『シミエン国立公園』絶景!エチオピアの天井と言われる世界遺産

シミエン国立公園
1978年、世界自然遺産に登録 / (vii)(x) / 危機遺産
アムハラ州ゴンダール地区にあるシミエン国立公園は、高山が連なり「アフリカの天井」とも呼ばれ、二泊三日や三泊四日のトレッキングツアーを楽しむ事が出来る。

この世界遺産は今回の旅の中でも思い出深い世界遺産のひとつとなる。
2月10日
俺たちはサイトウさんが行ってきた三泊四日のトレッキングツアーに参加した。台湾人の三人組とアイルランド人夫妻の合計7人のパーティーでデバルクを出発した。料金はひとり240ドル。

初日は車である程度のぼり、景色の良い場所からトレッキング開始。
クリーム色の高原に背の低い木々、見下ろす岩山、乾燥した荒野。
『何もないな、この国は』と思って何気なく飛行機の窓から覗いてたエチオピアの風景が今、目の前に広がっていた。
何も考えずに飛行機からただ見下ろしていた場所を今度は自らの足で歩く事となった。
まいったね、こりゃ。

アフリカの山なので見た事もないような植物とかが生えている。中でも俺が一番気に入った植物はこのトゲトゲしいタンポポみたいな植物で、名前がわからないからアフリカンタンポポと勝手に命名した。

トレッキングを開始するといきなり野生のヒヒの群れに遭遇。ヒヒもハイカーに慣れているので近くに行き過ぎなければ落ち着いたものでゆっくりと写真を撮る事が出来る。

大人のヒヒはイカツイのだけれども子供ヒヒはマジ可愛い。ふれあいたくなるが大人ヒヒにしっかりとガードされた場所に居るので近づけない。他の猿とかもそうだけれども子供であればあるほど人間に似ている気がする。

アフリカの山って言うのはあたりまえの事だけれども高尾山とはすべてが違っていて、生えている植物も、住んでいる動物も、見える風景も全く違い、まるで別の世界に来たような気分になる。と言うか別の世界だ。
初日は4時間半くらい歩くとキャンプサイトに到着するのであまりキツく無い。ゆったりとしたトレッキングだ。そうは言っても標高3000m以上の高地なので体を高度順応させる必要がある。
俺たちは事前に標高2700m以上あるデバルクの町に二泊しているので高度順応はばっちりのはず。

夜空を見上げるとアフリカの月が笑っていた。
月って言うのは横に欠けるものだと思っていたがどうやらアフリカでは違うみたいだ。

フィリピンでは飛行機の窓から縦に掛かる虹を見た、今まで虹は横にだけ掛かるものだと思っていたのだけど、どうやら違うみたいだった。知らない事を知って常識だと思っていた思い込みが少しずつ崩れていく。
アフリカに住んでいる人はきっと月が横に欠けるなんて思わないんだろうな。

夜はみんなでたき火を囲みゆったりとした夜を過ごす。日中は日差しが強くTシャツでもいいくらいの気候だがシミエン国立公園は標高が高いだけあって夜は寒く、すべての服を着込んでも震えるくらいに寒くなる。
初日に泊まった山小屋で出会ったフィンランド人カップルはデバルクの町から徒歩で登ってきたらしくかなり疲弊していた。俺たちは半分くらい車で登った来たが彼らは8時間以上掛けて徒歩で登ってきたそうだ。
屈強な体つきをしたフィンランド人は三泊四日分の料金を払ってはいるがあまりもキツかったら二泊三日で下山するかもしれないと言っていた。次の日から俺たちも7時間くらい歩く事になる、大丈夫かな???
俺が事前に出会った人から仕入れた情報によると登山と言うよりハイキングでそこまで辛くは無かったと言っていた。でもその人は二泊三日のツアーだったし、三泊四日のツアーに参加したサイトウさんは南米でもトレッキングの経験が豊富で登山慣れしている方だ。高尾山レベルのハイカーである俺たちとは自力が違う。
トレッキングとか言う甘美な言葉に誘われて気軽にこのツアーに参加しちゃったけれども標高4000m以上の山って富士山以上だよな、、、
高尾山に登って満足していた俺が気軽に行っていい居場所なんだっけ?
そうは言っても今更引き返せない。とりあえずやるしかない。
高山病で下山? シミエン国立公園、2日目

2月11日
朝8:30、キャンプサイトを出発

クリーム色の高原を歩き

グランドキャニオンのような絶景を楽しみ

背の低い木々の林を歩く

まるで桃源郷を歩いているようだった。

歩くこと約2時間、ようやく滝に辿り着いたのだけれども乾期なのでちょろちょろと水が流れているだけだった。雨期に大量の雨が降るそうで、この谷に大量の水が流れ落ち、何本もある滝に綺麗な虹がかかるそうだ。
しかし、雨期のトレッキングは厳しいので雨期があける10月が一番美しい時期だと言われている。

この乾燥した大地が、クリーム色の高原が、荒野のような風景が緑に生い茂るのかな?
歩くこと約3時間半、ようやくお昼になり昼食だ。辺りには人慣れしたヤギが俺たちのお弁当を狙っている。
シッ!シッ!と追っ払ってもひるむ気配無し。
仕方が無いので小石を投げて追い払う。

昼食後、バナナの皮をあげたらご満悦。

これもヤギなのかな?すこし毛がモコモコしているけど羊?
なんだか角が立派で強そうだ。

昼食後、さらに荒野を2時間くらい歩いてようやくキャンプ場近くの村が見えてきた。
正直なところ結構キツい。
これが二泊三日で次の日はちょろっと登って帰るだけだと考えれば大丈夫だが、もう一日これを繰り返してさらに四日目には4420mもあるエチオピアで二番目に高い山に登ると言うのだからちょっと自信が無い。
2日目のトレッキングで俺が考えていた事はただひとつ、調子に乗って三泊四日のツアーにしちゃったけど四日も体力が持つのかな?と言う事。
2日目のキャンプ場の時点で標高が3600m以上ある、富士山の頂上と大して変わらない。体感として息苦しいとか酸素が薄いとか感じる事は全く無いけれども一歩一歩の足取りは確実に重たく、大した登り坂ではないのに体力の消耗が激しい。
ただ、ここまで来た事によって何となく『俺、富士山にも登れるかな』ってふと思った。体力的に余裕のあるマリちゃんに至っては『富士山も大した事無いね』とか言う始末。

後ろを振り返ると一緒にツアーに参加している台湾人のひとりが限界ギリギリの状態で登っている。どうやら足がつってしまったらしくスキーのストックのようなものを使いながら四本足のような状態で登っている。
24時間テレビのマラソンみたいな感動の押し売りを見て気持ち悪いと思うこの俺でさえ『頑張れ!あとちょっとだ!』と心の中で声援を送っていると言うのにそれを見ていたエチオピア人の子供が大爆笑している・・・
マジか!?
そこ笑うところ???
文化と言うか風習というか、まぁ平たく言えば感覚が全く違うのだろう。
マリちゃん高山病にかかる
午後3時過ぎ、長かった一日のトレッキングが終わりようやくキャンプサイトに着いた頃、マリちゃんの体調に異変が起きだした。
マリ『ねぇねぇ高山病の症状ってどういうの?』
オレ『ん?頭痛がしたり吐き気があったりだね』
マリ『あたし、それかもしれない』
オレ『え!?マジ???』
さっきまで富士山も大した事無いねとか言ってたのに・・・
富士山で高山病になる人がいるとか言っていたけれども本当だったんだ。でも俺たちはデバルクの町(2700m)で2日も過ごしてしっかりと高度順応していたはずなのに。
そうは言ってもどうにもならない。
マリちゃんの体調はどんどん悪くなる。
一緒のツアーに参加していたアイルランド人夫妻が薬をくれたのでそれを飲んで寝るしかない。

山の間に沈んでいく夕日がとても美しかった。
それとは対照的に俺には何一つする事が出来ず、全くの無力。
次の日、様子を見て下山しようと思った。
ガイドに妻の体調が悪いと相談するとミュール(馬とロバの間みたいな動物)に乗せて下山することも出来ると言ってくれた。
三泊四日分の料金を支払ってはいるけれども、この2日間でシミエン国立公園は十分に堪能した。次の日に下山してもまったく悔いは無い。

ふと夜空を見上げると、今までに見た事もないくらいに星が輝いていた。
綺麗な夜空は何度も見た事がある。フィリピンのプエルトガレラも素晴らしい夜空が見える、モロッコのサハラ砂漠で見た夜空も素晴らしかった。
でもこの山で見た夜空は別格だった。
標高が高いからなのか、空気が薄いからなのか、乾燥しているからなのか?
星をこんなに近くに感じたのは生まれて初めてだった。
この星空を見る事が出来ただけでもここに来た甲斐があるってもんだ。
そして俺の星空の撮影技術の低さを痛感した。
次はもう少し勉強するぞ!
トレッキングと言う甘美な言葉に誘われてうっかり4000m級の山々を縦走するハメになってしまったシミエン国立公園3日目

2月12日
朝起きるとマリちゃんが猫と遊んでいた。

昨夜、あんなに具合悪そうにしていた高山病はすっかり良くなったみたいでケロッとしている。俺はすっかり下山モードに入っていたのに、マリちゃんはこのままトレッキングを続けると言いだした。
いや、まぁ、いいっちゃいいんだけれども本当に大丈夫???
下山する気、満々ですっかり気の抜けていた俺は残りの2日間、気合いを入れ直してトレッキングをしなければならなくなってしまった。
どうやら長い一日が始まりそうだ。

8:20 キャンプサイトを出発
ここから先は富士山以上の標高だ。
急な登りと言う訳ではないが一歩、一歩がやけに重たい。

クリーム色の高原をゆったりと登りながら標高3926mあるイミット・ゴーゴーを目指す。この山は微妙に4000mに達しないが景色はこの辺りで一番良いそうだ。

10:20 登りはじめてから約2時間でイミット・ゴーゴーに登頂。
キャンプサイトの時点で3600m以上あったので大した高低差は無いが富士山以上の山だ。高尾山ハイカーの俺には結構な達成感がある。

いや〜絶景、絶景!
飛行機の窓から見下ろしていた風景が目の前に広がっている。

この山を最後に二泊三日のアイルランド人夫妻とはお別れになる。結論から言うと二泊三日のツアーだと2日目だけちょっと大変だけれども素人でも登れて、適度に冒険感が味わえる素敵なトレッキングツアーだと言える。
で、三泊四日の俺たちはこれからどこに行くの?とガイドに聞いたところ遠くの山を指差してあそこに行くとか言っている。
うーーん、俺、英語よくわからないわ・・・
あんなところまで歩いて行ける訳ないじゃん
何かの間違いだと思っていたけれどもどうやら本気らしい。

途中までみんなで下山してこの場所で三日間一緒だったアイルランド人夫妻とお別れだ。名残惜しいけれどもEメールアドレスなどを交換して、銃を持ったスカウトの人と一緒にアイルランド人夫妻は別のルートで下山していった。

山を下り、谷を越え、また山を登っていく。
下る分にはだんだんと体が楽になっていくのだけれども登る時はマジでキツい。
標高3000m以上の場所で山を登ったり下ったり、これはもしかして登山家達が言う『縦走』って言う高度な登山なのではないか???
トレッキングってこんなにキツいんだっけ?
大した登りではないのだけれども標高の高さが激しく体力を奪う。一歩、一歩の足取りが重たくて心が折れそうになる。
正直、キツい
俺がずっと考えていたのは四日目、4400mもある山に本当に登れるのか?と言う事。この日は気合いで登りきるとして、毎日へろへろになって標高の高い山小屋で休んで大して体力も回復せず、日々疲弊していく。
本当に俺は4400mの山まで辿り着けるのか?
自信が無い・・・
7人で出発したパーティのうちアイルランド人夫妻は先ほど別れたので残り5人。台湾人夫妻の旦那さんは昨日、足がつってかなりの苦戦を強いられていた、今日は奥さんの瓜さんが膝を痛めミュールに乗っている。マリちゃんは昨日、高山病でにやられていた、そして俺は今、かつてないほどにバテている。
もはや終日通して元気なのは屈強な体つきをした台湾人のイーファンのみだった。

煩悩の果てに
はぁ、はぁと言う自分の吐息しか聞こえない。
一歩、一歩の歩幅を最小限にとどめゆっくりと登る。
既にみんなのペースについていく事は出来なくなっていた。
美しい風景もうんざりだ、どうでもいい。
すこし、休みたい。
すこし、座りたい。
今にもぶっ倒れそうだった。でも、俺は倒れないと知っていたし、歩けると知っていた。
このツアーの参加費はひとり240ドル、二人で480ドル、日本円にして6万円近い金額だ。俺は6万円も払って一体何をしているのだろうか?
この苦行をする為に6万も払っているのか?
いや、違う。世界遺産をハントする為だ!
あ、でも、もうどうでもいいや。
もうハント(写真撮った)したし十分だ。
頭の中を色々な思考がグルグルとまわっている。
自分が何かに試されている気がした。
自分が何者なのか?
自分は一体何をしているのか?
俺の人生はこれでいいのか?
トレッキングつらい・・・
ダメだそうじゃない!俺は一体何がしたいんだ?
俺はタイに行きたい。
そうだ!
タイランドに行ってプール付きのホテルに泊まってプールサイドでゴロゴロしながらタイ飯食ってタイマッサージだ。
そうだ
俺に必要なのはタイだ!
タイに行こう
もう三日間は風呂には入っていない。
バスタブ付きの風呂に入りたい。
タイのホテルにはバスタブがついている。
もう二ヶ月以上もアフリカの飯を食っている。
エチオピアの飯は高いわりに美味しく無い。
タイ飯は安くてうまいな、大戸屋もココイチも吉牛だってある。
そうだ、タイに行こう!
6万円あればタイでけっこうな贅沢が出来るな。
俺はタイに向かって歩き出した。

標高4000mの世界
13:30
ようやく辿り着いた場所はバンコクではなく標高4070mの山頂だった。
感動は無い、先ほど3926mもあるイミット・ゴーゴーに登ったばかりだ。それよりも100mちょっと高い山に登ったからって何だって言うんだ。どうせ明日、4400mの山を目指す。
てか4000m級の山々に連続して登るなんて聞いてないよ!

トレッキングと言う甘美な言葉に誘われてうっかり4000m級の山々を縦走するハメになってしまった。
本当にキツかった。
その日の体調などによるのかもしれないが4000mの世界では一歩、一歩の登りが本当に重かった。
正直なめていた。
俺は8000m級の高所登山をする登山家の本などが好きで何冊か読んだ事がある。それは想像を絶する世界で、空気が1/3になるデスゾーンを酸素ボンベも持たずに登ると言うのもだった。
そんな登山家達が高度順応したりするエベレストのベースキャンプは標高5000mを越えている。つまり4000mくらいじゃ大した事無いんじゃないかと思っていた。
でも俺は登山家じゃない、ただの高尾山ハイカーだった。

山岳部に住む子供達は4000mとか全然関係なくて普通に走り回っている。文字通り鍛え方が違うってやつだ。彼らは登山客に色々なお土産を売っていて、せっかくだから何か買ってあげたいのだけれども欲しいものが殆どない。
そんな中、これならお土産で友達にあげられるかな?と思うようなポーチがあったので30ブル(160円くらい)で購入。

そして次のキャンプサイトまで歩いて帰る。
限界まで体力を消費していた俺は下りもしんどいなと思ったのだが思いのほか下りは楽で標高が下がるにつれて身体が楽になっていく。

あれだけキツかったのに山頂で休んだせいか、標高が下がったおかげか帰り道は余裕すらあった。三日目の山場を越えたのでこのツアーの終わりが見えだした。
あれだけ不安だった四日目も今やなんの不安も無い。
驚くほど自信に満ちている。
もしかしたらさっきまで、軽い高山病にかかっていたのかもしれない。
16:20 キャンプサイトに到着
8時間のトレッキングを終え、ようやく長い一日が終わった。
この日はこれまでの旅の中で体力的に一番キツい日となった。
キャンプサイトにいたゲラヒヒの群れ
標高4444m!エチオピアで二番目に高い山 シミエン国立公園 4日目

2月13日
長かったシミエン国立公園トレッキングツアーも今日で最後の一日。この日の予定は極シンプルにキャンプサイトから標高4420mあるエチオピアで二番目に高いバイト山に登って降りてくるだけ。
7:45 早めの朝食をすませ、バイト山を目指す。
前日のトレッキングで膝を痛めてしまった瓜さん夫妻はキャンプサイトに残る事になったので山頂にアタックするのは案内役のエチオピア人と台湾人のイーファンと俺たちの4人だけ。
今までは最後の日まで体力が持つかどうか心配していたけれども、もうその心配はない。今日が最後の日だ。ちからをセーブする必要も無く、目の前にある山をただただ全力で登ればいい。

爽やかな朝の光が乾燥した高山をキラキラと輝かせており、とても気持ちがよい。山登りするならこんな日がいい。
標高が高いので相変わらず登りは大変だけれども昨日とは、比べ物にならないほど体調が良い、俺の身体も高度順応したのかもしれない。

しばらく登ると野生のワリアアイベックスの群れを発見。このシミエン国立公園が世界遺産に登録された理由の1つにワリアアイベックスの保護が含まれている。

ワリアアイベックスは人工繁殖と飼育により増殖しているが、それを知らない現地の人が食べちゃう事もあるらしい。
動物好きのマリちゃんとプロ並の腕をもつカメラマン、イーファンは夢中になってワリアアイベックスを撮影していた。

道中にそれほどキツい登りは無いのだけれども流石に標高4000mを越えると体力の消耗が激しくなってくる。ふと後ろを振り向くと屈強な体格をしたイーファンがヘバっている。先ほどのワリアアイベックスの撮影ではしゃぎすぎたのかもしれない。

10:30 バイト山、登頂成功
歩きはじめて三時間も掛からないくらいで山頂にたどり着く事が出来た。標高は4444mもあるが高度に慣れたのか前日と比べるとさほどキツく無い。まぁ俺に言わせれば高尾山レベル。
山頂の石が積み上げられた場所があったのでiPhoneで高度を測ると丁度4444m。この山の標高は4420mとか何かに書いてあったと思うけど俺は4444mと言う数字がとても気に入ったので俺が今まで登った山で一番高い山は4444mだと言う事にする。

なんで俺は山なんて登っているのだろう?
そうだ、軽い気持ちでうっかり参加しちゃったのがこのツアーだっただけだ、別に山に登ろうと思った訳ではない。そう言えばこのツアーを紹介してくれたサイトウさんは登山好きで、料金がもう少し安ければアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロに登りたいとか言ってた。
自分が富士山より高い山に登るとは全く思っていなかった。別に登りたいとも思わないし、大変そうだし、実際に大変だったし・・・
でも登れてよかったな。
サイトウさんに出会わなければきっとこんな山に登る機会は無かったと思う。こうやっって普段だったらやらない事をやる事になったりするから人生は面白い。サイトウさんに出会えた事に感謝!

Photo by Yifan
We did it! (俺たちはやった!)
山頂にてイーファンと喜びを分かち合った。バイト山の風景は大した事無いけれども俺たちの人生の中で4444mの山を登ったと言う事実は色々な勇気を与えてくれる。
例えば俺は日本の世界遺産である『屋久島』と『富士山』に行けると思う。きっとこの四日間より辛いと言う事は無いだろう。
キツかった分、達成感はある。
たった一回の行動と結果は後の人生に大きな影響を及ぼす事もある。
そんな晴れやかな気持ちで下山する途中で信じがたい光景を目にした。
なんと自転車の集団がやってきたのだ。
ギアを思いっきり軽くしているからシャカシャカとペダルを回しても自転車がギリギリ倒れない程度のスピードしか出ていない。
ここは標高4000m以上の高地だ。
俺たちは歩いて登るのがやっとだった場所だ。
それを自転車でのぼるだと!?
クレイジー過ぎる。
世の中にはグレイトでクレイジーな奴らがいっぱいいる。
だから面白い。
さっきまで達成感に満ちていたけれども、もっとなにかやれるだろ俺?
イーファンと顔を見合わせて笑った。
俺たち、まだまだだね!
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