俺はいったいこんな所で何をしているんだろう? | Young Age Vol.21
2001年7月18日
安っぽい金属製パイプの二階建てベッド
俺はシンガポールの安宿で目が覚めた。
どの位寝たのだろう?
まだ、明け方だった。
確か夕方頃にここにたどり着き、そのまま寝た気がする。
薄暗い安宿でふと、考える。
What am I doing here?
僕はいったいこんな所で何をしているんだろう?
こんなことを自問自答した時、僕は旅してる気がする。
いつか何処かで読んだ記事にこんなようなことが書いてあった。
大抵は疲れている時、体調の悪い時、または心が疲れている時、ホームシックになった時、こんな感じの時にふと考える。
今がまさにその時だ!
俺はいったいこんな所で何をしているんだろう?
意味などなかった。
世界ってヤツを見てみたかった。
ただ、それだけだ。
情けないほど弱気になっていた。
祈るような気持ちで起き上がってみた。
体は動く、めまいもしない。
まだ気分はすぐれないが腹は減っていた。
俺は体調を確かめるように町へ出た。
まだほとんど日が出ていない町、薄暗い。
整備された町並み、危険を感じない。
24時間営業のレストランを見つけた。
イトーヨーカドー(ダイクマ等)の食堂みたいなレストラン。
300円程度で適当な飯が食えた。
あまり食欲はなかったが昨日食べた物は全て吐いてしまっている。
当然のことながら腹は減っている。
まだ起きるには早い時間だった。
食後、安宿に戻りもう一度寝た。
数時間後、目が覚めた。
ありがたいことに体調は大分良くなっていた。
ここシンガポールは東南アジアでは1、2を争うほど物価が高い。
すぐ隣の国、マレーシアと比べても倍近い物価になる。
海をはさんですぐ隣の国のインドネシアと比べると実に6、7倍位の違いになる。
俺が泊まっていた安宿はたしか一泊1700円位のドミトリー(二階建てベットが沢山あって色んな人が寝てる部屋)。
もっと探せば安い宿もあるだろう。
しかし、昨日の俺にそんな余裕はなかった。
ここに辿り着けたのは幸運だった。
昔、アメリカのサンフランシスコでドミトリーに泊まった時、一泊15ドル程度だったと思う。
そう考えると世界のアメリカさんと同じ値段かよ
俺はゆっくり休養したかった。
出来ればドミトリーでなく個室で。
体調も大分マシだ。
何とか動ける。
どうせゆっくり寝るなら物価の安いインドネシアまで行こう。
インドネシアなんて船ですぐだ。
まだ少しふらついていたが気合を入れて俺はインドネシアを目指す事にした。
What am I doing here?
俺は旅をしながら何度もそんなことを考えた。
俺は思い出していた。
何で俺はこんな所にいるんだろう?
あとがき
旅先で体調を崩すと急に弱気になる。
昨日まで最高にハイってヤツだァ!とか言っていた日々が嘘のようだ。
たった一人で、こんな遠い異国の地で俺は一体、何をしているんだろうかと急に女々しくなった。
What am I doing here?
僕はいったいこんな所で何をしているんだろう?
こんなことを自問自答した時、僕は旅してる気がする。
このフレーズを何かの記事で読んだとき、カッケー!
いつか俺も!
みたいな事を思ったが実際にこの状態に追い込まれるとそんなにいいものではない。
こう言うセンチメンタルな気分に浸るのも旅の醍醐味かもしれないが所詮は中2レベル。
2012年にインドで食中毒にあった時は、こんな生易しいものではなく、毎日、毎日、体重が1Kgずつ減っていくと言う凄まじいレベルの体調不良だった。
冗談抜きに生命の危険すら少しは感じた。
体は痩せこけ体力は落ち、
体から余計なものが全て抜け落ち、
精神が研ぎすまされ、
生きている事のありがたみを深く感じ、
眼に映る自然の美しさがやけにはっきりと感じられる様な気がした。
ガンジス川の砂が朝焼けに反射して神々しく輝いている。
信じられなくらいに美しく幻想的な風景に圧倒され、
俺は死ぬのか?
いや、多分大丈夫だとは思っていたけれども若干、生命の終わりすら心配した。
この時の俺は、センチメンタルなんて女々しいものではなく、すでに仙人のレベルに達していた。
リシュケシュと言うインドの聖地がそうさせたのかもしれないが。
インドの巡礼者たちが目指す聖地、リシュケシュの美しい風景 | インド旅行記09
この時の体験はまじで神秘的だったな
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