世界遺産が出来るきっかけとなった文化遺産『アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群』
1960年代、ナイル川流域にアスワン・ハイ・ダムの建設計画が持ち上がり、このダムが完成するとヌビア遺跡が水没する事が懸念された。そこでユネスコが、ヌビア水没遺跡救済キャンペーンを始めた事がきっかけとなり歴史的価値のある遺跡、建築物、自然等を国際的な組織運営で守る為に『世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約(世界遺産条約)』が出来る事になった。
世界遺産が出来るきっかけとなった物件で、いわば世界遺産ZEROとも言える物件。
ちなみにもっとも古い世界遺産は1978年に登録された世界遺産第一期生で翌年に第二期生として『アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群』もユネスコの世界遺産に登録された。
アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群
Nubian Monuments from Abu Simbel to Philae
1979年、世界文化遺産に登録 / (i)(iii)(vi)
エジプト南部、ナイル川流域にある古代エジプト文明の遺跡で、『アブシンベル神殿』、『アブシンベル小神殿』、『切りかけのオベリスク』、『クヌム神殿』、『ナイロメーター』、『岩窟墳墓群』、『聖シメオン修道院』、『イシス(フィラエ)神殿』、『カラブシャ神殿』などが世界遺産として登録されている。
メインとなるのはやはりアブシンベル神殿で四体のラムセス2世像が並んでいるこの場所はジョジョの三部でオインゴとボインゴの登場シーンにも使われた。(日本から来た漫画家がボインゴの漫画に興味を持つシーン)
『ジョジョの奇妙な冒険』20巻 参照
この遺跡はエジプト最南端にある見所でスーダンとの国境近くに位置する。アスワンからアブシンベル神殿までのツアーはひとり110エジプトポンド(約1650円)で約3時間、アブシンベル神殿の入場料がひとり127エジプトポンド(約1900円)。本当にエジプトは観光費が高すぎて嫌になる。
アブシンベル神殿は流石にユネスコがダムに沈む前に分解してこの場所に移しただけあり、他のエジプト遺跡と比べると管理が行き届いている。
アブシンベル神殿の内部は写真撮影不可だったが綺麗に管理されており見応えは十分だった。
アブシンベル小神殿
アブシンベル神殿を小さくした感じでこじんまりしている。
こちらも内部は撮影不可だったがとても綺麗に管理されていた。
切りかけのオベリスク
アスワンの街から徒歩で一時間しないぐらい、料金は40エジプトポンド(約600円)と遺跡の規模のわりには高い。
あの有名な切りかけのオベリスクはこれだけなのだけれども映画『ピラミッド5000年の嘘』にも登場した場所なのでどうしても見に来たかった。
このオベリスクは長さ42m、重さは1168トンと推定され完成すればエジプト最大のオベリスクとなった。
岩窟墳墓群
古代エジプト、ローマ支配時代の貴族達の墓群。墓の内部や周辺には無数の人骨が散らばっているそうだ。
岩窟墳墓群はアスワンから船でナイル川を渡って行くことが出来る。
エジプトの遺跡はほとんどがナイル川沿いにあり、ギザ、ルクソール、アスワンと列車で行くことにより主要な世界遺産を見る事が出来る。
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