光線銃を持つトゥーラの巨大戦士像 | 超古代文明の謎
公開日:
メキシコ

12月6日
快適なメキシコシティでダラダラとした日々を過ごしていたが、このまま何処にも行かずにメキシコシティを去るわけにもいかないと思い、前回、行きそびれたトゥーラ(TULA)遺跡に行くことにした。
この遺跡にある巨大な戦士像は、光線銃を持ち、生命維持装置を付けている宇宙人だと言う説がある。超古代文明好きの俺としては是非とも実物を見てみたいと思ったのだ。(実は4本ある 戦士像の内の2体は人類学博物館あり、トゥーラ遺跡には2体の本物の戦士像と2体のレプリカがある)
トゥーラ遺跡自体はマイナーな観光スポットだが、この腰に下げている光線銃のような物がオーパーツではないかと言う事で、その筋の人には有名になっている。
トゥーラ遺跡

トゥーラ遺跡はテオティワカン衰退後の西暦700年頃にこの地に住み着いたトルテカ人たちの遺跡で、前回、メキシコシティに来た時に行った世界遺産『ソチカルコの古代遺跡地帯』と同じ、トルテカ文明の首都だった場所だ。
トルテカ文明の発祥もまだ謎に包まれており、テオティワカン文明の消滅と密接に関係していると考えられている。戦闘的な文明だったと考えられるトルテカ文明がテオティワカン文明を滅ぼして、メキシコ中央高原一帯の覇者になったと言う説や、テオティワカン文明の内部分裂で別れた一派がトルテカ文明を築き上げたと言う説。
実際の所は、どのようなものだったのかわからないが、あれだけの文明を築き上げたテオティワカンを滅ぼせるほど、トルテカ文明は強かったのだろうか?もし、本当に光線銃を持っていたのであればそれも可能であろうけれども。
個人的には、テオティワカン文明の内部分裂と言う説が信憑性が高いような気もする。メソアメリカ全域でもっとも重要な神として崇められていたケツァルコアトル(羽根毛の蛇)と同じ位、重要なテスカトリポカという戦闘的で生贄を要求する神がいて、トゥーラでは、テスカトリポカにケツァルコアトルが追放されて知ったと言う伝説が残っている。
テオティワカン文明ではケツァルコアトル信仰が強く、立派なケツァルコアトル神殿まで作られていたが、この神殿が土で埋められていた事から推測すると、平和的で、生け贄を好まないケツァルコアトル派が、戦闘的で生け贄を好むテスカトリポカ派に破れ、トルテカ文明が発祥したのではないかと俺は勝手に推測している。

テオティワカン消滅後にメキシコ中央高原一帯を制したトルテカ文明は、12世紀から衰退し、14世紀半ばにはアステカに占領されながら存続した。
ちなみに、アステカ文明もテスカトリポカ信仰が強く、かなり多くの生け贄を捧げていた。この異常なまでの生け贄文化がジョジョの石仮面伝説を生んだのは有名な話だ。ジョジョの1巻の一番最初のページでアステカの民が石仮面をかぶって生け贄を捧げている。

トゥーラ遺跡自体の規模は小さく、見所と言えばほぼ、戦士像しか無いのだけれども、まだ発掘されていないだけで本当は物凄く広いらしい。なにせ、テオティワカン文明の消滅後にメキシコ中央高原一帯を支配していたと考えられるトルテカ文明の首都だった場所なので、実際は相当広いと思われる。

中米の遺跡を沢山まわっている俺たちにはお馴染みの球技場。これを見る度に俺たちはちょっと通ぶって、これは球技場だねとか言う事にしている。

ピラミッドの壁面に描かれたジャガーのレリーフ。

トゥーラ遺跡は、戦士像以外の見所は乏しい。

柱がいっぱい

ピラミッド

見所は乏しいが、この戦士像はやはりテンションが上がる。中米の遺跡で、こう言った像はかなり珍しいのでこれだけでも、わざわざ見に行く価値があると思う。しかも、光線銃を持っているなんて、いわくつき。
超古代文明好きにはたまらない遺跡だった。

ワンポイントアドバイス
メキシコの空はいつも突き抜けていてとても気持ちがいい。でも、かなり日光が強いので帽子は持っていった方が良い。
トゥーラ遺跡への行き方
メキシコシティからトゥーラ遺跡への行き方は、地下鉄5番線、メトロ・アウトブセス・デル・ノルテ(Autobuses del Norte)駅から徒歩すぐのバスターミナルへ行って8番カウンターでトゥーラ行きの切符を購入。料金は片道126ペソ、所要時間は約1時間半。
俺たちは10:30発のバスに乗って12時きっかりにトゥーラの町に着いた。トゥーラ行きのバスは高いだけあってかなり快適で、乗る時にペットボトルの水かジュースをもらえる。移動中は映画が上映されており、ちょうど一本、映画を見終わる頃には到着するのでちょうどいい。
ちなみにテオティワカン行きのチケットカウンターと一緒だったのでテオティワカンに行った事のある人ならすぐわかる。
トゥーラの町からトゥーラ遺跡までは歩いて40分くらい?俺たちは適当に歩いて向かったが、結構遠かったのでタクシーかバスを使った方が良いかも。
公開日:
:
メキシコ
関連記事
-
-
世界遺産『カミノ・レアル・デ・ティエラ・アデントロ-メキシコ内陸部の王の道』
メキシコシティの治安と物価 2016年9月1日 メキシコと日本との時差14時間、
-
-
ソチカルコの古代遺跡地帯 | メキシコの世界遺産
9月10日 メキシコシティ近郊にある世界遺産の中で、古代都市テオティワカンの次に楽しみ
-
-
古代都市テオティワカン | メキシコの世界遺産
2016年9月7日 雨期のメキシコで俺たちは、ずっと晴れの日が来るのを待っていた。メキ
-
-
カラクムル遺跡から憧れの楽園トゥルムへ
11月24日 カラクムル遺跡を満喫した俺たちはベカンの宿をあとにして、次に向かったのは
-
-
古代都市ウシュマル | メリダから日帰り出来る世界遺産
2016年12月26日〜29日 カンペチェから魔法使いのピラミッドで有名なウシュマル遺
-
-
プエブラ歴史地区 | メキシコの世界遺産
12月8日〜9日 俺たちは、メキシコシティから日帰りで行く事も出来る世界遺産『プエブラ
-
-
古代都市パレンケと国立公園 | メキシコの世界遺産
12月23日 オコシンゴでトニナ遺跡を見た後、俺たちはユネスコの世界遺産『古代都市パレ
-
-
トゥルム遺跡 | カリブ海に面したマヤ終焉の地
トゥルム遺跡 トゥルム遺跡は、1200年頃から1542年まで栄えたマヤ文明、最後の都市
-
-
カラクムル近郊にあるマヤ遺跡、ベカン遺跡(Becán)とバラムク遺跡(Balamku)が意外と凄かった
話は少し前後して、11月22日 俺たちは、カラクムル遺跡を目指してベリーズからメキシコ
-
-
メキシコの世界遺産、一覧 全34カ所のリスト
中南米で最も世界遺産の多い国、メキシコ。 オルメカ文明、古代マヤ文明、アステカ文明、冒
トラックバック用URL