世界最古の木造建築、法隆寺、法起寺 | 奈良の世界遺産『法隆寺地域の仏教建造物』
古都奈良には沢山の世界遺産がある。古都奈良の文化財として登録されている『東大寺(正倉院を含む)、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡、春日山原始林』。
しかし、日本で一番最初に文化遺産として登録されたのは法隆寺の『法隆寺地域の仏教建造物』で法隆寺地域だけで単独で世界遺産登録されるほどの貴重な建物が沢山残っている。それもそのはず、法隆寺の木造建築物は現存する世界最古の木造建築物なのだ。俺が今回の旅でもっとも楽しみにしていた場所で奈良最後の日にようやく法隆寺に辿り着いた。
法隆寺地域の仏教建造物
1993年、世界文化遺産に登録
法隆寺、法起寺
7世紀に建設された法隆寺、法起寺などの仏教寺院は現存する世界最古の木造建築で主要建物である金堂、五重塔、中門、回廊は中国や朝鮮にも残存しない初期の仏教建築様式で作られている。法隆寺の建造物47棟と法起寺の三重塔を加えた48棟が世界遺産に登録されている。法起寺には706年に完成した三重塔が残っている。
アクセスはJR法隆寺駅より徒歩約20分、またはバスで「法隆寺門前」下車。
拝観時間は午前8時~午後5時(11/4~2/21は午後4時半まで)
拝観料は一般で1000円
南大門 法隆寺の国宝
法隆寺の玄関にあたる総門で創建時のものは1435年に焼失し、1438年に現在の門が再建された。
中門 法隆寺の国宝
西院伽藍の本来の入口となる中門は飛鳥建築の粋を集めたもので重厚な扉の左右に立つ金剛力士像は日本最古のもので奈良時代に造られた。
法隆寺の仁王像は重要文化財となっている。
廻廊 法隆寺の国宝
中門を抜けると奈良時代に造られた廻廊がある。実はこの廻廊も国宝となっている。
この廻廊の奥に見えるのが大講堂でこちらも国宝となっている。大講堂は925年に落雷により焼失してしまったが990年に再建され本尊の薬師三尊像及び四天王像もその時に作られた。
日本最古の五重塔 法隆寺の国宝
法隆寺の五重塔は高さ約31.5メートルあり680年頃に飛鳥様式で造られたわが国最古の塔でもある。塔はストゥーパとも言われ、釈尊の遺骨を奉安するためのもので仏教寺院において最も重要な建物と言われている。
1300年も前に造られた木造建築物が残っているだけでもすごい事なのに、この五重塔ときたら全然現役ですけど何か?みたいな余裕をかまして、どっしりと建っている。今回の旅で何本もの五重塔を見てきたが法隆寺の五重塔はその全ての塔の大先輩である。
金堂 法隆寺の国宝
金堂は五重塔同様に世界最古の木造建築物の一つで国宝となっている。ご本尊は金銅釈迦三尊像(飛鳥時代)、金銅薬師如来座像(飛鳥時代)、金銅阿弥陀如来座像(鎌倉時代)、日本最古の四天王像(白鳳時代)、そのほか木造吉祥天立像・毘沙門天立像(平安時代)などが安置されている。周囲の壁面には、世界的に有名な壁画が描かれている。(昭和24年に焼損したが現在は再現壁画がはめ込まれている)
鐘楼(しょうろう) 法隆寺の国宝
鐘楼は925年に大講堂とともに落雷により焼失した為、現在の鐘楼は経蔵の様式にならって再建された。吊されている鐘は白鳳時代のもの。正岡子規が詠んだ「柿食えば鐘がなるなり法隆寺」の鐘とはこの鐘の事で、昔あった茶屋「柿茶屋」でこの鐘の音を聞いて作った有名な句だそうだ。正岡子規の事は全く学の無いこの俺でも司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』を読んだのでよく知っている。まさか、こんなところで彼の俳句に出会えるとは思わなかった。句の意味は全然わからなかったけど。
夢殿(ゆめどの) 法隆寺の国宝
夢殿とは行信僧都という高僧が、聖徳太子の遺徳を偲んで739年に建てた伽藍を上宮王院(東院伽藍)といい、その中心的建物が夢殿。門からしてかなり年期の入った雰囲気を醸し出している。
奈良時代に建立された日本最古の八角円堂には、聖徳太子等身と伝える秘仏救世観音像(飛鳥時代)、聖観音菩薩像(平安時代)、乾漆の行信僧都像(奈良時代)が安置されている。鎌倉時代の大修理で軒の深さなどが変更されているらしい。
中宮時(ちゅうぐうじ)
法隆寺に隣接しているお寺で法起寺に行く際に寄ろうと思ったのだが時間が遅く、すでに閉館してしまっていた。飛鳥時代の彫刻の最高傑作と言われる国宝の菩薩半跏像(寺伝如意輪観音)を一度見てみたかったのだがどうやら間に合わなかったらしい。菩薩半跏像(寺伝如意輪観音)は、なんとエジプトのスフィンクス、レオナルド・ダ・ヴィンチ作のモナリザと並んで「世界の三つの微笑像」とも呼ばれてるそうだ。(本当かよ?)
拝観時間 9時~16時(3/21~9/30は16時半まで)、年中無休
入山料 500円
所在地 生駒郡斑鳩町法隆寺北1-1-2
聖徳宗 中宮寺 公式ホームページ
http://www.chuguji.jp/
法輪寺(ほうりんじ)
小雨が降る中、中宮時を抜けて法起寺を目指す。法起寺は思っていたよりも歩くには遠く俺の残りHPを容赦なく奪っていく。大分、歩いたなと思った辺りでようやく中間にある法輪寺に辿り着く。拝観時間は終わっているので外からさらっと見て再び法起寺を目指して歩き出す。
中宮時から法起寺までの道のりには何も無く辺りはほのぼのとした田んぼや畑でジュースの自動販売機すら見かけない。
法起寺 世界遺産
法隆寺地域の仏教建造物の一部として世界遺産に登録されている法起寺。今回の奈良の旅の最終目的地でもある、感慨深いと言うよりはやっと終わったと言う気持ちに近い。706年に建てられた法起寺の三重塔は高さ24メートルで現存する日本最古の三重塔で国宝に指定されている。そう、この三重塔の写真を撮る為だけに30分近くもかけて歩いてきたのだ!
奈良の世界遺産では『春日山原始林』にだけ行けなかったのが唯一の心残りだが、一通り奈良にある世界遺産を見てまわれたので取りあえず満足する事が出来た。法起寺の三重塔の写真を撮って帰ろうと思いバス停を見たら何とあと1時間近くバスが来ない。と言うより一時間に1本位しかバスが通っていない。
小雨降る中、バス停の片隅でポケットに入っていた湿気たタバコに火をつける。
やれやれだぜ
奈良の世界遺産、一覧
『古都奈良の文化財』と『法隆寺地域の仏教建造物』全9件
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