あなたは、物乞いにお金をあげますか?

公開日: モロッコ 旅のコラム

ワルザザード

アイット-ベン-ハドゥに行った後、俺たちはワルザザードに戻り、次なる世界遺産マラケシュを目指した。

ワルザザードからマラケシュまでは約5時間、料金はひとり70dhと荷物代が10dh、全部で大体1000円位だ。この道のりは、サハラ砂漠から西に向かう最後の難関となっており、日光のいろは坂など目じゃない位にクネクネと曲がりくねった山道を行くことから別名、ゲロバスと呼ばれている。

バス酔いを全くしない俺たちでも他人のゲロはキツい。

かなりの不安はあったがバスの天窓を開けて空気が流れていたので後ろで『げー』とか『うぉろろろぉぉ』とか言うキモいノイズを無視していれば何とかやり過ごす事が出来た。

目の不自由そうな少年

途中でよった休憩所に目の不自由そうな少年がおり、俺たちが飲み残したミントティーを美味しそうに飲んでいた。バスの中からそれを眺めていた俺は、急にいたたまれない気持ちになってしまいバスから降りて、ポケットに入っていた小銭を手渡した。

お金をくれとせがまれた訳でもないのに渡してもいいものかと悩んだが受け取ってもらえた事にホッとした。(ちょっと前に一緒のバスに乗っていたモロッコ人のおっさんがこの少年に小銭を渡しているのを見ていた。)

この旅では数えきれないくらいの物乞いにたかられてきたがお金を渡す気にはなれなかった。今回の旅では初めての寄付だった。物乞いを煩わしく思う反面、何処かで罪悪感みたいな物を感じていたが、この少年のおかげで少し救われた気がした。

とっさの事だったので頭がまわらなかったが小銭ではなく、新しいミントティーを頼んであげればよかったと後悔した。その方がスマートだったと思う。

俺ってやつは何処まで行っても自分勝手で、自分都合でしか物が考えられない。でも、最近はそれでいいかなと思ったりもする。だってそれが正直な自分の気持ちだし、俺はそれ以上でもそれ以下でもない。

それに、俺が救われる為にお金を使う事は、他のだれかの為になんて考えて使うよりずっとずっと俺らしい。

あなたは、物乞いにお金をあげますか?

旅をしていれば物乞いに会うのは避けられない。その時に様々な事を思うと思うし、様々な考え方があると思う。

少しでも役に立てればと思い、小銭を渡す人

たかられて面倒くさくて、または、怖いから小銭を渡す人

絶対に渡さない人

その時、その時によって渡したり渡さなかったりする人

色々な人がいて、色々な考え方があると思う。

正解は無いし、人それぞれ、自分がしたいようにすればいいと思う。かつて俺は物乞いに乞われたらポケットの中の小銭をすべて渡すようにしていた時期もあった。俺は日本人だし、彼らに比べお金に余裕がある。彼らの生活のほんの少しでも役に立てればよいなと思って渡していた。

俺が旅する事でほんの少しでも現地の人の役に立てたらいいなと思ってそうしていた。

でも、今回の旅ではそう言う気持ちにならない。正直なところ、別に俺はいい人ではないし、正しい行いをしたいと思っている訳でもない。ましてやわざわざ人の役に立ちたいなどとも思っていない。

前の旅でやっていた事が偽善や嘘だった訳ではない、その時は、ただそうしてみたかったからそうしていただけで、今はそうしたいとは思わないだけだ。

こんな事を言うとあれだけど自分の心に本当に正直なところ、物乞いは迷惑だ。

まず、まとわりついてあの手この手で俺の時間を奪う(これが本当に迷惑)、そして不快な気分にさせられる。

何よりも、自分は不幸だと言う負のオーラが迷惑以外の何者でもない、こう言う負のオーラみたいなものが伝染しそうで本当に嫌だ。

全部とは言わないがこれらの人の半分以上は、既にビジネスとしてやっており、不幸を売っている。俺は不幸なんて買いたくないし、近づきたくない。

自分で書いていてなんだが、結構ひどい。でも、取り繕っていい人ぶってもしょうがない。

今回の俺の旅のテーマは

普段、何気なく使っているお金、でも俺はお金の使い方にこそ、お金の稼ぎ方よりも率直にその人の考え方や人生感が反映されるのではないかと思っている。

だからこそ俺は自分の人生に感謝して自分を大切に扱うようにお金を大切に、感謝して支払えるようになりたいと思った。

旅をしている間はお金を使う事の連続だし、日本にいる時よりもお金の使い方が問われる事が多いのでこの機会にしっかりとお金と向き合っていきたいと思ってる。

お金の使いは人生そのもの | 旅立ちドバイ編

俺が物乞いから感じる事は、不幸と罪悪感と恐怖(自分も路頭に迷ったらと言う恐怖)

元々、負の感情に敏感な俺は、そう言った人たちに会うともろに負の感情を受けるから近づきたくない。

極論を言わせてもらえれば俺は不幸にお金を払いたくない、幸せや感謝にお金を使いたい。
これは今回の旅のテーマでもあるし、俺の人生のテーマでもある。

俺もポルナレフくらいに強い心で他人なんてしったこっちゃないと思えれば気が楽なのだけども、人間の心はそんなに単純ではなく、同情、恐怖(自分がそうなったら?)、罪悪感などの感情を振り払いきれない。

例えばシリア難民のような状態になってしまったら?
身ひとつで命からがら他国に逃れたら?

そう言う状況の人を不幸の押し売りだと思って疎ましく思うの?

初めて旅をした時から考えさせられるこの問いに
俺は、まだ答えを持っていない。

その時、その時に、したいと思った事をするしかない。

あなただったらどうする?

公開日: : モロッコ 旅のコラム

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Comment

  1. はじめまして。

    興味深く記事を読みました。
    ボクも、海外でよく考えます。
    そのことを記事に書いたことがあります。

    良かったら、ご覧ください。
    では、良い旅を!

    「日本人の目とインド人の目から見たインドの物乞い ①」
    http://yukashikisekai.com/?p=19

    • 世界遺産ハンター より:

      『日本人の目とインド人の目から見たインドの物乞い』の記事、すごく面白かったです。また、ちょくちょく他の記事も拝見させていただきますね。

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