オルメカ文明 | メキシコ人類学博物館
公開日:
メキシコ メキシコ国立人類学博物館

中米のスター的な文明と言えばやはりマヤ文明だし、ジョジョ好きはアステカ文明も捨てがたいだろう。オーパーツとの噂があるオルメカヘッドで有名なオルメカ文明も昔から知ってはいたが実のところ、それほど興味があった訳ではない。しかし、ここメキシコ人類学博物館に来て、その考えを改めなければならなくなってしまった。
中米でもっとも超古代文明の香りがする文明はオルメカ文明だった!
オルメカ文明 メキシコ湾岸室
オルメカ(Olmeca)文明は紀元前1200年頃〜紀元前後に栄えた文明で、アメリカ大陸で最も初期に生まれた「母なる文明」と呼ばれている。先古典期を代表する文明で、都市文明の段階にまで達し、石造建築や絵文字などを生み出した。後の古典期で、メキシコ高原にはテオティワカン文明、ユカタン半島にはマヤ文明という都市文明が生まれ、オルメカ文明の遺産を引き継いだと考えられている。最終的に後古典期でこれらの文明を引き継いだのがアステカ文明で、後にスペインに滅ぼされる事になる。

もっとも有名なのはやはりこのオルメカヘッドと言われる玄武岩出で来た巨人頭石像で、玄武岩が採れない地域から発見された。この石像はなんと35トンもあるのだがどのようにして運搬したのかは未だに謎に包まれている。これはミステリー好きの間では有名な話で、ムーとかそう言うオカルト本を読んでいた人であれば一度は目にした事があると思う。まぁすごいっちゃすごい話なのだけれども他の謎に比べると地味だったので小学生の頃の俺はあまり興味を示さなかった。
だが、ここに来てオルメク文明について調べれば調べるほどこの偉大な古代文明に惹かれていった。

これは中庭にあった最下層の冥府ミクトランの王にして死の神ミクトランテクートリ。まさにラスボスに相応しい出で立ちで、めちゃくちゃカッコいいデザインだ。このままキラッキラのビックリマンシールになっていてもおかしくはない出来で、現代人から見ても即採用の秀逸なデザインだ。

それがアステカ時代になると・・・
何だ?この恥ずかしい出で立ちの男は???
1000年〜2000年も後の文明のデザインがこの有様なのか?これは本当に死の神ミクトランテクートリなのだろうか?俺は実はこの男はミクトランテクートリでは無いのじゃないかと疑っている。

このオルメカ文明の部屋に来る前に散々、1000年以上も後の文明の作品を見てきたのだけれどもこの中米で最初の文明の時点で既に芸術的に後の文明に劣らないクオリティに達しているような気がした。

土偶もイカしている。

デザインもイカしている。

そして極めつけはこれ!なんか、後に起こるテオティワカンやマヤ、アステカ文明の作品よりも洗練されていないか?彫刻のクオリティ自体も高くないか?
そして何より、現代人の俺がぱっと見た感じ、宇宙人をモチーフにした物じゃ無いのか?と直感的に感じる。

俺がこのメキシコ人類学博物館で見た中で一番感動した作品がこれ!
直感的に見て、俺にはこれが空を飛ぶSF的なバイクのような物にしか見えない。中南米の文化では車輪は発明されなかったと言われているが、もしかしたら、もしかしたらだけれども、車輪は既に必要ないレベルに達していた可能性もあるんじゃないのか?

これらの作品も俺的には明らかになんだかSF的なすげー乗り物に乗っているように見える。乗っている人たちの手を見ると何かを操縦しているように見えるのは俺だけか?
もし、これらを乗り物だと仮定するとこれらの乗り物は中を浮く乗り物なのではないかと推測される。ちなみに伝承によるとエジプトのピラミッドもテオティワカンのピラミッドも笛のような楽器を奏でると石が中を浮いて一晩で作り上げられたと言われている。伝承の信憑性はともかくとしても、古代の知識人は反重力装置的な発明を既にしていた、もしくは知識を遺産として相続していた可能性をゼロだと言い切るのは科学的ではない気がする。あくまで可能性だけど。

これらの近未来的(現代から見て)な宇宙時代を想像させる作品が2000年〜3000年以上も前に作られたのだろうか?現代人の俺から見ても斬新で未来的すぎる。人は何かをデザインする際に必ず何かをモチーフにしてインスピレーションを得る。無から有を生み出しているようで実は元ネタがあるものだ、例えばあの超天才建築家のガウディの奇抜でぶっ飛んだデザインでさえ、自然を研究しまくった上で生まれたデザインだ。
これらの作品も必ず何かにインスピレーションを得て作られている事は確かだろう、もしかしたら超天才的な人がガウディのように自然の何かからインスピレーションを得た可能性もあるだろう、凡人の俺にはガウディの作品を見た瞬間、別の惑星のデザインでは無いかと思った程なので否定は出来ない。しかし、少なくとも2000年位前の時代に、こんなにも機械的なデザインを想像出来るのだろうか?

彫刻のクオリティが後の時代よりも明らかに洗練されすぎていないか?

これらの明らかにハイセンスな作品を見る限り、これらのモチーフとなる人たちが実際に居たのではないだろうか?と考えた方がつじつまが合う。これはもちろん、素人の考えだし、子供の頃よりミステリー本を読みあさっている俺の思考にはバイアスが掛かっている事は確かだ。だけれども、こんなすげー物を博物館で実際に見てしまったら、超古代文明はマジで存在したかもしれないと言いたくもなるだろう。

この人も何か車輪無しで進む乗り物に乗っているように見える。

この人も!

この人なんか明らかに気持ち良さそうに進んでいるように見えるのは俺だけか?
もしも、このような技術があったとしたのなら冒頭で出てきた35トンもあるオルメクヘッドの運搬も容易に出来たのではないだろうか?

俺はこの太古の文明にロマンを感じずには居られない。

メキシコ最古のカレンダー
この頃より数字や暦、天文学の知識があったと言われていて、マヤ文明もこのオルメカ文明のカレンダーや数学の知識を引き継いだと考えられている。ま、俺にはこれを見ても何の事かさっぱりわからないけれどもとにかくすごいって事だ。

ベラクルス州で発見された紀元前600年〜紀元前100年頃の像で、戦士の像と呼ばれている。

俺の中で今、もっとも熱い文明はオルメク文明だ!

最後はオーパーツとの噂のオルメカヘッドでしめたいと思う。
この博物館に来てまた、俺のバイブル的な本『神々の指紋』を無性に読みたくなってしまい、Kindleで購入。マジで便利な世の中になったもんだ、メキシコに居ながら日本語の本をワンクリックで買えるとは。この本は中南米に行く方には絶対に読んでもらいたいと思うくらいにオススメの本で、既に旅に出てしまっている人でもKindleで買えるので買う事を強くおすすめする。
マジで、この本を読むと中南米の遺跡巡りの旅が数倍は面白くなると思うよ。
メキシコ人類学博物館の記事一覧
人類学入門 | メキシコ国立人類学博物館
先古典期 | メキシコ国立人類学博物館
テオティワカン文明、トルテカ文明 | メキシコ国立人類学博物館
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マヤ文明 | メキシコ国立人類学博物館
オルメカ文明 | メキシコ人類学博物館
オアハカ室 | メキシコ人類学博物館
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最終更新日:2018/02/13
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