アスタラ ビスタ ベイビー (Hasta la vista , baby) の意味は？

Hasta la vista , baby (地獄で会おうぜベイビー)

物語は終盤、最高潮に盛り上がる。
迫り来るのは無敵のT1000！対峙するのは勝ち目の無い型遅れの堅物ロボットT800。壮絶なカーチェイス、絶体絶命の大ピンチ！

我らのT800は、液体窒素をぶちまけ、無敵のT1000をカチコチにしてしまう。
この時に全世界の人々の心をわしづかみにした名言中の名言が生まれた。

アスタラ ビスタ ベイビー！

『地獄で会おうぜベイビー』　訳:戸田奈津子

当時、リアルに中2だった俺が、中2病になるのは必然だったと言える。普段、英語など全く勉強していなかった俺が、翌日にはわざわざ職員室まで行って、英語のヤマギシ先生に『地獄で会おうぜベイビー』ってなんて言うんですか？と尋ねる。

普段、英語の授業に全くの無関心だった俺がわざわざ尋ねて行ったので、ヤマギシ先生は嬉しそうに教えてくれた。

See you in the Hell , baby

ん？なんか違う・・・
それじゃない

シュワちゃんは、アスタラ ビスタ ベイビー！って言っていた。

今から思えば当然の結果なのだけれども、当時の俺は全然納得がいかず、所詮、中学の英語の先生だ、ジョンコナーがT800に教えたスラングなんぞわからんのだろうと勝手に納得してしまった。

ヤマギシ先生、マジすいません！
地獄で会おうぜベイビーは英語で間違いなく『See you in the Hell , baby』でした！

時は流れ、この名言がスペイン語だったと言う事実を知る。

なるほど、そうか
アメリカ人の第二外国語はスペイン語だし、ジョンコナーみたいな中2くらいの不良はイキがってスパニッシュを使うのか。この頃には俺も多少の英語がわかるようになっていたのでヤマギシ先生の言っていた事が腑に落ちるようになっていた。

もうかれこれ25年も前の話だと言うのにターミネーター2は衝撃的過ぎて当時、英語の全くわからなかった俺でも、いまだにはっきりと覚えている名言がいくつかある。

例えば
『I’ll be back』や『No problem』なんかも印象深い。

それでもやっぱりターミネーター2のベストオブ名言と言えば『アスタラ ビスタ ベイビー！』だろう。俺的に、ここだけは譲れない。

もう、15年以上も昔にインドネシアを旅していた時の事だ。インドネシア語なので何を言っているのかさっぱりわからないテレビCMをボケーっと見ていた。ブラウン管の中で泡だらけになった子供たちが水鉄砲で遊んでいる。最後に主役の子が狙いを定め、こう決め台詞を吐く。

アスタラ ビスタ ベイビー！

このとき、俺はめちゃくちゃ嬉しくなってしまった、T2だ！。やっぱりこれは全世界で評価された超有名な台詞だったのだと。

アスタラ ビスタ ベイビーの25年後に明らかになった真実とは？

人生と言うのは何処でどうなるのかわからない。25年前は、英語すら勉強する気が全く無かったこの俺が、まさかスペイン語を勉強するとは考えた事も無かった。

しかし、俺は今、中南米を旅する為にスペイン語を勉強している。

全くの0からスペイン語の勉強を始めた訳だが、学校に行ってまっ先に先生に聞いたのはやはり、この言葉だった。

アスタラ ビスタ ベイビー！

知ってるでしょ？ねえ？
知ってるでしょ？

世界でもっとも有名なスペイン語のうちのひとつじゃね？

残念ながら英語のあまり話せない先生とはうまく意思の疎通が出来ず、何となくしか会話出来なかった。

そして、数週間がたち、俺もほんの少しだけどスペイン語がわかるようになってきた。俺は、『アスタラ ビスタ ベイビー！』のビスタが『地獄』だと思っていたのだけれども、どうやらそうではないらしい。

と言うか、これ、訳すともしかして、ただの『See you』なんじゃないのか？

俺が25年間もの間、ひたすらに信じ続けた『地獄で会おうぜ、ベイビー』はただの戸田さんの造語だったとは・・・
（ちなみにスペイン語圏では「Sayonara(さよなら), baby」となぜか訳されて放映されたそうだ。）

今更、地獄ってのは日本だけのオリジナル仕様だと知らされても、途方に暮れる事しか出来ない。
しかし、地獄が入っていないこの言葉はなんと使いやすい事だろうか

そして、俺は行きつけのカフェで、最後にこう言うんだ。

アスタラ・ビスタ！