文章の書き方を学べる本『20歳の自分に受けさせたい文章講義』が凄い!
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読書&映画
「アドラー心理学」をわかりやすく解説した書籍『嫌われる勇気』を岸見一郎さんと共著した古賀史健さんが、文章の書き方をわかりやすく解説してくれた本。
20歳の自分に受けさせたい文章講義
久しぶりに凄い本を読んでしまった!
ブログを書いたり、本を書いたりするなら必読なんじゃないかと思えるくらい凄い為になる本。
俺は、今まで文章を書くと言うことを学んだ事が一回もない。
学校じゃクソみたいな作文を書かされただけだったし、大学も行っていないから論文とか書いた事もない。そもそもあんまり漢字が書けないからパソコンで文字を書くようになる以前の時代では、文章を書く機会すらなかった。
俺が初めて文章を書くようになったのはmixiの日記。
日本にSNSって物が登場して、初めて自分以外の誰かに向けて文章を書くようになった。勿論、mixi内の仲間内だけで楽しむためだけの文章で、特に何かを意識して書いていたわけでは無い。ただ、この時、初めて自分以外の誰かが読む事を想定して文章を書くようになったような気がする。
それから何年もの月日が経ち、世界遺産ハンターのブログも始め、キンドルで電子書籍も出版するようになった。このブログだけでも5年以上も続け、700件以上もの記事を書いた。
それでも俺は、文章を書くと言う事がよくわかっていない。
ただ、なんとなく書いているのだ。
主に俺が文章を書くときに意識していることは、なるべく簡単に、わかりやすく、読みやすく、伝わりやすいようにと言うことだけだ。たったこれだけの事なのに書いていてイマイチしっくりとこない事が多々ある。そんな俺のモヤモヤを全て明確に解決してくれた本がこの本だ。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』
著者の古賀史健さんが15年間、現場でライターとして働きながら蓄積した『書く技術』のノウハウと哲学が詰まった本で、とても読みやすい。このとても読みやすいというのが重要で、簡単に、わかりやすく、読みやすく、伝わりやすいように文章を書きたいのに、小難しい話をされたら一気に読む気が失せてしまう。
この本はとにかく読みく、すらすらと読めてしまう。だからこそ、信頼できるし、俺もこのようにわかりやすく伝わりやすい文章を学びたいと思う。
文章を書こうとするのではなく、考えている事を翻訳する
古賀さんが言うには『書こうとするから書けない』、そうではなく、頭の中にあるグルグルとした考えを翻訳する、それが文章を書く事だ。
また、書く事は考える事だとも言っていた。理解したから書くのではなく、理解するために書くのだと。
そういえば俺も文章を書く時は頭の中を翻訳するって事はいつも意識していたのであまり書けないって言うときはなく、大体、スラスラと書く事ができる。しかし、全体的にまとまりが無い文章で、このイマイチな感じ、どうしよう?みたいな時は多々ある。そのようにならないようにする方法も、この本にはちゃんと記載されていた。
文章はリズムで決まる
著者の古賀史健さんいわく、文章のリズムとは理論展開だと言う。
理論を破綻させない為に、一回、文章を細かく区切って接続詞で繋げてみればその理論が破綻しにくくなる。何故ならば支離滅裂な文章は文と文の繋げ方がおかしい。また、美しい文章よりも正しい文章を目指すべきだとも言っていた。(勿論、美しい文章を目指すなとは言っていいない)。
文章とは主観を語るからこそ、客観を保たなければならない。
視覚的なリズムを大切にする
濁点の打ち方
一行に一つは濁点を入れるなど
改行のタイミング
最低でも5行に一回は改行を入れるなど
漢字とひらがなのバランス
ひらがな(白)の中に漢字(黒)を置くイメージで配置する
文章の面白さは構成で決まる
個人的に、ああ、なるほどと思ったのが文章を組み立てるさいにカメラワークを意識するという事。
導入(序論)では引きのカメラワークで、客観的な状況を説明
本編では寄りのカメラワークで、序論に対する自分の意見や仮説などを展開(主観)
結末(結論)ではまた、引きのカメラワークで客観的な視点からまとめる
導入は映画の予告編を意識するといい。
導入がつまらないと文章を読んでもらえないのでとても大事。
また、理論的な文章構造を大切にする。
主張 その文章を通じて訴えたい主張
理由 主張を訴える理由
事実 理由を補強する客観的な事実
文章の中に主張、理由、事実がちゃんと入っているか意識すると理論的な文章ができる。
読者の椅子に座る
あらゆる文章には読者がいる。読者の立場に立つのではなく、読者の椅子に座ることによって読み手の事を考える。例えば料理は作ったから『作ったから食べる』のでは無い、『食べるから作る』のだという事。
その為にはあやふやなペルソナなどではなく、具体的な『特定のあの人』か『10年前の自分』の椅子に座る。そうする事によってよりはっきりと読み手を意識する事が出来る。(例えで10年前の自分となっているが5年前でも1年前でも構わない)
これを読んでいて、なるほどなと唸ったのは確かに万人向けに書かれた薄い内容よりも、特定の個人向けに書かれた濃い内容の方が心に響くし、自分がその対象でなくても読み手は映画とか小説とかちゃんと理解できる。
文章は優しく書くのが一番むずかしい
わかる奴にわかればいいはウソ。
著者の理解度が高ければ高いほど、わかりやすい表現で高度な内容も語れるはず。
などなど
●話せるのに書けない!(→7ページへ)
●文章にリズムがない!(→55ページへ)
●「読みづらい」「わかりにくい」と言われてしまう!(→60ページへ)
●改行や句読点のコツを知らない!(→84ページへ)
●文章をどう展開していいか、よくわからない!(→105ページへ)
●伝わらない!(→155ページへ)
●書くことが多すぎて、絞りきれない!(→230ページへ)
●そもそも文才がない!(→267ページへ)
俺、この本は図書館で借りてきて読んだのだけれども、読み終わった後、速攻でAmazonで注文しちゃったよ
もう、二回くらい読み直したい。
そして、この記事も書き直したい。
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