世界遺産の町、マハーバリプラムの石窟寺院

写真はパンチャパーンダパ・マンダパ窟の壁画
インドの中世建築の原初の形、石窟寺院
マハーバリプラムの石像建造物は花崗岩の岩山を掘削した石窟寺院から始まり、その後、岩壁彫刻や石彫寺院、そして最後は切石を積んで建立した最初期の石造寺院となる。
マハーバリプラムの石窟寺院のなかでもヴァラーハ・マンダパ窟、マヒシャマルディニー・マンダパ窟、トルムールティ窟、アーディ・ヴァラーハ窟の建築は彫刻ともきわめて優れていると言われている。
石窟寺院の柱は時代とともに太い角柱が、しだいに細くなり、柱脚にはパッラヴァ朝のシンボルでもあるライオンが彫られるようになる。

マヒシャマルディニー・マンダパ窟
マハーバリプラムの公園内にあるマヒシャマルディニー・マンダパ窟を見上げながら階段を登って行く道がテンションの上がるいい雰囲気になっている。

ヒシャマルディニー・マンダパ窟の全体像。大きな岩を刳り貫いて作られた石窟寺院、上にも寺院がある。
ライオンの彫刻はパッラヴァ朝のシンボル。

上にある寺院の彫刻も良い感じ。この公園内で一番見所があると言われている寺院。
この時代の寺院の石柱にはライオンの彫刻がまだ無い。

よくもこんな大きな岩を刳り貫いて作ったなと。当時の建築は一つの大きな岩を刳り貫くスタイルだったのでインド人の根気は半端ない。

パンチャパーンダパ・マンダパ窟
マハーバリプラムでもっとも規模の大きい石窟がパンチャパーンダヴァ・マンダパ窟で両端の付け柱を除いて6本の柱が2列彫り出されている。

石窟寺院内の彫刻も見事で見応えがある。パンチャパーンダヴァ・マンダパ窟の大岩は、そのまま世界最大のレリーフとも言われる 「アルジュナの苦行」に繋がっている。
パンチャパーンダヴァ・マンダパ窟からアルジュナの苦行までの巨大な岩に作られた7世紀インドの芸術的な世界遺産はかなりのおすすめ。

未完成の中央祠堂。拝堂の壁面にも彫刻がほどこされていない。

マハーバリプラムには未完成の石窟が多く残っている。7世紀から8世紀にかけて建築方法が石窟を中心とする建築から石造を中心とする中世の建築へと進化した為だと言われている。

ラーマーヌジャ窟
ヤギがくつろいでいるこのラーマーヌジャ窟の柱に彫刻されているライオンはまだ座ってるデザインで、後の南インドでは、2本足で立ち上がったライオン柱が主流となる。
マハーバリプラムの遺跡はすべてヒンドゥ教寺院とヒンドゥ彫刻で柱脚は最初は四角柱だったが後にパッラヴァ朝の象徴でもあるライオンが彫刻されるようになった。

マハーバリプラムの公園内にはその他にも石窟寺院や遺跡らしき物が沢山ある。
これらの寺院も一つの大きな岩から作られている。

これらの石窟寺院はクリシュナのバターボール、アルジュナの苦行と同じ公園内にあるので半日かけてゆっくり回る事が出来る。

パッラヴァ朝のシンボルのライオンが至る所で見る事が出来る。
観光地の様に混雑しておらず雰囲気がとても良くてまったりとした雰囲気のある世界遺産なのでゆっくりと自分のペースで楽しむ事が出来た。
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