マヤの人類滅亡説の元となった碑文がある『キリグア遺跡公園』 | グアテマラの世界遺産

公開日: グアテマラ 世界遺産

マヤの人類滅亡説の元となった碑文がある『キリグア遺跡公園』 | グアテマラの世界遺産

グアテマラ東端部、イサバル県のモタグア川中流域にある古典期に繁栄したマヤ遺跡、キリグア(Quiriguá)。この遺跡が一躍有名となったのは人類滅亡の予言とされたとするマヤ文字の碑文があったからだ。

『キリグア遺跡公園』 | グアテマラの世界遺産

この石碑Cに、2012年12月でマヤ暦の世界が終わると記されていた。ただ、それは人類が滅亡するとかそう言う事が書いてある訳ではなく、マヤの暦で言うところの第5の世界の終わりが記されているだけであった。これはマヤ暦の約5129年のサイクルで、今までに既に4つの世界が終わっている。2012年12月で第5の世界が終わっているので現在は第6の世界と言う事になる。

これが本当だとすると既に2万年以上も前からマヤ文明では暦を完成させていた事になるが現在の一般的な考古学では、先古典期前期(紀元前3000年 – 紀元前900年)頃からマヤ文明が始まったと考えられている。もしかしたら第5の世界(紀元前3000年頃)から始まって、その前に4つの世界があった事にしたのかもしれない。神話なんていい加減なもんだ、なにせマヤの言い伝えでは、人は神がトウモロコシから作った事になっているのだから。

ただ、そんな難しい事を言われても、小学生だった俺にはさっぱりわからず、2012年にマヤのカレンダーでは、世界は終わりを告げ、この世が滅びるかもしれない!なんてオカルト本に煽られたらマジか!超やべーじゃん!って単純になってしまうよね。

まぁとにかく、この遺跡はそう言った意味でも有名でだったって訳。そんな場所に来れたんだ、遺跡が多少ショボくたって来た甲斐があるってもんだぜ。

キリグア遺跡公園 | グアテマラの世界遺産

『キリグア遺跡公園』 | グアテマラの世界遺産

Archaeological Park and Ruins of Quirigua
1981年に世界遺産に登録

入場料はひとり80ケツァール(約1200円)もした。しかも、俺たちの必殺の学生証も使えない、UNESCO公認の正規の学生証を作ったのに全然使えないってどういう事???次のティカール遺跡は大きな遺跡だし、きっと使えるだろう。

マサキさんのキリグアの宿からキリグア遺跡公園まではトゥクトゥクで10分位。歩くと1時間位かかるらしい。料金は地元の人で一人5ケツァールくらいなので俺たちは外人価格でひとり10ケツァールも払っておけばトゥクトゥクの運転手もニコニコだ。

キリグア遺跡公園

キリグア遺跡の見所は主に石碑で、ピラミデスのような建物などは特にない。ここにはマヤ最大の石碑で、高さ7.62mもある、すごいっちゃ凄いがエジプトで散々オベリスクなどを見ているので特別な感慨はない。

キリグア遺跡公園

これは獣形神。この遺跡は繊細なレリーフが評価されて世界遺産に登録されたそうだ。しかし、レリーフの細かさで言えば、アジア圏で散々、色々な遺跡を見てきているので特別な感慨はわかない。

キリグア遺跡公園

石碑の裏に刻まれた立派な碑文。マヤ文明の文字は相変わらずカッコいい。

キリグア遺跡公園

レリーフ。
アンティグアにいる間で、完全に雨期が終わったのかと思っていたがここキリグアは完全に熱帯雨林気候の為にガンガンに雨が降る。この日も朝から雨が降りまくっており、この草原も完全に湿地帯のようになっていた。先日行ったコパン遺跡も雨だったし、なかなかすかっと壮快に晴れる事は無さそうだ。

キリグア遺跡公園

描いてある絵は素晴らしいが、こう言うのはメキシコの人類学博物館で散々見ているのでどうも感動が薄い。

キリグア遺跡公園

この獣形神なんかも凄いんだけれどもね。

キリグア遺跡公園

唯一と言っていいのかそれっぽい遺跡、こじんまりとしたアクロポリス。

キリグア遺跡公園

これは何だろう?球技場なのかな?

天気は曇りだが湿度がすごい為に、嫌な汗がじわりとたれる。メキシコシティ、アンティグアと標高の高くて過ごしやすい場所にずっといたので忘れていたが、俺たちは今、赤道付近の熱帯雨林にいるのだったと言う事を思い出す。

キリグア遺跡公園

このコケが生えた石垣はけっこう綺麗に作られていた。でも、エジプトのピラミッドやインカ文明の巨石のレベルではない。

キリグア遺跡公園

まぁ正直な話、この遺跡で80ケツァールはちょっと高すぎだと感じた。さらってまわって大体1時間くらい。テオティワカンソチカルココパン、キリグアと世界遺産に登録されている遺跡をまわって行ってどんどんショボくなっている感じは否めない。キリグア遺跡をすっ飛ばしてまわる人の気持ちも分からないではない。

しかし、先日に行ったホンジュラスのコパン遺跡が栄えていた時代、ただの衛星都市に過ぎなかったこのキリグアの王カック・ティリウは、738年にコパンの13代目の王ワシャクラフン・ウバフ・カウィールを捕らえて斬首し、14代目の王として君臨した。コパンを倒したことによりモタグァ川流域の交易を独占することに成功し、モタグア川流域そのものの人口も増大した。

なにせ、この遺跡から歩いて一時間もかかるマサキさんの宿からも沢山の遺跡が出土するくらいに広範囲に人が住んでいた。

しかし、コパン王朝を倒し、繁栄したキリグアもほんの数代で終焉を迎える。8世紀はマヤ文化の絶頂期で、9世紀頃よりどこも衰退が始まる。このキリグアも他と同じように衰退して行ったのだろうか?

こんな歴史的な背景を知るとあの場所がああで、この場所がこうで、と頭の中で想像力が働き、壮大な歴史ロマンに浸る事が出来る。遺跡自体はショボくても、脳内フィルターを通せばそれなりに楽しめる場所だった。

キリグア遺跡公園

最後に記念撮影をパシャリ。

公開日: : 最終更新日:2017/03/18 グアテマラ 世界遺産

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