバーは、急にいい訳がましく

『あの欧米人たちのガイドは嘘つきだ!ほんのちょっとの距離とか言ってたけど実際はかなりの距離があった。そして欧米人達にお金を請求していた!』

『俺は同じエチオピア人として恥ずかしい!』

同じエチオピア人として恥ずかしいだとぉ???
マジかこいつ!?よくもそこまで白々しい事を言えたもんだ!

ほんとうに最低のカス野郎だな!

俺の心が負の感情で満たされたその時、ふと我に返った。

エチオピア南部の旅

別に俺たちからお金をむしり取った訳ではない、お金を儲けるチャンスがあったら誰だって飛びつきたい。本当はブルジャンプだってドライバーの友達ガイド(タカリマン)を連れて行けばマージンがもらえたのだろうけど、俺たちが断固拒否したから別のガイドとなった。

彼のやり方は多少問題があるけれども強引な事は一切しないし、いつ何時も建前をきっちり使っている。意味不明な理由でしつこくタカってくる連中とは訳が違う。

この頃の俺は、完全に色眼鏡をかけて、このドライバーを見ていた。こいつは悪い奴だと、それを証明する為にあら探しをしていた。

そうやって人を見ていたら、そりゃ悪いところばかり見つかるよね。
だって悪いところを探しているんだもん。

人の悪いところばかり見て、あら探しをしても何もいい事は無い

度重なるストレスによってダークサイドに落ちていた俺の心は冷静さを取り戻した。ニュートラルな心に戻り、フラットな気持ちで再びドライバーと接する事が出来るようになった。

エチオピア南部の旅

人は見たい物を見る

もし、人の悪いところに焦点を当てて見れば必ず悪いところが見つかる、でも、そんな事をして何かいいことあるの?何もいいことなど思いつかない。

それだったら人の良いところを探した方がお互いハッピーだと思う。

わかっている!わかっているんだけれどもうまく出来ないのが人間ってもんで、俺なんてちょっとストレスを受けるとどんどん心が負の感情に支配されはじめる。で、だんだんと意地悪くなってきてしまう。

なかなかうまく出来ないのだけれども、この時はうまく気持ちが切り替わった。そして俺の考え方が変わった瞬間からドライバーとのコミュニケーションがうまくいきだした。

ドライバーは元々いい奴だったんだよね、ただ、あの手、この手で金を稼ごうとしているだけな訳で。

エチオピア南部の旅

相変わらず車はボロいけど、帰り道は楽しかった。

夜中の12時近くまでのロングドライブとなったけれども、ドライバーが眠くならないように俺たちのiPhoneで音楽をかけたり、色々な話しをして楽しんだ。車をチャーターしてから三日目の夜にしてようやく打ち解けた気がした。

そう言えば、今までのドライバーの人たちとこんなに打ち解けた事は無かったし、もめることも無かった。でも、このドライバーとは何度も何度もめんどくさいやり取りをした。

直接やりとりする事が多かったから散々揉めたけど、その分、仲良くなれたのかな。

エチオピア南部の旅 -最終日- そしてシャシャマネへ

2月20日

トゥルミのマーケットに行ってアルバミンチに帰ると言うのが当初のプランだったのだがカイヤファールのマーケットでお腹いっぱいだったので、ドライバーと交渉してラスタの聖地シャシャマネまで車で行ってもらう事にした。

アフリカの旅人

アルバミンチでリュウさんと別れて、俺たち二人だけ乗せてシャシャマネへと向かった。
リュウさんには俺の知っている中国語をありったけ駆使して別れの言葉を告げた。

『謝謝(シェンシェ)、朋友(ポンユー)、再見(ツァイチェン)!』

ありがとう、友よ、またいつか!
みたいな意味だと思う。

アルバミンチからシャシャマネまでは車で6時間以上掛かるのでもう一悶着あったのだけど多めにチップを払うと言う事でシャシャマネまで送ってもらった。おかげで予定よりも大分時間を節約することが出来た。

この旅は結構キツかった。
キツかったけれどもその分、苦労を共にしたリュウさんとも仲良くなれたし、ドライバーとも仲良くなれた。最初の2日間だけだったけどママイヤさんとも一緒に旅をする事が出来たのも嬉しい。

苦労があった分、人との繋がりはより濃くなる。
最悪だったこの旅も、終わる頃には最高の思い出になっていた。

俺がした事はただひとつ。考え方を、人の見方を変えただけ。
たったこれだけの事で、この旅の思い出はまるで違う物になった。

エチオピア南部の旅

ドライバーのkidus

このドライバーとは散々ケンカをしたけれども、けっきょく最後にはFacebookを交換し、ハグをして別れた。もし、もう一度ここに来る事があれば、また、この車をチャーターしたい・・・かな?

いや、願わくば車を買い替えている事を祈る。

このボロ車は、もうごめんだね。

エチオピア南部の旅

アルバミンチから車をチャーターしてエチオピア南部の先住民族に会いに行く

コンソの文化的景観 | エチオピアの世界遺産

唇にお皿をはめたムルシ族 | エチオピア南部の先住民族

カイヤファール(keyafer)のマーケットは入場無料です。

ハマル族(ハマー族)のブルジャンプとむち打ち

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