ジョグジャカルタを目指して | Young Age Vol.31

公開日: インドネシア ヤングエイジ

ジャランジャクサ

2001年7月24日

ジャカルタは快適な街だった。
物価は安いし、久しぶりに旅が楽しくなってきたところだが7月30日にスィゲがバリ島にやってくる。
何としてもそれまでにバリ島に辿り着かねばならなかった。

この旅の最終目的地であるバリまではこのジャワ島を横断するだけだった。
なるべく時間を稼ぎたかった俺は一気にジャワ島の中部にある遺跡の街、ジョグジャカルタを目指す事にした。

ミッドナイトエクスプレス

俺は深夜特急に乗ってジョグジャカルタという所を目指していた。
ジャランジャクサで買ったチケット。

何度も聞いた
『俺は寝ていきたいんだ』
『ベット付いている?』
ジェスチャーもした。
交渉は完璧なはずだった。

しかし、俺が乗ったのは何と言う事のないエグゼクティブって感じの電車。
まあリクライニングシートだしバスに比べれば天国だが俺の求めていたものじゃない・・・

ファック!!

物事、期待どうりいかない事なんてしょっちゅうある。
しかし、俺はミッドナイトエクスプレスは大好きな乗り物なだけに期待していた。
まあそれはいい、我慢しよう。
しかし、どうしても我慢が出来ないのはこの冷房

寒すぎる
俺はTシャツ一枚
震えていた

冷房の域を越えていた。
まるで冷蔵庫だ。

俺は言った『大分寒いんだけど』
そしたら車掌さんは俺に毛布をくれた。
辺りを見回すと皆、毛布に包まっている。

何かが間違っているこの電車・・・

悲劇はこれだけに留まらない。
今日は電車に乗る為、日中の炎天下の中、重たいバックパック背負って歩いた。
多分それがいけなかった。

飛行機並みの車食を食った後、気分が悪くなってきた。
これはまずいな・・・
この感じはアレだ!!
シンガポールでやられた時のアレだ!!

それは多分、日射病の一種だと思われる。
疲れている時、体力の落ちている時にやられやすい。
しかし、俺は同じ過ちを犯すまいと気が付いて即、便所に行って指をっ込んで自ら吐いた。

結構辛かったけど人間慣れれば何とかなるもんだと思った。
その後少し寝て体調は大分回復した。

しかし、弱りきった俺の体調に鞭を打つように冷房が俺の体温を奪う

こいつらバカじゃねーの?
何考えてこんなに冷房いれんだよ?

俺の精神状態ときたらもう限界、今にも運転席に行って冷房止めろと怒鳴りたい。
そんな俺を救ったのはある曲だった。

この電車にはTVが付いていて何故かは分らんがユーロビートっぽいのが流れていた。
最初はふざけたユーロビート流しやがってなどと思っていたらなんか聞いたことのある曲だな?

あれ?
これ知ってるぞ
ってか日本の語じゃん!!
TRFじゃん!!

しかも映像つき!!

サファイバダンス サッファイバダンス トラーイアゲン!!

映像に合わせて思わず一緒に踊りたくなってしまう。
テンションが上がる!

確かこの曲は俺が16歳とか17歳頃にはやっていた曲だ。
思わず当時を思い出し元気が出てきた。

遠い異国の地、しばらく使っていない日本語、病に倒れ、理不尽なクーラー攻撃に打ちのめされかけた時

Jポップが俺を救ってくれた。

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今見てもこのPVはアガがる
めっちゃ楽しそう

あとがき

当時、途上国っていうのはクーラーがかなり贅沢で寒いくらいにクーラーを効かせるのがサービスの一環であると信じられていた。と、何かの本で読んだ事があるがこの時はまさにそれを実体験する事になる。

以来、俺は例えクソ暑い東南アジアであろうとバスや電車に乗るときには必ずすぐ出せる場所に防寒具を装備している。

しかし、この時は体調が悪い中、毛布に包まって震えるように長い夜を耐えていた。
そんな時に流れ出したユーロビート、よく聴けばTRFのEZ DO DANCE

当時はまだ中3か高1だったのでわからなかったけれども改めて聴くと完全にただのユーロビート。
ただのユーロビートだと思って聞き流していた所からまさかのEZ DO DANCE!

しかも、嬉しい事にTRFのベストか何かのDVDだったので名だたる名曲が順番に聴ける。

BOY MEETS GIRLだとか
寒い夜だから

ヤベェ
全部知っている。

遠い異国の地で、寒さに震える時に流れる懐かしのJ-POP
一体、俺の心をどれだけ救ってくれたのだろうか

あの時、あの場所で神がかったタイミングで流れたTRF

それ以来、俺はTRFが大好きだぜ!

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公開日: : 最終更新日:2018/11/16 インドネシア ヤングエイジ

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