古代都市チチェン・イッツァ | 年2回、羽を持つ蛇のククルカンの降臨するピラミッド

12月29日
ウシュマル遺跡の観光を終えた俺たちは、メキシコで一番美しいとされるピラミッドを有するチチェン・イッツァを目指してバヤドリド(Valladolido)と言う町までやってきた。メリダからバヤドリドまで地図上で見る限り、近いのに4時間も掛かった、料金はセカンドクラスのバスで113ペソ(約600円)。それと言うのも、メリダからバヤドリドまでの道のりにチチェン・イッツァ遺跡があり、そこが大渋滞で抜けるのにかなりの時間が掛かった。
結局、予想外に時間が掛かった為にこの日はバヤドリドのバスターミナルのすぐ近くにある安宿ラ・テルミナールと言う宿に泊まる事にした。料金は一泊300ペソとちょい高めだがバスターミナルのすぐ近くにあるので立地はとても良い。
ちなみにバヤドリドでの食事は、フランシスコカントン公園のすぐ近くにある、食堂の中の中華が安くてうまい。
チチェン・イッツァへの行き方

12月30日
俺たちは、バヤドリドのバス停から9:43発のバスに乗ってチチェン・イッツァへと向かったが到着したのは11:10だった、料金はセカンドクラスのバスで片道30ペソ。わざわざ近くの町に泊まったのに意外と時間が掛かる。
更に、チチェン・イッツァの人気はディズニーランド並みで、入場チケットを買うのに嘘みたいに並ぶ。今までメキシコの世界遺産に登録されている遺跡はかなりまわったがこんなに入場するのに並んだ事は無い。大体、30分くらい並んでようやく買えたチケットは232ペソ(約1300円)。この料金はウシュマルよりも若干高く、恐らくメキシコで一番高い。それでもこの程度の料金で済むところにメキシコの良心を感じる。ペルーとかエジプトとかの搾り取りは、マジで容赦ないからね。
これは個人的な感想だが、ウシュマルも見る為にメリダに移動するのであれば問題ないが、チチェン・イッツァだけを見る場合、個人で行くよりもカンクンなどから出ている日帰りツアーに参加した方が効率もよく料金も安く済む。安いツアーだと入場料も込みで35ドル位からあるみたいだ。
また、カンクンからメリダ間のバスでチチェン・イッツァに途中下車して観光してそのままメリダに抜けたりする事も出来る。その際に、荷物はチチェン・イッツァの荷物預場所で預かってもらえる。
古代都市チチェン・イッツァ
Pre-Historical City of Chichen Itza
1988年、世界文化遺産に登録 / (i)(ii)(iii)

メリダの東、約120キロメートルにある後古典期マヤ遺跡で、総面積は約1.5平方マイル。マヤの最高神ククルカン(ケツァルコアトルのマヤ語名)を祀るピラミッド『エル・カスティーヨ』または、『ククルカンのピラミッド』、『ククルカンの神殿』の呼び名で親しまれるこのピラミッドは、世界一、美しいピラミッドとも言われている。(基底55.3m四方、高さ24m、頂上の神殿部分は6m。)
カラクムルのマヤ遺跡を一緒にまわったメキシコ人夫妻に言わせるとチチェン・イッツァが世界一のピラミッドだそうだ。もちろん、俺に言わせればギザのピラミッドを越えるピラミッドなどこの世に無いのだけれども、世界一美しいピラミッドと言う事であれば、それもありかもしれないと思えるくらいに美しいピラミッドだった。もちろん、ギザのピラミッドが当時のまま保存されていたら美しさでも圧倒的No1だっただろうと思うのだけど。

このピラミッドの凄いところは、9段の階層で出来ており、4面に各91段の急な階段が配されていて、最上段に真四角な神殿が設置されている。この4面の階段の合計は、91段 x 4面 = 364段で最上段の神殿の1段を足すと、丁度、365段になる。また1面の階層9段は階段で分断されているので合計18段となり、マヤ暦の1年(18ヶ月5日)を表わしている。
更に!春分の日・秋分の日の夕方、ピラミッドは真西から照らされ階段の西側にククルカンの胴体が陰になって現れ、ククルカンが降臨する仕組みになっている。
そんな訳で、このエル・カスティーヨは、「暦のピラミッド」とも呼ばれ、マヤ文明の天文学への深い知識がふんだんにつぎ込まれている。
これはマジでヤバい仕組みだぜ!
俺たちは、秋分の日にグアテマラにいた事が悔やまれる。

チチェン・イッツァと言えば、まぁ1〜8くらいまでエル・カスティーヨが見所なのだけれども一応、ほかの場所も紹介しておく。この可愛らしい狛犬みたいなのはジャガー。なんか間抜けなんだよね。

最盛期はユカタン半島最強と言われたチチェン・イッツァの大球技場。色々な球技場を見てきたけれどもこの球技場はデカかった。

あと、ゴールがずいぶんと高い位置に設置されており、こんなところに玉が入るのかなと疑問に思った。ここで行われる試合が白熱すればするほど雨が降り豊作になると信じられており、勝敗によって生贄が決められる恐ろしいデスゲームでもあった。ただし、一説によると勝った方が生贄にされると言う説もあり、どちら側が生贄にされるのか現在でもはっきりとした事はわかっていない。

チチェン・イッツァの彫刻。

メキシコって本当にドクロが好きだよね。メキシコシティにあるアステカ文明の遺跡でもこのようなドクロの壁を見た事がある。そう言えば、グアテマラ北部で始まったとされるマヤ文明もこの頃になると、メキシコのトルティカ文明などとも交流があり、お互いの文化が入り交じってくるそうだ。

これはお馴染みのチャックモール、ここに生贄から取り出した心臓を捧げたと言われている。

これは千本の柱があると言う神殿。マヤ文明の遺跡ではこう言うのは珍しく、トルテカ文明の影響を受けて造られたのではないかと推測されている。トルテカ文明と言えばユネスコの世界遺産にも登録されている『ソチカルコの古代遺跡地帯』、『チョルーラの巨大ピラミッド』やメキシコシティ郊外にある『トゥーラの巨大戦士像』が有名だ。

本当に千本もあるのかな?数えなかったけれどもそんなにいっぱいあるようには見えなかった。まぁ数えてないので実際のところは、わからないけど。

チチェン・イッツァのピラミッドは、入り口から見た正面側はキレイに修復されているのだけれども反対側は、全然修復されていない。なんて言うか、メキシコのそう言う適当さや、その対比がびんぼっちゃまみたいで親しみが持てる。

カラコル(天文台)
旧チチェン区域にある高さ9mの露台の上にある高さ13mの塔が天文台で、ドーム状の屋根が観測室になっている。この観測部屋の窓に差す光によって秋分の日、春分の日、太陽と月の位置などを計算していた。これによってマヤの人々は一年を365.2420日で計算していた。現代人がコンピュータで計算する一年が365.2422日なので驚異的な精度だったと言う事になる。

セノーテ(聖なる泉)
俺たちがトゥルムで行った、メチャクチャ美しいグラン・セノーテとは違って、チチェン・イッツァのセノーテは緑の池だった。雨が降らない時など雨乞いの為に財宝や生贄を放り込んだと言われている。アメリカの探検家エドワード・トンプソンがこの泉から沢山の人骨や財宝を発見した。しかし、個人的な感想を言わせてもらえば、このきったねー泉に潜るのはかなり勇気がいる、まさにトレジャーハンターだぜ!
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